アケボノソウ

離婚・相続など家事事件及び中小企業法務を得意とする、立川市のあけぼの綜合法律事務所のブログです。

貸金業法改正の効果

2011年11月10日 | 日記
金融庁の発表している貸金業関連資料のうち、業態別の貸付残高
を見ると、平成16年3月末には、46兆8040億円あった貸付残高が、
平成23年3月末には、26兆0745億円に減っています。


消費者向に限った貸付残高を見ると、平成18年3月末に、20兆900
5億円あった貸付残高が、平成23年3月末には、9兆5519億円に減
っています。


裁判所データブック2011によると、個人破産の件数は、平成18年から平成22
年にかけて、16万6339件、14万8524件、12万9883件、12万65
33件、12万1150件と少なくなっていました。


借金を苦に自殺する方もいますが、その人数の統計はないと思います。
そこで、警察庁統計資料「平成22年中における自殺の概要資料」に
よると、自殺者は、微減のように読み取れます。



これも、貸金業法の改正の効果ではないかと思いますが、なかなか根拠付
ける資料はないですね。



他方、上限金利を引き下げると景気が悪くなるという批判が、消費者金融
業者からなされました。確かに、景気が悪くなっていますね。減少した貸付
残高に相当する金額が消費者に回らなくなったのですから、景気が悪くなっ
たという主張がなされるかもしれません。しかし、借入は返済に回っていた
のだから、影響は少ないでしょう。
むしろ、リーマンショック、震災、ギリシャの影響の方が大きいのではない
でしょうか。

ただ、「月刊消費者信用」という雑誌の2011年1月号25頁に、大手消
費者金融(アコム、プロミス、アイフル)の2009年10月から2010
年9月までの過払金として返還した金額が紹介されています。
168億、200億、184億、173億、184億、179億、194億、
198億、202億、212億、220億、199億
1年間で合計2313億も利用者に返還されているということです。
一部は、弁護士・司法書士の費用になっているでしょうけど、これだけの金額
が利用者に返還されていれば、多くの利用者は、借入をする必要はないでしょ
うね。

以上のような資料から、貸金業法を改正してプラスの効果の方が大きかったの
ではないか、と思いたいですが、返還された過払金が大きすぎるため、本当の
効果は分からないでしょうね。




ブログ村のブログランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へにほんブログ村