映画【ペルセポリス】07仏 原作・監督・脚本 マルジャン・サトラビ/ヴァンサン・パロノー 声の出演 キアラ・マストロヤンニ/カトリーヌ・ドヌーヴ ほか 95min (@シネマライズ)
<物語> テヘランに生まれたマルジャンはブルース・リーが好きで最後の預言者になるのが夢の女の子。元王子でコミュニストだった祖父や、やはりコミュニストの叔父を持ち開放的な家庭に育つが、70年代以降のイラン国内の相次ぐ政変とマルジャンの自由な考え方に危機感を持った両親はマルジャンをウィーンへ留学させるが…。70年代にイランで生まれ育った少女の半生をつづる白黒を基調としたアニメ。
<感想> 素朴な絵と可愛らしい動きで見やすかったです。シャー(国王)追放による民主革命からホメイニの革命、イランイラク戦争へと連なるイランの社会情勢が市民の視点から描かれているのもわかりやすくて良かったです。マルジャンも、勝気でおかしいことには黙ってられない性格なのも見ていて心地よかったです。
ただ、マルジャンの生まれ育った環境が、時局が厳しい時期にあっさり留学できたりとか一般市民とかけ離れて裕福だったり、一族としての思想をもっていたりする印象もあるので本当に普通の市民からの視点かなというところで違和感がありました。
それとは別に一番びっくりしたのは、イスラム原理主義の革命後、女の子を処刑する場合に一度結婚させて処女でなくしてから処刑するというのでした。これは宗教的に処女は殺せないかららしいです。もちろん、結婚相手は心に決めた人ではなく兵士?の中からあてがわれるそうです。