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大善人へ身魂磨き

太陽神と月神様

創作童話です。お読みいただきありがとうございます😊

太陽の神様がロクロの前に座っています。あまりに自分のつくりかけの丸い星が燃え盛るので、壺をつくって、宇宙の冷気を溜めて冷やそうと思いました。


しかしなかなか壺作りはうまくできません。壺を一気につくるのをあきらめて、上下にわけて作ることにしました。





上の部分を始めは細長くしましたが、これだとなかなか冷気を集める事ができません。上部は三角形にしようと思いました。


三角錐を色々つくり冷気を通す穴もあけました。

次は、下の部分の丸い器です。大きいもの、小さいもの。いびつな形、何が良いかわからないので色々造りました。


そうして長い長い昼の殆どをロクロの前で過ごしました。しかし、上と下の部分を合わせて壺にまで完成することも出来ないまま、太陽の神様は疲れ果て、その場に眠りこんでしまいました。


それから長い長い夜に変わりました。月の神様は、太陽の神様が寝ているのを見ました。酷く疲れている様子がわかりましたので、何かこっそりと月の神様は手伝いたくなりました。

太陽の神様のそばにある三角と丸の形の土でできたものを月の神様は見つけました。そしてそこにフッと息をかけました。


すると、三角錐の筒は山々に、丸い器は水のない溜池に、姿を変えました。






月の神様は、次に自分の身体を少しずつ削り、その苦しみから涙をつくり、乾いた山々に注ぎました。

涙は染み渡り、太陽の神様が空けておいた空洞に水がながれ川になりました。


月の神様は、太陽の神様が作りかけた燃え盛る星の温度が下がるように、自分の身体を益々削り涙をうみ出しました。その涙の水はグイグイと山々に染み渡り、その水はやがて溜池を海にかえ、真っ青に光り輝きはじめました。


しかし、月の神様は、身体を削ぎ落としすぎて、細く消え入りそうになり、元気がなくなりました。

長い長い夜はそうして終わり、また太陽の神様が目を覚ましました。


太陽の神様は自分の寝ているうちに、造りかけの燃え盛る丸い星が煌めく青い星に変わっているのをみて驚きました。


沢山つくっていた未完成の三角の筒や丸い器が、山や海に変わっているのにも気付きました。


そして、細くなった月の神様が弓形になり休んでいるのを見つけました。🌙


自分が休んでいる間に、自分の仕事以上の仕事を月の神様が引き受けてしてくれた事を太陽の神様は感謝しました。そして、身体を削ぎ落とし細く消えてしまいそうな月の神様を助けたいと思いました。


太陽の神様は、もう一度三角の筒と丸い器を月の神様のために一生懸命作りました。

今まで作った中で一番美しい形の筒ができました。


そしてそれをくっつけて、鍵のような形のベッドを作りました。




そして、その中に月の神様を休ませました。月の神様を抱えてベッドに運んだ時、月の神様の身体が熱いことも気付きました。


太陽の神様はまたロクロの前に座りました。そして、精一杯美しい形の三角の形と丸い器を作りました。月の神様を助けたい気持ちで一生懸命作りました。


そうして2つをピタリとくっつけました。それに太陽の神様の息の炎を吹きかけ固めたあと、宇宙の冷気で十分冷まし美しい壺を完成させました。



そのあと、月の神様が造ってくれた海の水をその壺ですくいました。その水を、月の神様が横たわる鍵の形のベッドに注ぎこみ、横たわる月の神様の干上がった身体を冷やしました。

月の神様の身体は少しずつ膨らんできました。そして、太陽の神様と同じような形になっていきました。




太陽の神様はそうすると、ヘトヘトに疲れ休んでしまいました。


月の神様が目覚めると、太陽の神様が、自分のためにベッドと壺を作ってくれたことに気付きました。その壺には塩の味のする水滴がまだついていました。


その水滴は自分が身体を削り産み出した時に苦しみから出た涙でした。月の神様は自分と、太陽の両方に助けられたことに気付きました。


月の神様は太陽の神様に感謝して、自分のために造ってくれた壺で海の水を調整しながら、青い星の側で太陽の神様の役に立ち続けることを決めました。





相手を思いやる太陽と月の神様は、天帝から永遠の生命を約束されました。どちらの神様も他者のために頑張りすぎるので、天帝は時間をつくり昼と夜を定期的に交代させました。

そして、青い星は地球と名付けられました。


太陽と月の神様は無から有を創造する力と、命を育む力を、お互いを労わり補完しながら、今までもこれからも青い地球🌏に降り注いでくださっています。


そして、地球の人間にも同様の働きが出来るようにと、少しずつ全ての誕生する命に二柱の神様のカケラを分けてくださっています。




おわり






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