「旧永山武四郎邸」は1880年頃(明治10年代前半)に建てられた永山武四郎・第二代北海道庁長官の私邸。純和風書院座敷と洋風応接室がつながる和洋折衷様式で開拓時代に多く見られた西洋建築技術を取り入れた住宅の先駆け的存在だとか。北側の2階建て洋館は永山氏逝去後に三菱鉱業セメント株式会社が買い取って敷設した「旧三菱鉱業寮」。館内では3月の桃の節句にちなんで2月18日~3月3日の予定でひな飾りが展示されています。
本日は「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」で【旧永山邸で楽しむひな祭り】です。「サッポロファクトリー」に買い物で来た際に隣接する「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」内の「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」で季節のパフェでも食べようかと思って訪ねてみました。すると館内では【旧永山邸で楽しむひな祭り】として3月の桃の節句にちなんでひな飾りが展示されています。そのイベントもあり「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」は満席状態でパフェは断念したのですが代わりに久々の「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」の建物を見学するとともに雛飾りを鑑賞してきました。
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「旧永山武四郎邸」及び「旧三菱鉱業寮」の外観。
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木造平屋建ての「旧永山武四郎邸」。‟明治前半期の北海道の和洋折衷上流住宅の好例であり、日本近代住宅史を考える上で高い価値を有しています。三菱合資会社の買収後は、重役専用の宿泊や札幌出張員事務所として使われました。重厚かつ簡素な意匠で、和洋折衷住宅成立の模索過程をよく伝えています。”
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木造平屋の永山邸部分とは対照的に白木と緑の屋根のコントラストが目を引く「旧三菱鉱業寮」。‟炭鉱経営、金属鉱業などを行っていた三菱鉱業株式会社によって昭和12年頃に建築されました。このような民間企業の倶楽部が現存する例は道内に少なく、高い産業・文化史的価値を有しています。妻破風のハーフティンバー・モチーフ、丸窓など、昭和前期のモダンな洋館デザインが見られます。”
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玄関付近の「永山武四郎と北海道開拓」解説パネル。“永山 武四郎(ながやま たけしろう、天保8年4月24日(1837年5月28日) - 明治37年(1904年)5月27日)は、日本の陸軍軍人、華族。明治時代に北海道庁長官、第7師団長、貴族院議員等を歴任する。官位は陸軍中将従二位勲一等男爵。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』”
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応接室として使用された洋間と表座敷の和室。「旧永山邸」の特徴の一つは、和室と洋室が直接隣り合わせに造られている事だそうです。
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応接室として使用された洋間は壁や天井が漆喰で仕上げられ窓にはカーテンボックスが設けられています。
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照明の上部にあるメダリオン(天井中心飾り)には漆喰でモミジが描かれています。同時期に建設された「豊平館」にも見られるように漆喰を盛り付けコテで立体的に仕上げていくもので「コテ絵」と呼ばれる伝統技術だそうです。
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また応接室と和室をつなぐ部分の周辺には、道内産の木材でつくられた天井板が8畳間の広さにわたって建てられており、西洋風の引き込み戸も取り付けられています。引き込み戸は解説ボランティアの方が引き出し見せてくれました。
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表座敷として使われた和室。付け書院等を構えた15畳の部屋で和室としては天井が高いそうです。
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縁側からは四季折々の庭園の景色が眺められるという触れ込みですが今は雪景色です。
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2005年(平成17年)9月から翌年3月まで行われた保存改修工事の記録。
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工事の際に付け替えられた棟飾り。「豊平館」にも見られる北海道における初期和洋折衷建築の特徴的な屋根のデザインだそうです。
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「旧永山武四郎邸」から「旧三菱鉱業寮」への廊下。
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「旧三菱鉱業寮」の1階フロア。右側が「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」。窓ガラスから店内が覗けます。席がほぼ埋まっていました。
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【旧永山邸で楽しむひな祭り会】のチラシが置かれています。
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チラシ隣に展示された雛飾り。
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雛飾りのメイン展示は2階です。
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2階ホール。寮に滞在する人たちの談話室として使用されたそうです。
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2階ホールの窓周囲に設けられた花台。昭和初期に良く見られたデザインで外観意匠を引き立てているそうです。
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特徴的な丸窓のある展示スペース。
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《狐のひな祭り》。
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干支のウサギ雛。
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同じくウサギ雛の《萌兎》。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/0d/b5af97baedb2b0c434fa9f65734fc066.jpg)
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《雛日和》。
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《卯》。
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「まちの図書室」として使用されている2階和室。旧永山邸の建物や札幌・北海道の歴史に関する図書を閲覧することができます。
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《狐の嫁入り》。
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床の間の明治時代の京都製ひな人形。
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髪飾りが見事な女雛。
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同じく明治時代の随臣。
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御殿を守る右大臣・左大臣でしょう。
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1階に戻ります。「れきしの部屋」に展示されている「三菱鉱業寮」時代に設置されていた彫刻。「れきしの部屋」では「旧永山邸・旧三菱鉱業寮」の歴史をパネルやデジタルサイネージで紹介しています。
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「電話室」の黒電話。「三菱鉱業寮」時代の名残です。
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最後にもう一度「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」を見たのですが相変わらずの混み具合なので次回の楽しみとしました。
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「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」側から見た「サッポロファクトリー」。
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明治45年(1912年)に札幌神社(現 北海道神宮)に祭神を勧請し「大日本麦酒株式会社(現 サッポロビール)」の工場内に祀ったのが始まりの「構内札幌神社」。現在も「サッポロファクトリー」の守護神として祀られています。
「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」
札幌市中央区北2条東6丁目
営業時間:9時〜22時
定休日:毎月第2水曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
料金:無料
電話:011-232-0450
(2023.2.28)