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札幌・円山生活日記

【近美コレクション】浮世絵のヒロインたち/組物・続き絵から生まれるストーリーほか~「北海道立近代美術館」~

本日は「北海道立近代美術館」で開催中の「【近美コレクション】浮世絵のヒロインたち/組物・続き絵から生まれるストーリー」ほかの鑑賞です。北海道初公開の国宝「鳥獣戯画」を展示する「京都 高山寺展 明恵上人と文化財の伝承」を見たいという妻と出かけました。私は既に「鳥獣戯画」甲巻後半部分の有名な蛙とウサギの相撲を見たので館内で別れて鑑賞予定です。
ところが開館時刻の9時30分少し前に近代美術館に着いたのですが東西双方に長蛇の列です。妻はすっかり意気消沈して一緒に浮世絵のヒロインたちを観賞することになりました。
「【近美コレクション】浮世絵のヒロインたち/組物・続き絵から生まれるストーリー」は展示室Aで開催。向かいの展示室とは対照的に平和です。
帯広の故・高橋博信氏が心血を注いで作り上げた、江戸後期の浮世絵コレクション。現在当館所蔵の約500点の中から、女性を主役(ヒロイン)としながら、場面設定や文化的・社会的背景との関連の中でさまざまなストーリーを想起させる作品を、複数枚からなる「組物」や大画面で構成される「続き絵」を通してご紹介します。
展示は3期に分けて、総入れ替えします。第Ⅰ期は、歌川国貞の初期から円熟期の優品を中心に、第Ⅱ期は、国貞晩年の代表作《江戸名所百人美女》100枚組すべてを、第Ⅲ期は、歌川国芳と溪斎英泉。浮世絵師三者三様の魅力ある作品の数々をお楽しみください。
訪問時は第2期で国貞晩年の代表作「江戸名所百人美女」の100枚全てが展示され江戸名所を「水辺」「町」「寺社仏閣」「季節」の4章に分けて作品が展示されています。
「水辺」章の「霞が関」。江戸時代は今よりも海が近く霞が関界隈からも海が眺められたようです。他の章も同様ですが今の場所と比較しながら100枚もの浮世絵を見るのも大変楽しいものでした。
1階奥のスペースでは現在の滝川市に屯田兵2代目として生まれ日本画壇で活躍し文化勲章も受賞した岩橋英遠氏の代表作《道産子追憶之巻》が展示。


岩橋英遠《道産子追憶の巻》(部分)1978-82年。全長29mにも及ぶ作品では北海道の四季の移ろいが描かれています。文字通りの見応えある大作です。
 

2階「ウィズ・キッズ '24 なぜこのかたちなの?」のコーナー。子どもが大人を連れて来たくなるような美術館を目指した新たな企画だそうです。

2階「アートギャラリー北海道/港の今昔/苫小牧市美術博物館コレクション」のコーナー。漁業から工業の街へと変貌を遂げた苫小牧のすがたを絵画、インスタレーション、築港に関する写真や道具等で辿ります。 

坂東史樹《小さくて深い空》(部分)2019年。航空写真をもとに苫小牧工業地帯の様子を1/1600のスケールで緻密に再現した作品。
昭和30年~40年代の潜水用ヘルメット。苫小牧築港の水中土木作業で使用。
約1時間の鑑賞後にロビーを見ると入場待ち客の列は更に延びていました。

その時点で約60分待ち。当日は最長で90分待ちだったようです。
「鳥獣戯画」の混雑状況は同展のウェブサイトで確認できますのでお出かけの際は参考にしてください。ありがとうございました。

「浮世絵のヒロインたち 組物・続き絵から生まれるストーリー」
日 時 7月9日(火)~9月26日(木)
会 場 北海道立近代美術館(中央区北1西17)
観覧料  一般 510円 高大生 250円
時間 9:30~17:00
休館日 月曜日
 *第1期から3期に分けて開催(作品は総入れ替え)
(2024.8.15)
 

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