定年夫婦のイタリア・スイス旅日記

あこがれのローマ,ルネッサンス発祥の地フィレンツェ,そしてツェルマットへ

ローマ二日目(バチカン)

2012-05-27 01:47:39 | 日記
2012.5.26(土)

 ローマ二日目,6時30分に朝食が始まるので,7階のレストランでバイキングを取り,7時40分の迎えを待つ。今日は,一日バチカンの観光だ。7時40分に迎えの車が来た。バスに乗り換え,出発。バスの中は外国人が多く,説明も,イタリア語,英語,スペイン語,そして日本語でやってくれる。さすが国際的な観光地だ。
 バスから降りて日本人案内者の樋口さんの所に行くと,日本人は俺達夫婦のみであった。それで希望を素直に伝える。実は,今日のツアーのコースにはラファエロの間が入っていなかったのだ。「是非見たいので,途中で分かれます。」と言うと,「今日は二人のみなので,案内しましょう。」と快く引き受けてくれた。
 バチカン美術館の入り口に向かって歩いていくと,当日券を求める人たちが長蛇の列で,樋口さんは入場まで2時間もかかってしまうのではないかと話してくれた。長く並んだ人たちを尻目に,スムーズに入場することが出来た。ツアーに予約していて本当に良かったと思った瞬間であった。
 樋口さんの話によると,このバチカン美術館の入場者はルーブルに次いで多く,一日あたり1万人以上という。あまりにも客が多く,改修工事をしたため,妻が来た20年程とは入場口等が変わっているという。
 中に入ると古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻群が所狭しと並んでいる。その規模と内容のすばらしさに圧倒される。更に進んでいくと,有名な「ラオコーン」の像と,ミケランジェロの作風に多大な影響を与えたと筋骨隆々としたいう胴体のみの像等がある。その他にも,古代ローマ時代の大きな石の風呂(ネロ皇帝の后が毎日3回もミルク風呂に入る時に使ったという),古代ローマ時代の床(いろいろな色の石を使って見事な物であった),大きな石の棺,その他多くの遺物が並んでいる。
 ラファエロの間に到着。一部工事中の所があったが,ほぼ見ることができた。ラファエロが描いたという4つの大きな壁画がある。ミケランジェロに影響を受けて作風が変化していることが分かる。その中でも,『アテネの学堂』はやはりすごかった。ここに来れて本当に良かった。樋口さんに感謝である。日本では美術館等は,撮影禁止であるが,ここはフラッシュをたかなければ撮影OKなのである。何枚も撮影し,いよいよシスティーナ礼拝堂に向かう。大学時代からあこがれていたミケランジェロの絵との対面だ。りょくしかし,システィーナ礼拝堂では,撮影禁止。更に,大声禁止である。中に入ると,身動きできない程の人が皆上を向いている。天井壁画と祭壇側の『最後の審判』が圧倒的な迫力で迫ってくる。天井壁画については,各種の本等で「アダムの創造」や「楽園追放」「ノアの洪水」程度しか知らなかったが,旧約聖書を題材にして九つのエピソードで構成されていた。あんなに高い天井に足場を組んで,苦労しながら何年間にも渡ってたった一人で描いたという。また,『最後の審判』は,筋骨隆々とした肉体を描き,多くの画家にも多大な影響を与えたという。二つとも素晴らしい絵画で大きな感動を覚えたが,その作者であるミケランジェロの不屈の精神と創造力に畏敬の念を感じた。誰かが言っていたが,システィーナ礼拝堂のためにミケランジェロの絵があるのではなく,ミケランジェロの絵のためにシスティーナ礼拝堂があるのだと思う。もっともっと長い時間見ていたかったが,そうもいかず,多くの人たちに押されるようにして礼拝堂を出た。
 樋口さんからサンピエトロ広場の所まで案内してもらい,参道にあるセルフサービスの店に入って昼食を取った。サラダ,サーモン,パスタ等を選んだら,あまりにもが多く,残してしまった。
 食事を終え,12時半頃サンピエトロ広場に行くと,あの広い広場の端から端まで行列が出来ている。午前行事があり入れなかったので,午後1時からの入場だとのこと。最後尾に並ぶ。1時から動き出して,俺達が入ったのは2時半を過ぎていた。大聖堂に入り,向かったのはミケランジェロの傑作『ピエタ』の像である。これも,大学時代から本で見ていつかは本物を見たいと思っていたものだ。願いが叶い,ついに本物と対面する。人をかき分け一番前で見る。思っていた以上の素晴らしさだ。マリアの美しさ,慈愛に満ちた表情,そして柔らかな衣服の襞,ミケランジェロ24才の時の作品という。改めてミケランジェロの素晴らしさに脱帽した。ローマまで来て,並んで良かったと思った瞬間であった。大聖堂の中は,色々な彫刻や装飾が施されていて,やはりカトリックの総本山だと感じた。
 大聖堂を出ると,まだまだ列が続いていた。広場からサンタンジェンロ城まで歩き,橋の上の彫刻群を見る。ベルニーニ作の作品(レプリカ)を見るが,「ピエタ」を見た後は印象が薄い。バスに乗り,ホテルに帰る。
 夕食はホテルの近くのレストランに入り,ローマピザを食べる。俺の石窯で焼いたピザも捨てたもんではないと,自信を深めた夕食であった。
 今日は,まさにミケランジェロの日であった。

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1 コメント

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ローマはいかがですか? (mihotours)
2012-05-27 16:20:34
無事ホテルにチェックインでき、旅も順調に進んでいるようで安心しました。
バチカン博物館も並ばずに入れたようで良かったね! 所狭しと並ぶ美術品・芸術品の数々に感動しきりのことと思います。
美穂も今週末はコンサートのハシゴでよい音楽にたくさん触れる予定です。
では引き続き、旅を楽しんで!
いよいよ長距離列車での初めての移動も控えてるけど、満面の笑顔と身振り手振りで乗り切ってね♪

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