今から十数年前の夏

私の生まれつきの病気により、病状が悪化し、手術をしなくてはいけなくなり、
約1ヶ月入院した
大学四年の前期試験直前、身体の異常に気づいたけど、
病院に行く時間を惜しみ練習に励む毎日

試験が終わったらすぐに病院に行くと、
「手術しないといけません」
と言われた
あまり例がない手術なので、CTやMRIをとったり、色んな科にまわされ
精密検査をしながら手術方法を医師同士でミーティングをしてくれた
正直バイオリンどころではなかった
前期試験結果の上位3人までが芸術劇場の大ホールで演奏できるというもので、
私は運良く選ばれ、10月にその舞台でシベリウスのバイオリン協奏曲を演奏する事に
そしてアンサンブルのオーディションにも合格し

私が1stバイオリンをつとめる弦楽四重奏団が、
室内楽コンサートにも出演できることになった

その本番も10月
夏休みはその両方の練習に励むつもりが、一転
入院生活でバイオリンの練習ができない
気持ちだけが焦ったけど、しょうがない・・・
手術も無事成功し

1ヵ月後退院して練習するも、激ヤセして体力がない
でも、久しぶりにバイオリンが弾ける喜びを感じる事ができた
「バイオリンを弾くってこんな感触だったかなあ」
初心に戻った気分
そして10月、ドレスを着て大舞台へ

あまりの激ヤセ姿に周りは痛々しかったらしい
この時期になると、辛かった手術と入院生活を思い出す
何事も健康一番

今、元気にバイオリンを弾ける毎日に感謝です