一番お気に入りの映画かもしれません。
2001年日本公開のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』。ハリウッドがニューヨークを舞台にリメイクしていますが、私は俄然オリジナル派。オリジナルのほうが主人公の複雑な感情が描かれています。私が出会ったドイツ映画はこちらが2作目。ちなみに1作目は『クリスチーネ・F』でした。
簡単にこの映画の内容を説明すると、
ドイツのハンブルクを舞台にした心温まるヒューマンドラマ。腕は一流だけれど、人付き合いは苦手、仕事一筋に生きている女シェフ、マーサが、さまざまな人と交流していくなかで本当に大切なものは何かに気がついていく姿を描いています。
突然の事故で姉を失い、遺された姉の娘リナを預かることになったマーサ。
突然の母親の死を受け入れられない姪っ子。その子の叔母にあたるマーサの戸惑い、姪っ子に対する不器用な愛情…
そこへ登場するイタリア人のシェフ、マリオ。生真面目なマーサは、陽気なマリオを毛嫌いします。
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私は10代の頃から「40歳になったら調理の資格をとってレストランを開こう」という漠然とした夢を思い描いていました。私が初めてこの映画を観たのは30代の時、仕事で忙しい毎日を送り、そんな夢は忘れていたときのことでした。
職種は違えど、”私が今もし姪っ子を預かることになったら"という目線でこの映画を観ていました。仕事をしながら姪っ子の世話は大変だけど、でも可愛いかもしれない…。そんな風に思ったものです。
映画の中には、レストランの厨房のシーンやマーサ宅のキッチンで作った料理などが出てきます。
寒さが映像越しに伝わってくるドイツの街の中で、温かさが伝わる料理の数々。上の画像はマリオとリナが作ったイタリア料理。美味しそうです。
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私は40歳のときに10年以上勤務していた会社を辞めました。
そして飲食業界に2年勤務して、念願の調理師免許を取得。しかし、免許を取得したところで料理の腕が上がるはずもなく…。(笑)
それでも自分の店を開くつもりで、ワインの知識を得るためにワイン関係の仕事(フランス料理店)に就きました。そうこうしているうちにコロナ禍に突入。自分の店を開く前で良かったと心の底から思ったものです。
ワイン関係の仕事は多岐に渡り、様々な人と出会うことができました。日本の情勢に影響を及ぼす人々に会うことなどきっとこの先ないでしょう。
こちらの画像は、マーサとマリオが部屋でワインを飲む場面。
ドイツワインを飲んでいるのか、イタリアワインを飲んでいるのか、ちょっと気になります。イタリアンを食べていたからイタリアワインでしょうか。
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現在、私は縁あってホテルの調理場に勤務しています。
調理師としてずいぶんと遅いスタートになりました。しかし、学びに遅いということはなく、そして学びに終わりはないはずです。ワイン関係の仕事をしていたときはフレンチがメインでしたが、今後は会席料理を中心に和食を学んでいくつもりです。
ちなみにこの映画のDVDを入れた荷物を船便でアメリカに送ったら、ものの見事に途中で紛失されました。そういえばそうだったと思い出し、先日あらためてDVDを購入しました。