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札幌・円山生活日記

紅葉めぐり2022〜北海道知事公館~

「北海道知事公館」は1936年(昭和11年)に三井合名会社の別邸として建てられた曽ての「北海道における三井の迎賓館」。1953年(昭和28年)の北海道による所有権取得以来さまざまな会議や行事に広く使われているとか。館内が無料で一般公開されているほか自然豊かな庭園も散策自由です。 

今日は「北海道知事公館」で紅葉めぐりです。最近「三岸好太郎美術館」鑑賞時などの際、公館裏の庭園周辺にエゾリスが度々お出ましになるのですが今回も出会うことができました。春の桜に秋の紅葉が楽しめる自然溢れる庭園ですのでリスがいても当然の環境です。併せて週末の閉園時を除き公開されている建物内部も久しぶりに見学してまいりました。アクセスは地下鉄東西線「西18丁目駅」から北方向へ向かい「多目的喫茶店アイビィ 」でのランチの後に「道立近代美術館」の敷地を通過して到着しました(地図)。

知事公館建物への正面入口付近。現在の建物は昭和11年(1936年)に当時の三井合名会社社長・三井高公の構想に基づき「三井別邸新館」として建設された「北海道における三井の迎賓館」。昭和28年(1953年)に北海道の所有となり「知事公館」として使用が開始され、近年はテレビ番組のロケ地としても利用されているそうです。

建物正面入口の左側に庭園への出入口があります。
北海道出身である安田侃作・氏《意心帰》。
《意心帰》と知事公館。

流政之氏・作の《サキモリ2000》(右)と《サキモリ2002》(左)。

《サキモリ2000》(左)《サキモリ2002》(右)と知事公館建物。
《意心帰》裏手の小川に沿って竪穴式住居跡付近へ向かいます。竪穴式住居は8世紀頃に作られたものだそうです。

竪穴住居跡近くのあずまや。

竪穴式住居跡付近の庭園には嘗てアイヌの人から「メム(湧き水)」と呼ばれた場所に小川が作られています。奥は「三岸好太郎美術館」。

その小川脇のあずまや近くで動くものを発見。
エゾリスです。
木の枝に上り木の実を食べ始めました。
「見たな!」と写真を撮るこちらに気付いたようす・・。

一旦地上に降りて別の木に移動しました。
木の実を食べるエゾリスです。
「また来たな!」という目で見られました。

エゾリスにお別れして建物内部へ向かいます。建物で目を引く白い壁を彩る赤いストライプは「ハーフティンバー」という柱や梁などの骨組を露出させて意匠を施す工法でアルプス以北のヨーロッパでよく見られる様式だとか。「三井の迎賓館」の趣味だったようです。

1階ロビー部分。木造2階建ての館内は応接室や会議室などを自由に見学可能。木材の風合いを活かした上品な内装やクローバーの意匠が施されたさまざまな照明に「三井の迎賓館」の面影が伺えるそうです。 
1階食堂。
安田侃氏・作《妙夢》。
1階応接室。

2階寝室。建物は昭和47年(1972年)の札幌オリンピック開催の際には昭和天皇・皇后両陛下の御宿泊所となったそうです。 
皇族滞在時の御座所を偲ばせるものとして実際に両陛下が利用されたテーブルやエゾジカの皮を張った椅子などの家具が当時のまま残されています。

2階応接室。建物入口正面に大きく張り出した出窓の位置に当たる部屋で三角屋根を活かした背の高い天井と広く光を採り入れる大きな窓が印象的な部屋です。
大正末期から昭和30年代まで北海道各地で利用された運材用の馬橇《バチバチ橇(そり)》の模型。


2階会議室。歴代知事の肖像画が飾られていました。

2階窓から見た庭園。以上で本日の散策は終了です。


なお上掲見取り図の中央区北1条西 15 丁目・16 丁目並びに北2条西 15 丁目・16 丁目街区は現在、北海道による再整備検討の対象になっています。「知事公館エリア」の居住区域が低利用の状態が続いていること、「近代美術館エリア」に所在する近代美術館は築 44 年が経過し改築も含めた検討が必要となっているからだそうです。そのため民間事業者によるサウンディング型市場調査も実施されています。登録有形文化財である知事公館建物の保存は当然としてもエゾリスが棲む自然を残しつつも広く親しまれ活用される整備案が立案されることを期待します。

「北海道知事公館」
札幌市中央区北1条西16丁目 011-611-4221
営業 公館 9時~17時 
   ※公務等の都合により見学できない場合あり。
   庭園 8時45分〜17時30分(時期により異なる)
休日 公館 土曜・日曜・祝日・年末年始
   庭園 12月1日〜4月28日
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tsh/koukan/gkoukan.htm
(2022.10.18訪問)

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