物語などで悪役として登場することの多いハイエナ。獲物を横取りするという悪いイメージも強いですが、私は以前からハイエナがとても好きです。
ハイエナは以下の4種類になります。
・プチハイエナ・シマハイエナ・ブラウンハイエナ・アードウルフ
先日、富士サファリパークへ行く機会があり、シマハイエナを観ることができました。シマハイエナを観ることのできる施設は日本では少ないそうです。検索してみると、飼育されている施設が4ヶ所、公開されている施設が2ヶ所、そのうちの1ヶ所が富士サファリパークのようです。
ハイエナについて調べたことを簡単にまとめてみました。
※以下の画像4枚はネットからお借りしました
▪️リーダーはメス
ハイエナは単独でも群れでも活動し、昼間は茂みや巣穴で休み、夜になると活動を始める夜行性の動物です。
ハイエナのメスは男性ホルモンの濃度が高く、メスの方が大きく成長します。一族のリーダーはメス。自分の群れを守らなければならず、戦うためには攻撃的な強さと体格が必要とされ、リーダー以外のメスもオスに対して支配的です。
リーダーとは直接関係のないメスのハイエナは、一生同じ群れにとどまり、協力し合います。「クラン」と呼ばれるメス同士の社会集団を形成し、1つのクランには20~30頭、多いときは100頭以上のハイエナがいることもあります。
一方、オスは成長すると一族から追い出され、別の一族に入ります。しかし、クランに入ったばかりのオスは最下層として扱われてしまい、オスは生殖以外には必要ないという立ち位置で、オスにとってはとても厳しい社会なのです。日本の古い映画や小説などに登場する「女は子供を産む道具」的な考えの男性に聞かせてやりたい話です。(笑)
▪️ハイエナの狩り
ハイエナは獲物を横取りしたり、他の動物の死骸を漁ったりするイメージが強いですが、自分たちで狩りもします。基本的には群れで行い、狩りの成功率は60〜70%。ライオンの30%前後よりも高いと言われています。
ハイエナは目、耳、鼻が優れているため、獲物を探すのが得意で、かつ体力があるので時速約60kmで獲物を追いかけることができます。これは体力や持久力のない肉食動物の中では珍しいことです。チーターなんて一度獲物を逃すと体力を回復するのに時間がかかり超腹ペコになってしまうとか。
つまり、ハイエナは他の動物から獲物を奪わなくても食には困らないのです。主にシマウマなどの大型哺乳類や鳥類を捕獲し、食べるものの半分以上は自力で捕獲していると言われています。動物から獲物を奪うことは、体力を使う狩りよりも効率が良いためで、他の動物の獲物の横取りはハイエナだけでなく、ヒョウやライオンもやっていることなのです。
▪️顎の強さと消化力
ハイエナの顎は哺乳類の中で最も強く、硬い肉どころか骨をも砕くほど強いものです。ライオンやトラに比べると体も顔も小さいものの、他の動物が手を出せないようなものを噛み砕く力を持っているのです。
さらに強力な消化能力も持っており、他の肉食動物が獲物の多くを残すのに対し、ハイエナは強力な顎と消化能力で獲物のほとんどを食べ尽くすことができます。
そのため、死骸に群がり腐肉をむさぼる姿から悪いイメージを持たれてしまうのでしょう。しかし、ハイエナは「サバンナの掃除屋」とま呼ばれており、サバンナを清潔に保つ役割もしているのです。まあ、ものは言いようですが。(笑)
▪️「クラン」vs「プライド」
ハイエナは優れた狩猟技術と強力な顎もあり、サバンナの中でも強さはトップクラスに位置します。ヒョウやチーターでも、ハイエナを見つけると獲物から逃げ出すことがあるため、ハイエナには敵が少ないのです。
そんなハイエナの敵はやはりライオン。ライオンとハイエナの生活圏は重なっているため、常にライバル関係にあります。
狩りでは、ライオンがハイエナの獲物を取ることもあれば、ハイエナがライオンの獲物を取ることもあります。ライオンもハイエナ同様に群れで行動しますが、これはハイエナに勝つための対策とも言われています。
ハイエナの天敵であるライオンも、ハイエナを恐れているのですが、不用意に単独または少数でライオンの縄張り「プライド」に侵入すると、捕食されてしまう可能性が高いという、難しい立ち位置であるとも言えます。
▪️ハイエナの一生
ハイエナは3年ほどで大人になり、寿命は20年程度と長く、飼育下では40歳まで生きた例もあるとか。
しかし、出産時に死亡する確率が高いことでも知られており、その理由は、ハイエナの産道は狭く、胎児が通る間に母親の皮膚が裂けてしまい、出産時の傷がもとで死亡することが多いそうです。
死産が多いものの、外敵はライオンだけということもありハイエナの子どもの生存率は高いとされています。
約4ヶ月の妊娠期間を経て一度に平均2頭の子供を産みますが、母子ともに死亡することもある過酷な出産になります。
そんな過酷な出産だからこそなのか、メスのハイエナは子供を産んだ後、母乳を2年間も飲ませ続け、そして1日に何時間も我が子と一緒に過ごすというバツグンの母子関係です。
また、同じ群れのメスも協力して子育てをし、産みの親以外のメスも授乳することがあり、育児にはとても熱心で恵まれた環境といえます。
オスとして生まれてしまうと過酷な一生が待ち受けていますが、メスとして生まれれば将来は安泰といえるでしょう。
などなど、諸々の理由で私はハイエナが好きなのです。
しかしながら喜んで富士サファリパークの一画でハイエナの写真を撮りまくっていたのは私くらいなもの。(笑)
この顔。「あら、今日の私はやけに人気ね」という風に見えなくもない。でもやっぱり丸いお鼻とお耳が可愛いです♡