

映画【劇場版アクエリオン】07日 監督 河森正治 声の出演 寺島拓篤/かかずゆみ ほか (2本で)約120min (@シネ・アミューズ イースト)
[物語] 『壱発逆転篇』(短編)と『創星神話篇』(OVAの総集編)の2本立て。
『壱発逆転篇』は、「つぼみを咲かせる」という特訓を命じた不動司令。エレメントたちはそれぞれに試みるがなかなか上手くいかない。そんななか、堕天翅が襲撃をかけてきた。
『創星神話篇』はTVシリーズの世界のパラレルワールドを描く。堕天翅たちの襲撃により、最愛の兄を失ったシルヴィア(声:かかずゆみ)は森を守る少年アポロ(声:寺島拓篤)と出会う。アポロに触れるとヴィジョンがよみがえり、シルヴィアはかつて伝説の英雄アポロニアスを裏切ったスコルピオスの転生者ではないかと疑われるが…。一方、アポロニアスの転生者を見つけた頭翅(トーマ)は、自ら地球に降り立つ。
[感想(※本編を見るまで謎を楽しみたい方は読まないこと!) ]水曜日のサービスデーで千円だったこの日。観客は132席中、30~40人程度。年齢層は20~30代で男女比はやや女性が多めでした。
『壱発逆転篇』はTVシリーズに近いノリ。ノッケから露天風呂の入浴シーンでグッと鷲摑みされかかりましたが、女性キャラの胸の先はつるつるでショボーン。せっかく劇場版、しかもレイトショー上映なのに…。その後の展開はお約束通りで安心して?楽しめます。
『創星神話篇』はいきなりシリウスが死にます。TVシリーズでは男?3人の肉弾戦で最後まで主導権を争ったというのに、この世界では…儚いものです。争った3人の一人、頭翅(トーマ)こそ実はこの話の主役だったのではと思います。アポロニアスの転生者の前で、般若のように顔を歪ませたかと思うと子犬のように切ない顔で斜め45度から見上げたりします。そして飛び回りながらふりまく至福の表情は見る者をあきれさせること必至です。
こんな頭翅様の前ではTVCMであおりたてる謎やら、その謎に翻弄されるエレメントたちやディーバの面々はとるに足らない存在に見えます。でもさすがに不動司令は「人間とは人と人の間と書く。では人と人の間には何がある」という問いかけで存在感を示します。とはいえ、もう一つの別の問いの答えは「三角関係?」と思ってしまったのですが…。
結局2本ともTVシリーズとはほとんど何の関係もない、オリジナルストーリー。そういう意味では正しいTVアニメの劇場版といえるでしょうが、「鋼の錬金術師」や「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版を見てしまったあとでは物足りない気分になります。わざわざ劇場版にしなくても、TV特番くらいの扱いで流してくれればよいのにと思いました。
