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大善人へ身魂磨き

塞の神 5 アラハバキ神

超古代の信仰、塞の神について書いています。塞の神はクナトの神です。


出雲の近くにある伯耆大山では根深い地蔵信仰がみられるようですが、これはもともとがクナトノ大神を祀った山だったからとも言われています。


クナト神が抹殺されようとしたとき、「クナトは地蔵に、アラハバキは弁才天へと変身した。」と富氏の末裔である富當雄(とみ まさお)さんは言い遺したといいます。クナト神が男神、アラハバキ神は女神へ。


そこで、今日は、アラハバキ神について書いてみたいと思います。アラハバキ神については、以前氷川3社に参拝した際に書きました。特に中山神社ではアラハバキ社のお宮を新しいものにするようでした。


ところで、伯耆(ホウキ)大山の名前のホウキは、チリを祓うためのものです。話は飛びますが、ホウキで思い出すのは周利槃特(しゅり・はんどく)。物覚えのわるい槃特はお釈迦様の導きにより掃除道により、「祓う」べきは「心のチリ」と悟り、全ての煩悩を滅し阿羅漢の1人となりました。悟りへの道には色々あるのだなぁと思いました。


アラハバキは、荒脛巾。ハバキはホウキの古語とも言われています。「祓う」という言霊ひとつにも、深い意味がありそうです。


出雲の地の近くには地名縁起ではないかなと思われる、富士山のような形の美しい伯耆(ホウキ)大山があります。古代祭祀と関係しているのかなぁと思います。

また、塞の神祭りというのも、伯耆だけでなく、北陸の方でもあり、巨大なホウキの形をしたものを火で焼き「祓う」のです。



塞の神祭り(どんと焼き)

また、以前にも書きましたが出雲あたりは、タタラ製鉄がさかんな場所でした。素戔嗚尊が八岐大蛇を退治して得た草薙の剣は、別名は「アメノハバキリの剣」と呼ばれ、鉄で作った刀のようです。鉄は火と深く関係します。

タタラ製鉄検索画像より

鉄の刀を拵える技を持たない元の出雲族は滅ぼされ、出雲の民は後の蝦夷となります。鉄の山を支配する神がアラハバキ神とか。鉄が富と権力と結びつきます。この神の鎮座するところには必ず鉄があり、アラハバキの神は鉄床を磐座としているようです。アラハバキ神は弁財天へ形を変えた?というのが本当なら、富に関係があるからかもですね。

物部氏はその磐座を目印にして鉄を掘りだし、刀や道具を代々生み出し、アラハバキの神こそ物部氏を繁栄に導く守り神でした。しかし、物部氏も後に滅ぼされ、後に蝦夷と手を結んだといっている方がいました。時代は変わり、祓ったり祓われたりというなんとも複雑な歴史を持つのかなぁ、と、栄枯盛衰、諸行無常ですね。事実はわからないですけれど。


出雲と、東北の関係はタタラ製鉄について気になったときに以前書きました。アラハバキ神への信仰の神社は少ないですが、東北地方にはアラハバキ神社が比較的に残っていたりするようですね。御神体は鉄鉱石だとか。


神話の時代のような出雲の信仰が遠い東北の地でなくならずにあるとしたら凄いなぁと思います。蝦夷は長い間、迫害されていました。その背景には、征服の歴史とかがありそうです。塞の神信仰のような古代の信仰には、深い歴史が刻まれていそうです。




つづく


【画像は塞の神祭り検索画像より】

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