映画祭【東京国際映画祭:コンペティション「恋愛の目的」】05韓 監督・脚本 ハン・ジェリム 出演 パク・ヘイル/カン・へジョンほか 118min(@VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズ)
[物語] 6年越しの恋人のいる26歳の高校教師イ・ユリム(パク・へイル)は27歳の教育実習生チョイ・ホン(カン・へジョン)の指導教官になった。イの恋人との関係は周囲も本人同士も結婚を意識するようになっているが、イ自身は家族も同様となってしまっている関係に以前のようには熱くなれずにいる。その美貌とどことなくミステリアスでエキセントリックなチョイにひきつけられたイは、立場を利用した脅し、甘え、ウソなどで何とか関心をひこうとする。初めのうちは積極的なイの態度に戸惑い、怒りさえ覚えたチョイだったが引率した修学旅行での強引なキスや飲みに行って酔いつぶれた時にレイプ同然に一夜をともにさせられてから、次第に心を開いてゆくようになる。
チョイには外科医の婚約者がいるが、仕事が忙しくチョイのことを真剣に考えているようには見えない。両親も賛成するし結婚すれば将来が安定すると自分に言い聞かせて、心を閉ざしたまま嫁ぐつもりでいる。またチョイが恋愛に対して心を閉ざすにはもう一つ理由があった。チョイの学生時代の親友が同じ学部の助手と激しい恋に落ちたすえ、一方的に捨てられしかもスト-カーされたなどの誹謗中傷を浴びて自殺してしまったのだ。チョイが本人から聞いた話では言い寄ってきたのは助手で、しばらく連絡がないと思ったら学校中にそんな噂が振りまかれていて抗弁のしようがなくなっていたそうだ。イはその話を聞いて「バカだな、死ぬことはなかったのに」ともらした。一方チョイは二人でホテルで過ごした翌朝、自分の恋人はSEXがあまり好きではないがチョイと違って(性に開放的でない)そういう女性だから仕方ないというイの話を聞いて「カマトトぶってるのね、女の子はみんなSEXが好きなものなのよ」と言った。
チョイとイはどんどん惹かれあい、その関係は学生の学校内の秘密の溜まり場で逢引するなどさらに親密なものとなり、職場の同僚にも学校の生徒にもそしてイの恋人にも知られるようなっていく。ある朝イが登校すると何かと面倒見てくれる同僚の先輩が真っ青になって、ネット上の学校のHPを見ろという。そこにはチョイとイの密会写真と共に、チョイが前の学校でも男を寝取った悪女という中傷が書き込まれていた。怒り狂ったイはあやしい生徒に体罰を加えて犯人を割り出し、情報源を聞き出すとそれは自分の恋人とも親しい同僚の女教師だった。イはチョイとは何の関係もなく、妙な噂にならないようにこれから気をつけると告げた。
この騒動を察したチョイは部屋に引きこもり、イにもう関係をやめようというがイはストーカーまがいに部屋に押しかけ、チョイのことが本当に好きになってしまったのでチョイが困ることになったら身を引くからそれまで付き合いを続けようと懇願する。チョイは「私が困らせることになったらどうするの…」と言いながらも付き合いを続けることを承諾する。イはまた、以前にチョイが話した親友の話はチョイ自身の話だったことも部屋にあったテープレコーダーから知ることになり、チョイは「あのせいで私は全てを失いこの年で教育実習を受けることになり、男性不信にもなったのだ」と泣いた。イはチョイの肩を抱き自分が守るからと誓った。
学校ではイが生徒に体罰を加えたことが問題となり、イとチョイは校長室に呼び出され事情聴取を受けた。その過程で二人の関係のことも聞かれると、イは自分には結婚を考えている恋人がいるしチョイには婚約者がいるのでそういう関係は考えられないと答えた。校長たちはチョイの過去を知っているような風でイに同情し、話は終わったかに思われた。しかし、それまで沈黙を守っていたチョイは突然立ち上がると「イ先生に立場を利用したセクハラを受けました」と叫んだ。
それから時がたち、予備校勤めをするイが授業を終えて帰ろうとすると電話があると呼び止められた。電話に出ると何も言わずに切れてしまった。わけのわからないまま家路に着くと、髪形を変えたチョイがニコニコしながら立っていた。イは渋々ながらあの事件以来久々に会うチョイと飲みにいく。飲み屋で向かい合わせに座りニコニコしているチョイに、イはあの事件で全てを失い女性不信になってしまったとグチった。チョイは私が慰めてあげるからお付き合いしようと言って甘えた風な仕草も見せる。翌朝目が覚めるとイはホテルで裸で寝ていた。もちろん隣にはチョイ。パニクるイにチョイは「酔いつぶれたあと、ここまで運んでくるのは大変だったんだから」と微笑んだ。
[感想] 物語がほぼ全エピソードを書いたために長くなってしまったことをお詫びします。でも、日本での公開が決まっていないので何とかいろんな人に知ってもらって公開、あるいはビデオ化にならないかと思っているのですがどうでしょうか。
私的にはきちんと恋人もいる男がやりたい一心であの手この手でかなり強引にしかも立場的に弱い女の子をものにする過程がすごく嫌で「サイテー、サイテー」と思いながら見ていたのですが、二人が惹かれあうようになると「過去に男性不信になった女の子ならあのくらいやらないと心を開かないのかな?」とも思ってしまいましたが、これってかなり男目線の考えで女性にしたらこんな風な女の子はありえないのでしょうか。脚本は男性の監督と知り合いの女性との共同執筆ということなので、こういったやりとりも女性のチェックが入っているようなのですが。
最初の男のアプローチはともかくとして、その後の展開は結構ツボでした。しっかり因果応報もあるし。また実際、話的には目新しくなくよくあるものなのですが、女優がやたら可愛くてそれでもっている気もしました。この女優さんはカン・へジョ、カンヌ・グランプリの「オールド・ボーイ」(03)で監禁された男の恋人になる女の子です。今回も初めの方で男の上に馬乗りになるところがあり、ちょっとムラムラします。
とにかく、「今までの韓国映画のように男性が白馬の王子様ではないタイプの恋愛映画」(監督談)なのですが、ぜひ色んな人に見てもらいたい映画でした。

のち

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