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大善人へ身魂磨き

龍宮物語 2

創作童話続きです。

第一話


第二話


龍大宮の天龍は、門を鎖で閉ざしてしまい、暗黒の深海にお隠れになったため、海に汚物を垂れ流しても何とも感じない人間の所業に、海の満ち引きを担当する月の神も、その側にいる乙姫トヨもどのようにすれば良いのか考えあぐねていました。


龍大宮から山幸彦が地上に持ち帰った玉手箱で煙にまかれた時代は、実際は、地上では千年かそれ以上にもおよび、地上の様相は覇者や権力争いの時代に入りました。


その間、地中や海底からは鉱物や資源を枯渇するまで貪り、また、鉱物を武器に変え、高く売りさばいたり、民を力により脅し支配する人間が、お金と腕力でのし上がる社会を築きあげていました。


山幸彦は、龍大宮から乙姫トヨを連れて帰って海のそばでしばらく生活していました。


乙姫トヨは、龍大宮を去る時に、父の天龍から山幸彦との子が生まれたら、大切な役目があるから月に向かうように告げられていました。


決して地上にとどまらないようにと父に告げられた乙姫トヨは、赤子を産んだあと、山幸彦から、自分の記憶を消して、姿を鶴に変えて月に飛んで行きました。


その役目が何であるかを、父である天龍は、娘である乙姫トヨが龍大宮を去る時に少しだけ言い残しました。


「龍大宮や竜宮の支社が危機に陥った際、竜宮の扉を開けるには、末裔の力が必要だ。お前は、人間との子供を産んだあとは、月から海を守り龍宮が危機の時は、地上に生き残る末裔の身魂を探して必ず救えるように命を守り導くのだ。」


この言葉を乙姫が龍大宮を去る別れの言葉に、天龍は乙姫トヨに捧げたのでした。


しかし、天龍が深海に籠り全ての接触を絶ってしまった後、どうすれば廃れた龍大宮や竜宮を復活できるのか、誰が末裔なのかを乙姫トヨも知る由がありません。


トヨは月に飛び立ったあと、月の神の妻となり、静かに空から夜の海を照らし、その後地上に戻ることはありませんでした。


山の神の血をひく山幸彦と、龍大宮天龍の血を引く乙姫トヨの末裔は、何千年の月日が経った今は、細々と地上で命を繋ぎ、あるものは漁師に、あるものは農民となり、山奥や川沿い、海辺にひっそりと生活して暮らしていました。


龍大宮やその支社の竜宮城の門を開く鍵は何なのか。


月の神のそばにいる乙姫トヨは、海や川の側にすむ末裔達を守護しながら、なんとか様々な試練に負けず、ふるさとの竜宮の扉の鍵を開いて欲しいと見守っていました。


しかし、期待した御魂のほとんどが、地上で起こる様々な試練にのまれ、龍宮の扉を開けるきっかけすら掴めないでいました。


父である龍大宮の天龍が、暗黒の深海で龍大宮の復活と、さらには地上での龍宮のような美しい神の国の建設を待っているのを想像するだけで、


それを悠久の太古から託されながらも、叶えられない乙姫トヨは、自分の不甲斐なさに情けなくなるのでした。




つづく


【画像はお借りしました】

コメント一覧

あき
鬼雷様

スサノオ尊は、月讀み尊であられたのですね。。大海原をまかせられ、根の国から高天原全てに関係があるから、まるで新月から満月みたいとは思っていました。
月照姫は乙姫様とは、これまた、素敵ですね!
あき
鬼雷様

スサノオ尊は、月讀み尊であられたのですね。。大海原をまかせられ、根の国から高天原全てに関係があるから、まるで新月から満月みたいとは思っていました。
月照姫は乙姫様とは、これまた、素敵ですね!
鬼雷
神スサノオ尊、又の御名を月読みの尊。

龍宮の乙姫、又の御名を月照姫之尊。

善きかなでございます。
あき
大変だと思いますが、どうぞ心を自分で守ってくださいね。。
びこ
あきさん、せっかくコメントをいただきましたのに、またすぐ6通も嫌がらせコメントが入りましたからコメント欄を閉じてしまいました。コメントどうもありがとうございました。
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