定年夫婦のイタリア・スイス旅日記

あこがれのローマ,ルネッサンス発祥の地フィレンツェ,そしてツェルマットへ

雑感1 「生かされなかった事前学習」

2012-06-14 10:58:00 | 日記
 ユーロスター・エクスプレスでローマからフィレンツェに移動する際の出来事。
自分たちの乗る列車がどのホームから出るのか確認したいと、少しもたもたしていると、若い娘さんが声を掛けてきた。夫が列車のチケットを見せると、さっとチケットを手に取り刻印機に差し入れ刻印をしてくれた。そこで、覚えたてのイタリア語で「グラッチェ」。更に7号車の51・52の席であることを確認し、私たちを先導し手招きをしながらずんずん行く。私たちも遅れまいとスーツケースをガラガラ引きながら彼女の後を追いかけ、やっと7号車にたどり着いた。そこで、再び「グラッチェ」。ここでさよならと思いきや、なんと列車に乗り込み更に先導し51・52の席まで着くとやおらかなり重いはずのスーツケースをひょいと荷物棚に上げてくれた。ありがたいのなんので私たち2人は米つきバッタのように何度も頭を下げ「グラッチェ・グラッチェ」。
 気持ちよくバイバイと思ったら、娘さんは、さっと手を出した。握手かなと思ったらそうではない。チップを要求される。夫が5ユーロ差し出すと、それでは足りないというようなことを言って帰ろうとしない。しかたなく夫が財布に手を掛けようとしたその時、相席の外国人のご婦人が、日本語で「もう十分ですよ。」と夫を制し、その後いろいろ言っている娘をいさめてくれた。娘は不満そうに列車を降りていった。
 いろいろやってもらっての5ユーロは、そう高くはなかったかなとも思えるが、しかし事前に「危険回避のマニュアル本」で(親切すぎる人には要注意!)と学んだはずなのに生かされなかった出来事だ。
 ところで、私たちを救ってくれたご婦人はというと偶然にも旦那さんが日本人の方だとか。そんな方と同席で、運がよかった。