定年夫婦のイタリア・スイス旅日記

あこがれのローマ,ルネッサンス発祥の地フィレンツェ,そしてツェルマットへ

ヴェネツィアからミラノへ

2012-06-03 02:00:02 | 日記
2012.6.2(土)

 ヴェネツィア最後の朝。6時頃目が覚め,窓を開けると,目の前の海に大きなクルーズ船が,タグボートに曳航されている。大きな船,サンマルコ教会,青い海,そして空にはカモメ,非常に眺めがよく,室内の調度品もよい部屋だ。今まで泊まったホテルでは最高だ。ただ残念なのは,風呂がないこと。ヴェネツィアは島であるので,水が不足しているからなのだろう。シャワーだけでは辛いものがある。
 朝食を終え,モーターボー・トタクシーを呼んで,駅まで送ってもらい無事にミラノ行きの列車に乗ることが出来た。イタリアの列車の乗り方が分かってきた。列車の中で,ミラノのことやスイスのことを調べる。列車の窓から見えるのは,日本とは大分違う風景である。まず,水田がない。畑と丘,そして山,日本ではもうすっかり田植えも終わり,青田が風にそよいでいるころだろう。何日もそのような風景を見ていないものだ。そうこうしているうちにミラノに着く。さすがにイタリア第2の都市,大きい駅だ。ホテルは駅のそばと分かっているが,どのように行くのか分からず地下に降りて行ってしまう。上がったたり降りたりしながら,何者もの人に尋ねながらようやく到着する。
 チェックインの後,駅前で昼食を取り,タクシーで移動する。午後2時半から「最後の晩餐とミラノ巡り」のツアーに申し込んでいるのだ。何と,英語の出来ない親父が,アメリカのサイトの会社に申し込んだので,本等にとれているのか不安いっぱいであるが,いつもの「何とかなるだろう」という気持ちで集合場所に向かった。タクシーの運転手さんに集合場所の地図を見せて,乗せてってもらう。しかし,まだ誰も集合していない。本当に大丈夫なんだろうかと思いながら待っていると,徐々に集まってくる。しかし,ほとんどが外国人であるので,聞くに聞けない。ようやっと日本人とおぼしき人が一人現れ,妻が真っ先に「日本人ですか。」と尋ね話している。やはり妻も不安なのだろう。日本人に会って,ようやく一安心する。2時15分になると係の人が来て,対応してくれた。日本のインターネットのサイトでは無理だったのが,ようやっと『最後の晩餐』を見ることができるのだ。やはりあきらめないで,いろんな所にアクセスしたことが良かったのかもしれない。
 バスに乗ると,ガイドの話が聞こえるように,受話器を一人一人に渡された。そして,まず向かったのは『ミラノスカラ座』である。有名な作曲家や演奏家の肖像等が所狭しと並べられており,演奏会場も見ることができた。オペラ好きの人にはたまらない所であろう。
 次に向かったのは,『ヴットリア・エヌマーレ2世のガッレリア』,そしてバロック建築の傑作と言われ『ドゥーモ』である。ドゥーモ前の広場には,大勢の人がおり,幾本もの尖塔が天を突き刺すように伸びている。そして,広い講堂の中に入には鮮やかなステンドグラスが輝いていた。かつてここを訪れた人々は,外の形に感動し,中の美しい光景に魅ぜられ,信仰心を更に強めていったことであろう。
 そして,『サンタ・マリア・デッレ・グラッツィ教会』に向かった。ここは,レオナルド・ダ・ヴィンチの大傑作『最後の晩餐』がある所だ。ここは,1回につき人数限定(25人)の15分間の見学である。入り口で入場券をもらい,中に入る。何と,作品にたどり着くまでに,4つの扉をくぐり抜け無ければならない。教会の食堂にその絵はあった。中に入ると,皆緊張感が漂って降り,皆が黙って絵に見入っている。フレスコ画でなく,壁に油絵で描いてあるので幾分剥げているが,レオナルドの構図と色遣いの素晴らしさに,そして表情の巧みさに心を動かされる。15分が過ぎようとすると,入り口に物々しい警備の人と共に入ってきたのは,法王庁の方々であった。このことも記念すべき出来事であった。
 たった3時間程で,おまけに説明が英語でほとんど分からないツアーであったが,来て本当に良かったと思った。イタリア最後の日の良い思い出になった。
 ミラノ名物のサフラン風味のリゾットとミラノ風カツレツを妻と二人で食べながら,イタリア最後の夜の思い出を語り合った。
 いよいよ明日には,アルプスを越え,スイスに入る。3回の乗り換えがあるので,無事にツェルマットまでたどり着けるか,これまたワクワク,ドキドキの1日だ。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さらばイタリア (rammy)
2012-06-03 11:23:25
いよいよイタリアも終わり、今日はスイス入りですか。旅も残りわずかですね。
こちらでは昨日、みんなで焼肉に行き、いっぱい食べて楽しい晩餐でしたが、そちらは「最期の晩餐」見れて良かったね。
ワタシはスペインで「ゲルニカ」見れなかったのが今でも悔しいです。手前まで行ったのにな(泣)
ツェルマットではまたイタリアとは違う素晴らしい風景が見られることでしょう。リポート楽しみにしてます。
返信する