「本郷新記念札幌彫刻美術館」では所蔵品展「はじめてのほんごうしん」が開催中です。日本を代表する札幌出身の彫刻家である本郷新氏の野外彫刻は全国各地におよそ80点が設置。展覧会は“本郷新をはじめて知る人々に向けてその全貌を紹介するのみならず、最新の研究成果をふまえた作家像を示し、本郷の作品の普遍性と新たな価値を探ります”を狙いとします。
今週の週末散策も「本郷新記念札幌彫刻美術館」まで足を延ばしました。先週の「さっぽろ雪像彫刻展2022」観賞の際に新たな所蔵品展「はじめてのほんごうしん」が開催されていると知り改めて訪問です。当日は朝から激しく雪が降る中でしたが「そのうち止むだろうし雪中散策も悪くないだろう!」と根拠のない希望的観測の下で「円山公園」から「北海道神宮」境内を通過して高級住宅街の中の「本郷新記念札幌彫刻美術館」までたどり着きました。
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「本郷新記念札幌彫刻美術館」本館のエントランス付近。大雪です。
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所蔵品展「はじめてのほんごうしん」のちらし。
‟本郷の没後40年、そして本郷新記念札幌彫刻美術館の開館40周年を経た今、本郷の作品の現代的意義をあらためて考えるときが来ています。
時代を超えてなお色褪せない作品の魅力や、本郷が生前に直面した課題、そして彫刻に託した願いを、私たちはどのように次世代へ語り継いでいくべきなのでしょうか。
本展では、本郷新をはじめて知る人々に向けてその全貌を紹介するのみならず、最新の研究成果をふまえた作家像を示し、本郷の作品の普遍性と新たな価値を探ります。”
時代を超えてなお色褪せない作品の魅力や、本郷が生前に直面した課題、そして彫刻に託した願いを、私たちはどのように次世代へ語り継いでいくべきなのでしょうか。
本展では、本郷新をはじめて知る人々に向けてその全貌を紹介するのみならず、最新の研究成果をふまえた作家像を示し、本郷の作品の普遍性と新たな価値を探ります。”
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展覧会ではお馴染み《泉の像(部分)》1959年がお出迎えです。
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「本郷新のあゆみ」。11~12歳の頃に作った粘土の「ねずみ」を褒めら鼻高々となるものの叔父が勝手に絵付けして、より本物らしくなっただろうと返されたものの「もはや興味を失う」というのは興味深いエピソードです。アーティストは10歳ほどでも自作品への拘りが強いのでしょうか。
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1975年(昭和50年)の日本橋高島屋と札幌三越で開催された「本郷新彫刻50周年写真展」で展示された写真の一つ。数々のエピソードのある《風雪の群像》。数多くある野外彫刻の中で本郷氏自ら選んだ作品だとか。思い入れある作品なのでしょう。
【Chapter1 彫刻家・本郷新】
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展覧会は本郷氏の作品を概ね時系列に第1章から第5章までテーマを付して展示しており氏の作品作りが分かりやすく解説されています。上掲は「Chapter1 彫刻家・本郷新」の展示。
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「Chapter1 彫刻家・本郷新」の解説。
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《瀕死のキリスト》1939年
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《三つ編みの少女》1936年
【Chapter2 野外彫刻の黎明】
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「Chapter2 野外彫刻の黎明」の展示。
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「Chapter2 野外彫刻の黎明」の解説。
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《きけわだつみの声(部分)》1950年
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《嵐の中の母子の像》1953年。屋外展示作品だと背中におぶされた子供の表情などが良く判りませんでしたがこうして見ると細部まで良く判ります。
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日本初の公共空間に設置された裸婦像は本郷作品だったとか。
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その作品の所在は現在不明だそうです。
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そして裸体像と着衣像の解説です。裸体像にこそ普遍性があるということのようです。
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裸体像と着衣像が並びます。こうした企画ができるのが所蔵品展の良さでしょう。
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《太陽の賛歌》1972年
【Chapter3 彫刻家の仕事】
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「Chapter3 彫刻家の仕事」の展示。
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「Chapter3 彫刻家の仕事」の解説。
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《花束(A)(B)》。屋外展示では並んでいないので貴重です。
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《雪華の像》1971年とアイデアスケッチ。緻密に計算されています。
【Chapter4 土との戯れ】
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「Chapter4 土との戯れ」の展示。
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「Chapter4 土との戯れ」の解説。
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《北方シリーズ「雪の子」》1966年
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《北方シリーズ「へんな人」》1966年
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《少年の壁》1969年
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《土と火の祭り》1969年
【Chapter5 いまを生きる彫刻】
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「Chapter5 いまを生きる彫刻」の展示。
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「Chapter5 いまを生きる彫刻」の解説。
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《哭》1959年
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《原生の譜》1967年
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「無辜の民」シリーズの解説。
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「無辜の民」シリーズの作品群。
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《無辜の民 仏生》1970年
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《無辜の民 油田地帯Ⅱ》1970年
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以上で展覧会鑑賞は終了です。
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「本郷新記念札幌彫刻美術館」記念館前。雪は止むこともなくは激しく降り続いています。足がとられるようになる前に帰ることにしました。
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途中の「北海道神宮」の第二鳥居と参道。
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参道から「神門」をのぞみます。屋台の人たちも大変そうでした。
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「拝殿」。
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「神宮茶屋」と参道。
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「公園口鳥居」。
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「パークセンター」前の気温表示は-4.5℃。
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「円山公園」前です。漸くここまで無事戻ってきました。「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」の方も雪かきが大変そうでした。
本日は少し大変な週末散策でした。それでも「はじめてのほうごうしん」展は仲々魅せられました。これまでも「本郷新記念札幌彫刻美術館」で所蔵品展をいくつか見てきたので今回はどんな見せ方をするのか興味がありました。彫刻作品とともにパネルや写真をうまく使い本郷新氏とその作品の全貌を判りやすく魅せようという試みは結構でした。鑑賞を楽しめ改めて理解が進む思いでした。学芸員の皆さんのご尽力に感謝です。ありがとうございました。
所蔵品展「はじめてのほんごうしん」
会期 2022年1月28日(金)~2022年5月31日(火)
会場 本郷新記念札幌彫刻美術館 本館
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
※2月1日(火)~2月4日(金)は整備休館
※3月21日(月・祝)は開館し、3月22日(火)開館
観覧料 一般300円(250)円、高大生200円(100)円、中学生以下無料
※( )内は10名以上の団体料金
※65歳以上の方は当日料金が250(団体200)円になります。年齢の分かるものをご呈示ください。
主催 本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市芸術文化財団)
後援 北海道、札幌市、札幌市教育委員会
(2022.2.6訪問)