見出し画像

札幌・円山生活日記

企画展「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う 」~「本郷新記念札幌彫刻美術館」サンクスデー(6月24日)~

札幌市中央区宮の森の閑静な住宅街のなかにある小さな美術館「本郷新記念札幌彫刻美術館」。日本を代表する札幌出身の彫刻家・本郷新(1905-1980)の野外彫刻の石膏原型や本郷が残した膨大なデッサン等の資料を含む1800点あまりを収蔵します。同美術館では現在企画展「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う」を開催中です。

今日は「本郷新記念札幌彫刻美術館」で企画展「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う」の鑑賞その他です。たまたま同美術館のウェブサイトを見ていると42回目の開館記念日を迎える契機に6月24日(土) に「サンクスデー」を催すとのこと。屋外マーケットや作品鑑賞プログラムなどさまざまなイベントを企画するとともに展覧会の観覧もすべて無料だというではありませんか!これはラッキーな企画日だと本日でかけてきました。アクセスは地下鉄東西線「西28丁目駅」から出ているJR北海道バス山の手線〈循環西20〉で「彫刻美術館入口」下車が最寄りですが、本日は自宅より自転車でまいりました(地図)。
「本郷新記念札幌彫刻美術館」.
「サンクスデー」のチラシ。
“本郷新記念札幌彫刻美術館は、1981年6月29日のオープンから、まもなく42回目の開館記念日を迎えます。日頃の感謝を込めて「サンクスデー」を催します。屋外マーケットや作品鑑賞プログラム、ものづくり体験、講話などさまざまなイベントを企画しています。グッズやワインなどの購入以外、観覧や参加はすべて無料。美に触れ、作り、学び、お気に入りのグッズを探し、美味しいものに舌鼓を打つ、そんな清々しい初夏の日を彫刻美術館で過ごしてみませんか?”
先ずは「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う」の展示会へ。
“北海道の彫刻を紹介していく当館の活動の一環として、小樽を拠点に制作を続ける鈴木吾郎(1939〜)の展覧会を開催します。
 北海道学芸大学札幌分校(現・北海道教育大学札幌校)卒業を出発点とする彼の彫刻家としての歩みは、」一貫して具象による人体像を追求してきましたが、特に1980年以降はテラコッタによる女性像を数多く手掛けています。そこには、西洋的な具象表現を取り入れつつ、土器や埴輪にも通じる素朴な技法のなかに凛とした東洋的精神の発露を求め、生まれてきたものなのです。
 本展では、初期から現在に至る60年の制作活動を5章に分け、彫刻・素描約50点でたどります。また、道内各地に設置した約60点の公共彫刻もパネルで紹介します。”

【第一章:初期作品ー具象彫刻を志して】
第一章では大学の恩師である藤川叢三氏の薦めで基礎的なところに立ち返り具象彫刻に取り組んだ10年間の作品が展示されています。
《17歳の凝り》。

【第ニ章;子どもへのまなざし】
鈴木吾郎氏には幼い子どもをモチーフとした作品が多い。第2章では子どもの無垢な表情や仕草なかに自分の心を重ね、媚びを売るような要素を排除しながら、大人が忘れてしまった偽りやずるさのない姿を形づくろうとしているという作品が展示されます。
《子供の情景・小学生と母》1970年。

【第三章;頭像ー精神性の造形】【第四章;ムーブマンの探求】
第三章では友人や同僚、生徒、外国人など多岐にわたる頭像、第4章では彫刻の重要な構成要素である手足、体、目線などのムーブマン(動勢)を捉えた作品シリーズを展示。
《ムーブマンエスキース》。

【第五章;テラコッター温もりと軽やかさ】
第五章では;1980年の《風髪'80》をきっかけとして鈴木吾郎氏の制作の中心的なものになっていくテラコッタ作品を展示。テラコッタは粘土の像をそのまま焼成し作品となり、日本の埴輪や中国の兵馬俑をはじめ人類が古くから行ってきた極めて原初的で直接的な技法だそうです。当コーナーには見応えのある作品が並びます。

《風髪'80》1980年。
《20世紀の女》2000年。

《若い女・浮雲2》2000年。

《よみがえる光》2003年。
《飛天・衣》2000年。
《古代の風を聞く》2005年。
《秘めて》2014年。
《悲しみの男・Q》2014年。

【第6章;公共彫刻のつくり手として】
鈴木吾郎氏が滝川駅前の《希望と飛躍の像》を皮切りに1978年以降に北海道内各地に設置した彫刻の数は60点を超える。その多さは抽象彫刻を手掛ける國松明日香と双璧をなすそうです。本章では同公共彫刻をパネルで紹介します。
小樽運河の高欄も氏の作品だったようです。

本日は観覧料無料ということもあり多くの人が鑑賞に訪れていました。

[本館研修室]で開催のサンクスデー企画【ものづくり 小さなペーパーバッグ】。
過去の展覧会のチラシなど、色とりどりの紙を素材としたペーパーバッグを作成体験する企画です。

[本館前庭]で開催の【芸森アートマーケット in 彫刻美術館】。

札幌芸術の森で人気のアクセサリー・イラスト・陶芸・木工・絵画・クラフト・手芸・オリジナルキャラクターアイテムなど手作り作品のマーケットイベント。

「記念館」へ。同館の入場も無料です。

「記念館前庭」で開催のサンクスデー企画【札幌彫刻美術館友の会プログラム(洗って味わう 彫刻のカタチ〉】は午後2時からです。
【館長のとっておきの話「本郷新入門」】。
本郷新の作品や活動の特徴を館長がさまざまなエピソードを交えながらわかりやすく紹介します。
【のぞく、感じる、伝える、体験。】。配布されたA5サイズのフレームで展示作品を切り取り、夫々の作品の感じ方を楽しむ企画。
 
1階東側の展示室。お馴染みの大作の原型が展示されています。
2階の大窓に面した展示室。展示品の配置が変わっていました。
《無辜の民》シリーズ。
2階の大窓から見える「円山」ほか。以上で展覧会の鑑賞ほかサンクスデー企画体験が終了です。楽しませていただきました。特に「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う」は見応えのある作品が多くこれが無料とは嬉しい企画でした。ありがとうございます。

企画展「彫刻60年 鈴木吾郎展 悠久を舞う」
会期:2023年4月29日(土・祝)~8月27日(日)(月曜休館)
開館時間;10:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料;一般600円(500円)、65歳以上500円(400円)、高校・大学生400円(300円)、中学生以下無料
( )内は10名以上の団体料金
主催;本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市芸術文化財団)
後援;北海道、札幌市、札幌市教育委員会
(2023.6.25)

最新の画像もっと見る

最近の「散策」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事