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面白そうだから…(仮)

行ったり見たり読んだりした趣味の不定期日記

07/10/10の映画「劇場版アクエリオン」

2007-10-11 02:27:13 | Movie-p
のち

映画【劇場版アクエリオン】07日 監督 河森正治 声の出演 寺島拓篤/かかずゆみ ほか (2本で)約120min (@シネ・アミューズ イースト)

 [物語] 『壱発逆転篇』(短編)と『創星神話篇』(OVAの総集編)の2本立て。
 『壱発逆転篇』は、「つぼみを咲かせる」という特訓を命じた不動司令。エレメントたちはそれぞれに試みるがなかなか上手くいかない。そんななか、堕天翅が襲撃をかけてきた。
 『創星神話篇』はTVシリーズの世界のパラレルワールドを描く。堕天翅たちの襲撃により、最愛の兄を失ったシルヴィア(声:かかずゆみ)は森を守る少年アポロ(声:寺島拓篤)と出会う。アポロに触れるとヴィジョンがよみがえり、シルヴィアはかつて伝説の英雄アポロニアスを裏切ったスコルピオスの転生者ではないかと疑われるが…。一方、アポロニアスの転生者を見つけた頭翅(トーマ)は、自ら地球に降り立つ。

 [感想(※本編を見るまで謎を楽しみたい方は読まないこと!) ]水曜日のサービスデーで千円だったこの日。観客は132席中、30~40人程度。年齢層は20~30代で男女比はやや女性が多めでした。
 『壱発逆転篇』はTVシリーズに近いノリ。ノッケから露天風呂の入浴シーンでグッと鷲摑みされかかりましたが、女性キャラの胸の先はつるつるでショボーン。せっかく劇場版、しかもレイトショー上映なのに…。その後の展開はお約束通りで安心して?楽しめます。
 『創星神話篇』はいきなりシリウスが死にます。TVシリーズでは男?3人の肉弾戦で最後まで主導権を争ったというのに、この世界では…儚いものです。争った3人の一人、頭翅(トーマ)こそ実はこの話の主役だったのではと思います。アポロニアスの転生者の前で、般若のように顔を歪ませたかと思うと子犬のように切ない顔で斜め45度から見上げたりします。そして飛び回りながらふりまく至福の表情は見る者をあきれさせること必至です。
 こんな頭翅様の前ではTVCMであおりたてる謎やら、その謎に翻弄されるエレメントたちやディーバの面々はとるに足らない存在に見えます。でもさすがに不動司令は「人間とは人と人の間と書く。では人と人の間には何がある」という問いかけで存在感を示します。とはいえ、もう一つの別の問いの答えは「三角関係?」と思ってしまったのですが…。
 結局2本ともTVシリーズとはほとんど何の関係もない、オリジナルストーリー。そういう意味では正しいTVアニメの劇場版といえるでしょうが、「鋼の錬金術師」や「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版を見てしまったあとでは物足りない気分になります。わざわざ劇場版にしなくても、TV特番くらいの扱いで流してくれればよいのにと思いました。

07/09/02の映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

2007-09-03 02:24:45 | Movie-p


映画【ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序】07日 原作・脚本・総監督 庵野秀明 総作画監督 鈴木俊二 声の出演 緒方恵美/林原めぐみ/三石琴乃 ほか 98min (@109シネマズMM横浜)*写真は109シネマズ限定カップカバーフィギュアとカップ

 [物語] セカンド・インパクトにより被った大災害から全世界が立ち直りつつある。日本の第3新東京市にある特務機関ネルフの司令を務める父・碇ゲンドウから呼び寄せられたシンジは、汎用人型兵器エヴァンゲリオンに乗り正体不明の使徒と戦うことになるが…。95年に放映されたTVアニメシリーズ26話(+2話?)を4部構成で再構築し劇場版化した第一作。

 [感想] この日の午後の回でしたが、席は全て埋まっていました。関係ありませんが、隣の横浜BLITSではメロン記念日のコンサートがあり道端で香ばしいお兄さん方がTシャツに着替えてました。
 新劇場版はテレビ版に比べて絵がきれいで、メカの描きこみも緻密。エヴァの大きさも視覚的に伝わって来ました。ただ、ストーリー的に結構端折っている気がします。セカンド・インパクトの説明や学校の日常風景が簡素化されているので、初見の人にはシンジがどんな世界に生きていて、どんなポジションにいるのかがわかりにくいのではと思いました。その一方で、最大公約数の男女が見たいシーンはしっかり押さえているあたりは製作者の強かさがうかがえる気が…。また、タイアップの露骨さも目に付きました。
 とはいえ、目的のために手段を選ばない大人のいやらしさやテレビ版では制約のあった体の線などがあらわされていたこと、単にテレビ版をなぞっただけではないストーリー構成は新しさが感じられて良かったです。
 次作は2008年公開。アスカ・加持さんがどう登場してくるのか、ストーリーの展開はどうなるのか、楽しみにしてます。
 蛇足ですが、第一作はエンドロールの間に席を立つと損します。
次作も期待

07/01/03の映画「あるいは裏切りという名の犬」

2007-01-06 23:38:50 | Movie-p

映画【あるいは裏切りという名の犬】04仏 脚本・監督 オリヴィエ・マルシャル 出演 ダニエル・オートゥイユ/ジェラール・ドパルデュー ほか 110min (@銀座テアトルシネマ)

 [物語] 世間を騒がす武装ギャング団を追うパリ警察の二人の警視レオとドニ。レオは部下からの信望も厚く出世には興味のないたたきあげの警察官。ドニは権力を追い求める野心家。だが二人のキャリアを比べると互角で、武装ギャング団の逮捕は時期長官の座を確かなものにするという側面もあった。そんな中、レオがギャング団に関する有力な情報を入手しアジトを突き止める。一方、ドニはレオの情報入手にまつわる秘密を知って…。

 [感想] タイトル長っ、しかも原題は「36 QUAL DES ORFEVRES」というパリ警察を指し示す隠語。日本でいう「桜田門(=警視庁)」と同じらしいです。仏製ノワール物という前知識と香港や韓国のノワール映画に慣れていたので、冒頭のパリ警察の看板を引き剥がしている時点で「こいつらギャング」と思っていたのですが、全然違いました。フランス語に堪能だったら、警察の話だと見当がついたのですが。でも、ギャングでなくてもやっていることはエゲツないっ! 逆に警察官としての矜持があるともっと酷いことになったりして…。そういった意味ではラストには疑問を持ちました。あのあたりがフランス映画ってこと? この映画はハリウッドでデ・ニーロ、ジョージ・クルーニーでリメイクされるそうですが、ラストに関しては手直しするか、もっとわかりやすくするのか。あるいはそのままか見てみたい気がします。
 この日は3が日の上に千円サービスの日だったためか、2時ごろに着いて次回の4時過ぎの回の一番最後の整理番号152番でした(152で満席、受付終了)。なので席は一番前の左端。でも座席前には余裕があったので、右上を見上げる形で見ていても足を投げ出して腰をずらしたりできて、それほど負担にはなりませんでした。

06/09/27の映画「ゲド戦記」

2006-09-27 23:59:59 | Movie-p
のち
映画【ゲド戦記】06日 監督 宮崎吾朗 原作 アーシュラ・K・ル=グウィン 声の出演 岡田准一/手嶌葵 ほか 115min (@日劇3)

 [物語] エンラッドの王子アレン(声:岡田准一)は父王を刺し魔法の宝剣を盗んで出奔した。世界の異変を見て回っているアシタカ〔ゲド〕は、狼の群れに襲われたアレンを救い一緒に旅をするようになる。ホート・タウンのはずれで人々に薬を売りながら自給自足の生活をしている、魔力の薄れた魔女テナーのもとを訪ねたアシタカはそこにアレンと留まる。しかし、テナーの家には顔に大きな火傷のあとがある少女テルー(声:手嶌葵)もいた。テルーは以前にホート・タウンでの人狩りで攫われそうになっていたところをアレンに救われたことがあったが、アレンには心を開かず衝突してばかりいた。
 アシタカは世界の異変の一因がホート・タウンの魔法使いクモにあることに気づくのだが…。

 [感想] 雑誌やネットやテレビでの酷評を聞いて見てきたのですが、アニメ初挑戦の初監督という立場から見れば健闘していると思いました。特に建物内の空間の描き方が奥行きがあってよかったです。誰がどこにいるという位置関係もわかりやすかったですし。またアニメを作られるのでしたら、入り組んだ建物の中でサスペンスやミステリーやアドベンチャーが繰り広げられる迷宮物を見てみたいと思いました。ただ、キャラの表情や画面の構図(たとえば竜が飛んでいるシーン)などはジブリブランドとして見るには物足りなかったです。宣伝でメインに押し出されていた人と竜との関わりも、クモとの対決の陰に隠れて描き方が薄かったのも残念でした。絵のことで言うと背景の雲もいつもの迫力がなくてかすれて貧弱な印象でした。
 でも2作目・3作目にどんなものを出してくるか期待できる監督さんだと思います。話のまとめ方も最近の若手監督の中でもさほど見劣りするとも思えませんし、初監督作ですでに完成されていたお父さんに比べて伸びしろはたくさんあるのではないでしょうか。ぜひ、やる気と根性で頑張って欲しいです。

06/09/20の映画「パビリオン山椒魚」

2006-09-20 23:59:59 | Movie-p

映画【パビリオン山椒魚】06日 監督・脚本 冨永昌敬 出演 オダギリジョー/香椎由宇/高田純次 ほか 98min (@シネセゾン渋谷)

 [物語] 自称21世紀の天才レントゲン技師・飛島芳一(オダギリジョー)は第二農響の会長から前金百万円で依頼を受ける。その内容とは、動物国宝でパリ万博にも出展されたオオサンショウウオのキンジローが本物かどうかレントゲン撮影で確かめること。齢150歳になるキンジローの背骨にはパリ万博のときに負傷した骨折あとがあるはずなのだ。芳一はキンジローのいる「サラマンドル・キンジロー財団」に忍び込むが、財団を守る二宮家の四姉妹の末妹あづき(香椎由宇)と出会い成り行きでキンジローを連れた逃避行となってしまう。第二農響と財団の関係、あづきの出生の秘密、そしてあづきにホレた芳一の暴走が重なって事態は思わぬ方向へ展開していく…。

 [感想] まさに(花やしきの?)ジェットコースター的な映画でした。テコテコと登場人物や設定を積み上げていき、頂上から一気にめまぐるしい展開をくりひろげます。ただジェットコースターはどんなに暴れまわっても最後にはレールに導かれて元の場所、あるべき結末にたどりつくのですがこの作品は途中のレールがはずされていて…。ラストには驚きましたが、オダジョーの魅力は存分に出ていたと思います。四姉妹の父親役の高田純二さんもキャストにぴったりでいい味出してました。話がきっちりしていなくても、勢いのある変な映画が好きな人にはオススメです。劇場はほぼ満員の盛況ぶりでした。

06/09/01の映画「46億年の恋」

2006-09-01 23:59:59 | Movie-p

映画【46億年の恋】05日 監督 三池 崇 原作 正木亜都(梶原一騎/真樹日佐夫) 出演 松田龍平/安藤政信 ほか 84min (@シネマート六本木)

 [物語] 刑務所で受刑者の有吉淳(松田龍平)が同房の受刑者・香月史郎(安藤政信)を絞殺しているところを刑務官が発見する。優男風な有吉はゲイバーで働いていたが常連客からホテルに連れ込まれたが逆に殺害し服役、ケンカっ早く何度も暴力事件を起こしている香月は街角でからまれたチンピラを殴り殺して服役した。しかし、香月と刑務所長との関係や受刑者間の人間関係、そして香月と有吉とのかかわりから意外な事実が浮かんでくる。

 [感想] よくわからなかったけど、糸を張り詰めたような緊張感と静寂さ、そしてなんともいえない迫力がありました。同じ時期にリバイバル上映していた「ピンクナルシス」に近い映画かと思ってましたが全然違います。場内には40~50人くらいの観客(9割が女性)がいましたが、皆静まり返ってスクリーンを見つめていました。わずかに二人の主人公が罪を犯す場面はぐちょぐちょとしてリアルな迫力が三池監督らしかったですが、それ以外のほぼ全てが三池作品のイメージとは違っていました。良い意味でかなりカルトな作品でした。

06/08/24の試写会「グエムル~漢江の怪物」

2006-08-31 23:22:07 | Movie-p

試写会【グエムル~漢江の怪物】韓06 監督 ポン・ジュノ 出演 ソン・ガンホ/コ・アソン/ぺ・ドゥナ ほか 120min (@サイエンスホール)

 [物語] 世紀末、漢江沿いの研究室。米国人教授の指示で大量のホルマリンが漢江につながる下水に廃棄される。その後釣り人に異様な生物が発見されたりするがたいした話題にもならず現在、休日を漢江で楽しむ人々の前に突如あらわれた怪物が父と娘の3人で売店を営む男パク・カンドゥ(ソン・ガンホ)の娘ヒョンソ(コ・アソン)を襲った。ぐうたらでウスノロなカンドゥだったが、娘を守るために奮闘するも怪物にさらわれてしまう。怪物に殺された人々の合同葬儀でカンドゥの父ヒボン(ピョン・ヒボン)、妹ナムジュ(ぺ・ドゥナ)、弟ナミル(パク・ヘイル)が顔をあわせる。その夜、死んだものと諦めていたヒョンソからの電話にこの4人は怪物からの救出を決意する。

 [感想] B級映画としては楽しめました。なんだか久しぶりに文字通りのマッド・サイエンティストを見ることができたし、学生運動家くずれの弟の戦闘もカッコ良く撮られてて見所でした。でも、シリアスドラマの箸休めのようなギャグシーンってどうなんでしょう? あまり本数を見ていないので断定はできませんが、今まで見た作品に必ずはさみこまれていたしょうもなく、涙や怒りの伏線にもならないギャグは韓国映画の特徴なのでしょうか。あと、ラストもどうしてああなるのか、監督の意図がよくわかりませんでした。

06/08/03の試写会「ユナイテッド93」

2006-08-04 01:58:00 | Movie-p

試写会【ユナイテッド93】米06 監督・脚本 ポール・グリーングラス 出演 ベン・スライニー ほか 111min (@朝日ホール)

 [物語] 2001年9月11日早朝、アメリカでハイジャックされた4機の航空機のうち2機はワールドトレードセンタービルへ、1機は国防総省の一画へ落とされ残る1機「ユナイテッド93便」はペンシルバニア州シャンクスヴィルに墜落した。最後の1機はなぜ米国を代表する重要施設への激突をまぬがれたのか。当時の資料から推測したユナイテッド93便の機内の様子、テロに直面したアメリカ航空管制と米軍の指令系統の混乱を描く。

 [感想] いわゆる「9.11」以後、同事件を題材とした初(?)のハリウッド映画として注目していた映画でしたが、この作品には事件への批判や教訓などは声高に叫ばれずかといって被害者への悲しみを煽ったお涙ちょうだいものにもならず、淡々とユナイテッド93便が墜落するまでを描いてました。ハリウッド映画といっても、強いアメリカを示威するわけでもテロ組織なり米当局なりを批判するわけでもなく、あえて結論を示さないこういう描き方をするんだなと思いました。作品自体が純粋なドキュメンタリーではなくあくまで資料を基にした推測の域を出ないストーリーなので、映画としての良し悪しはよくわからなかったのですがとても印象が強かったです。

06/07/26の映画「時をかける少女」

2006-07-31 01:43:25 | Movie-p

映画【時をかける少女】06日 監督 細田 守 原作 筒井康隆 声の出演 仲 里依紗/石田卓也/板倉光隆 ほか 98min(@テアトル新宿)

 [物語] 17歳の女子高生、紺野真琴(仲 里依紗)は、性格はいいかげんだが数学だけは妙に成績のいい間宮千昭(石田卓也)と文武両道で医学部志望の津田攻介(板倉光隆)という同級生の男の子2人と親友のように仲が良い。ある日の放課後、理科準備室で不審な人影を見た帰りに踏切事故にあいタイムリープ能力が目覚める。混乱した真琴は国立博物館に勤める叔母の芳山和子に相談してみるが、いまいち要領を得ない。しかし、もともとお調子者で元気でちょっとおバカな真琴はすぐに立ち直り、タイムリープに味をしめるようになる。
 他人の恋を応援したり、テストで良い点をとったり、食べ損なったおやつを食べたりと時間の王様になったようにタイムリープ生活を満喫する真琴だったが、あることをきっかけにタイムリープの意味、そして本当の自分の気持ちに気づいてゆく。

 [感想] 面白かったです。さわやかで現代っぽくて青春で。繰り返されて笑いを誘う小ネタのようなタイムリープシーンや、じんわりと学生時代を思い起こさせる情景と音。そして、主人公・紺野真琴の明るく裏表のない性格や行動がこの映画の魅力の中心です。基本的に真琴の視点で話が進むのですが、見てて気分が悪くなったり嫌な気持ちになったりすることがありませんでした。真琴とともにあるいは真琴を見て、喜び・笑い・焦りなどいろいろな感情が自然にわいてきました。
 ただ、純粋に原作を出発点とする「時をかける少女」ものとしてはどうかというのはありました。大林版映画(主演・原田知世)と原作を最近見たのですが、相似性は主人公が使ってる目覚まし時計が四角形のデジタル式で大林版で原田知世が使ってたのと似てるなあというのがあったくらいでした。細かい設定も違ってたりするので、前の2つの「時かけ」とはまっすぐな延長線上にある作品ではないと思っといた方がいいようです。そういう意味では無理して芳山和子を出さなくても良かったのではとも思いました(30代後半で未婚という設定には涙しましたが…ケン・ソゴルの罪に…)。
 でも、原作つきとはいえほぼオリジナルのアニメ映画としてはかなり良い出来です。オススメです。東京では上映館が一つだけだったり、この日が千円サービスデー(男女とも)だったりしたこともあって最終回でも立ち見が出る盛況振りでした。これから見に行かれる方はそのあたりも頭に入れて予定時間より早めに足を運んだ方がよいですよ。

06/07/05の映画「ダメジン」

2006-07-06 01:27:19 | Movie-p
のち
映画【ダメジン】06日 脚本・監督 三木 聡 出演 佐藤隆太/緋田康人/温水洋一/市川実日子 ほか 98min (@テアトル新宿)

 [物語] 日本の片隅で仕事もせずに飄々と生きているカホル(温水洋一)・ヒラジ(緋田康人)・リョウスケ(佐藤隆太)の3人。社会人の友人から働くように言われても、毎日何かしら食えてるからいいとにべもない。そんな3人のまわりにも、川に半身つかったままのインバさんや押しが強く自分勝手なゲシル先輩、トルエン中毒でサンダル屋の娘チエミ(市川実日子)など変な人たちが集まっている。しかし、ある夜3人はインドへ行って人々を救うようにお告げを受けてインド行きに前向きになる。まずはインドで一生暮らせるお金百万円を稼ごうとするが…。
 確か、4年くらいオクラになっていた三木聡の初監督作。

 [感想] とりとめなく小ネタでくすぐるほのぼの癒し系映画(注・ネタはブラック系多数あり)。一応話の筋らしきものはありますが、それにとらわれてはこの作品は楽しめません。頭を空っぽにしてアルコールでも飲みながら、登場人物に負けないくらいダラダラ見るのがオススメです。トルエンを吸うよりもいい塩梅になりますよ(トルエン吸ったことないけど)。

すきずきで

06/06/27の試写会「ブレイブ・ストーリー」

2006-06-29 02:33:36 | Movie-p

試写会【ブレイブ・ストーリー】06日 監督 千秋孝一 原作 宮部みゆき 声の出演 松たか子/大泉洋 ほか (@イイノホール)

 [物語] 活発で子供っぽい11歳の小学生ワタル(松たか子)は友達と二人で幽霊が出るという廃ビルへ肝試しに行く。廃ビルの中をさ迷ううち、うっかり友達とはぐれたワタルは見知らぬ少年と出会い、その少年が屋上の大きな扉の中に消えていくのを目にする。翌日ワタルは学校で廃ビルの少年ミツル(ウエンツ瑛士)を見つける。転校生のミツルは物静かで大人っぽいが、身にかかる火の粉には容赦しない性格のようだ。ふたたび廃ビルでミツルと会ったとき、ミツルは難癖をつけてきた不良を不思議な力でコテンパンにのしワタルに運命を変えられる扉の話をしたが現状に不満のないワタルには今ひとつピンとこなかった。
 ワタルが家に帰ると、父さんが家の前に立っていた。これから母さんと別れほかの女の人と暮らすという。驚いたワタルが家に入るとダイニングテーブルに座った母さんがうなだれて目の前の離婚届を見つめていた。母さんと二人で暮らすようになったワタルがある日家に帰ると、夕飯の支度途中の母さんがキッチンに倒れていた。救急車で病院へ運ばれた母さんはそのまま手術となった。手術室の前で愕然となるワタルだったが、ふいにミツルの言葉を思い出し廃ビルの扉へ向かう。この間違った運命を変えるため、そして家族を取り戻すために!

 [感想] 面白かった…でも、ダイジェスト版のように話が詰めこまれすぎてひとつひとつのエピソードにひたれず登場人物の誰にも感情移入できませんでした。原作は読んでないのですが、映画を見る限りとても骨太な設定があってこの物語を描くのに欠かせないエピソードばかりなのでしょうけど、劇場用作品という時間制約のあるなかでは思い切って登場人物を減らすなり本当に監督が伝えたいテーマにのみ絞るなどの措置が必要だったのではないでしょうか。原作者の意図を尊重するということがあるのでしょうが、製作者が原作を理解し映画の間尺にあうように再構成して映画作品としての「ブレイブ・ストーリー」を作ることはそのことに反するとは思えないのですが。無難にほとんど無味乾燥なまでに削られたエピソードを羅列するだけでは映画として楽しむこともできないし、それこそ原作者の意図が活かされているかどうかも疑問です。
 とはいえ、映像的なクオリティや物語の面白さは抜群です。本当に難なのは時間だけなのでいっそのこと26話完結くらいのTVシリーズにならないでしょうか。そうすれば上映終了後に「ストーリーや展開はあの通りなんだけど、エピソードをはしょりすぎッ!! ミーナならではのエピソードとかもっと好きなのがあったのに~」と悔しそうに友達と話していた原作ファンの女の子の鬱憤も晴れるのではと思うのですが。

06/05/29の映画「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」

2006-06-03 05:35:40 | Movie-p

映画【インプリント ぼっけえ、きょうてえ】05米 [映倫不通過] 監督 三池崇史 原作 岩井志摩子 出演 工藤夕貴/ビリー・ドラゴ ほか 63min (@シアターイメージフォーラム)

 [物語] 明治頃、初老でよれよれのシルクハットにタキシードを身につけたライター(記者?)のクリス(ビリー・ドラゴ)は、小桃という娼婦を捜して様々な色街をめぐっていた。わずかな手がかりから訪れた川の中の小島にある場末の廓だったが、ここでも小桃は見つからなかった。話を聞いてすぐに帰ろうとしたクリスだったが島全体が廓のため、一夜をどこかの娼家で過ごさねばならぬといわれてしまう。格子から離れ客引きをしない女郎(工藤夕貴)を選び部屋に上がったクリスは、死んだ者の声が聞こえ姿が見えるというこの女郎の話から小桃の行方、女郎の素性そして自分自身を知ることになるのだが…。
 アメリカでテレビシリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」のために製作されたが全13話のうち唯一放映中止となった。また日本でも映倫で審査保留となったため自主上映を迫られたいわくつきの作品。

 [感想] 外国人記者が聞き役になったり、地方色を薄めたりと設定が少し変更されていましたが原作の精神は脈々と息づいていました。怖いのは幽霊やゾンビではなく人。そして、極彩色でつづられる拷問・暴力・××を見ていると怖いというより気持ち悪かったです。でも、怖い物好きな方は見ておいて損はないと思います。岩井志摩子の嬉しそうな拷問シーンもハマッていて良いですし。ただ、洋画の「イレイザー・ヘッド」や「カルネ」など血と肉(フレッシュ)が苦手な方にはオススメしません。途中でトイレ直行になる危険があります。
自己責任で

06/05/17の試写会「嫌われ松子の一生」

2006-05-18 04:21:58 | Movie-p
のち
試写会【嫌われ松子の一生】06日 [PG-12] 監督・脚本 中島哲也 原作 山田宗樹 出演 中谷美紀/瑛太/柄本明 ほか 130min (@イイノホール)

 [物語] 平成13年の東京。福岡から歌手を夢見て上京し挫折した川尻笙(瑛太)は毎日をふらふら生きている。そんなある日、突然上京してきた父親(香川照之)から笙にとって伯母にあたる女性の遺品整理を頼まれる。亡くなった伯母の名は松子(中谷美紀)、荒川の河川敷で全身に打撲を負った他殺体で発見されたのだ。そして享年53歳だったこの伯母は30年前に実家から蒸発し、家族の縁を切られたと父親から聞かされた。
 ゴミ溜めのような松子の部屋を片付けるうちに明らかになってゆく波乱に満ちた松子の転落人生、そして松子を殺した犯人は誰なのか。

 [感想] 期待以上に面白くて当たりでした。まずは中谷美紀と少女時代の松子役の女の子のダブル松子の熱演、そして豪華な出演陣が求められる演技をきっちりこなしてるところがすごく良かったです。映像的には「アメリ」のようにカラーフィルターを多用していたり主観的なシーンで効果的にアニメを合成していたり、ショー仕立てのエピソードを挟んだりして本来的には悲惨でじっとり湿っぽくなってしまう松子の転落人生を甘くポップにキャンディコートしていました。話の展開は怒涛のごとく進むのですが、原作は未見でも筋をおってゆくのに混乱はなく、2時間オーバーの作品も長く感じませんでした。でも、細部にわたって濃密に描かれているのでもう1度見るとまた新たな発見があるかもしれません。
 PG-12指定ではありますが内容的・年代的にはR-30のような気がするこの作品。公開は今月27日からなので、来月の映画の日の1本にいかがでしょう。

06/05/07の映画「ブロークン・フラワーズ」

2006-05-16 02:19:23 | Movie-p
ときどき
映画【ブロークン・フラワーズ】05米 [PG-12] 監督・脚本 ジム・ジャームッシュ 出演 ビル・マーレイ/ジェフリー・ライト/シャロン・ストーン ほか 106min (@シネマライズ)

 [物語] コンピューター関係でひとやま当てて悠々自適な生活をおくる中年男ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)は、同居する彼女から結婚を迫られたが今度もはぐらかした。すると彼女は家を出るといい、去り際に玄関に届いていた郵便物をドンに渡した。とくに彼女を引き止めるでもないドンが郵便物をながめると、赤い文字で宛名が書かれたピンク色の封筒に目を留めた。中には「20年前にあなたに黙って生んだ息子がこれからあなたを訪ねていく」という手紙が入っていた。
 ドンはあまり気が進まなかったが隣に夫婦で住む親友の後押しもあって、20年前に付き合っていて可能性のありそうな女性4人を訪ねていくのだが…。
 05年カンヌ映画祭グランプリ受賞作品。

 [感想] ほのぼのしてちょっとクスリとする映画でした。ドンが訪ねてゆく四人の女性もそれぞれの人生があってすごく味わい深かったです。個人的にはレーサーと結婚した女性がさっぱりしていて地に足がついていて、良い人生を送っていると思いました。ある理由がなければドンとの仲が復活しそうな気もしました。
 この日は連休最後の日とあってまわりはカップルだらけでした。でもこの映画、今の彼女とケンカした男が元彼女を訪ねていくという話。映画のあとではカップル同士どんな会話が交わされたんでしょうか。もちろん私は一人で見ましたけどね。

06/05/01の映画「かもめ食堂」

2006-05-16 00:45:14 | Movie-p

映画【かもめ食堂】05日 監督 荻上直子 原作 群ようこ 出演 小林聡美/片桐はいり/もたいまさこ ほか 102min (@新宿スカラ座2)

 [物語] フィンランドにおにぎりメインの定食屋を開いたサチエ(小林聡美)だが、通りすがりに眺める人はいてもお客はさっぱり。でもサチエは淡々とお客を待っている。やっと日本オタクファンの青年がお客第一号となると、日本人旅行者のミドリ(片桐はいり)や飛行機に積んだ荷物がどこかへ行ってしまって途方にくれているマサコ(もたいまさこ)が手伝うようになるなど人が集まりはじめ、お客もだんだんふえていく。

 [感想] ほのぼの脱力系でよかったです。知りたいところをやんわりとはぐらかされたり、展開がかなり都合よすぎたりと健全な少女マンガっぽいところもありましたがそういうものだと納得すれば気になりませんでした。舞台は別にフィンランドでなくても良かったなとか、小林聡美・もたいまさことくると三人目はバランス的に(?)デカくて変な人になるのかなと思ったりもしました。
 波乱万丈のストーリーや味わい深い人間関係を探るのではなくて、雰囲気を味わう映画なのだと思いました。