ベートーヴェンのヴァイオリンソナタの中で、私にとって思い出の曲は、
7番です
何故かというと、
ドイツ留学の時、入試で演奏した曲のひとつなのです
入試にも、コレペティというピアノ伴奏科の先生が、私たちの伴奏をして下さいます。
もちろん合わせなんてしません。ぶつけ本番で伴奏して下さいます。
今でも覚えている入試のひとコマ。
待合室で、コレペティの先生が私の所に来て言いました。
「あなた何弾くの?」
「えっと、協奏曲はシマノフスキーのヴァイオリン協奏曲、ソナタはベートーヴェンのヴァイオリンソナタ7番と、あとバッハは無伴奏ソナタの・・・」
コレペティの先生方が何やらザワザワ話し合っている・・・
当時の私はドイツ語がそんなにわからなかったのですが、
どうやら、だれがあの子の伴奏をするのか、なすりあっていました
「シマノフスキー?!ベートーヴェンソナタ7番はまだしもシマノフスキー・・・・ややこしい曲を・・・」
みたいな感じで・・・
(あっ私嫌がられてる・・・えっでも、ちゃんと曲目リスト、提出してるし・・・)
と思わず心の中でつぶやく私。
すると、別の部屋から一人のおば様が登場
誰が誰だかまだわからないにも関わらず、オーラと振る舞いから
どうやらコレペティの中でも一番お偉いさんらしいという事はすぐにわかりました。
「私が伴奏しましょう」
といって下さり、その方はメガネをかけ、メガネの下から私を覗き込む姿が印象的。
入試ではバッチリ、シマノフスキーのヴァイオリン協奏曲、
そしてもちろんべートーヴェンソナタ7番もバッチリ合わせて下さいました
無事入学し、学校でコレペティの先生達とすれ違うと、
「ああ、あのシマノフスキーの子ね」
と覚えていて下さり仲良く話しかけて下さいました。
その時、シマノフスキー弾いて良かった~っと思ったのでした
さて、8月の私のリサイタルで伴奏してくれた直子さんもチェロ科のコレペティを
しています。
一緒に弾き始めてもうすぐ10年?が経ちますが、
入学した時から知っていた訳でも、すぐに一緒に弾き始めた訳でもありません。
そのエピソードはまた明日