アケボノソウ

離婚・相続など家事事件及び中小企業法務を得意とする、立川市のあけぼの綜合法律事務所のブログです。

養育費の強制執行

2010年06月29日 | 法曹事情
弁護士の鳥生です。

先週の金曜日の夜に、同期(同時期に司法修習を修了して弁護士になった仲間)
でやっている勉強会に出席しました。

今回のテーマは、「交通事故の損害に関する事例検討」と「養育費等の強制執行」。
「養育費等の強制執行」のテーマを、私が担当して発表しました。

養育費や婚姻期間中の生活費の支払を合意した後に、
きちんと支払をしてもらえないと、日々の生活に大きな支障がでます。
そのような場合の最後の手段が、強制執行です。
強制執行をするためには、
原則として、①履行期限が経過していることが必要で、
また、②給与等の差押をする場合には、支給額の4分の3の範囲は差押禁止と定められています。

しかし、養育費などは、毎月決まった金額を定期的に支払うという内容であることが多く、
不払いになってから何度も強制執行をしなければならないのは、
費用面でも手間の面でもとても大変です。
また、養育費などは、日々の生活の糧なので、
後から回収できてもまかないきれない場合があります。
このように、養育費等が債権者の生計の資として実効的に回収できるようにするとの理由から、
①’一部の不履行があれば、将来支払われるべき分も継続的に差押えができる
②’給与等差押えの場合の差押禁止の範囲は支給額の2分の1の範囲とする
という特例が定められています。

例外的な取り扱いであるために、
差押えの申立をするときの書類に独特の記載方法があることや、
支払の合意をする時点で不明確な合意をしてしまうと、強制執行ができなかったり、
強制執行自体はできても、上記の特例が適用にならなかったりする場合があり注意が必要であることなど、
豆知識的な周辺事項を中心に発表をしました。

特に養育費などは、長期間の支払になることが多く、
残念ながら、途中から不払いになってしまう例も少なくありません。
いざ、不払いになってしまったときに、
すぐに強制執行をできるようにするためには、
約束した内容を公正証書にしておくか、
離婚調停上で合意をして調停調書を作っておく必要があります。

私が受任をした場合、話し合いで一応の合意ができているときにも、
費用の面で安価な調停を申立てて、
1回の期日で調停を成立させて調停調書を作成してもらうという方法をとることがあります。


大事な約束事ですので、いざというときに慌てなくていいように、
一度専門家に相談をして、できるだけの準備をしておくと安心だと思います。

当事務所は、こういう‘ちょっと聞きたいこと’を気軽に相談にきてもらえる事務所を目指しています。
どうぞ、お気軽にご相談ください!

梅雨空

2010年06月27日 | 日記
この週末の東京は、雲がどっしりいすわって、
ときどき雨もぱらついて、
梅雨らしいお天気です。

洗濯物を外に干せないので、部屋の中に干してエアコンで除湿しているのですが、
私はエアコンが苦手なので、長袖を着て、靴下をはいてブログを更新しています。

春から始めたベランダ菜園も、
さっそく夏の収穫の時期が近づいています。
濃い緑色だったトマトの色が少しずつやわらいでいって、
すこーしずつ赤みを帯びていく様子をほっこりしながら観察しています。
キュウリはすでに食卓に。
こねぎ、にら、しそ、リーフレタスも、
脇役ですが、緑のものを添えるだけでなんだか料理のグレードが上がる気がして重宝しています。
今日は貝割れ大根の種まきをしました。

某新聞の記事によると、
家庭菜園は4割の人が1年でやめてしまうとか・・・
土の交換とか、たしかに大変だし、
水やりや追肥、芽かきなどなど、手間がかかる割に、
病気や虫にやられてしまったりと、
楽しいことばかりじゃないですね。

でも、ベランダ菜園を初めてみて、
水やりが楽しくて毎日たっぷり水をあげていたら、
苗が枯れてしまったり、湿気のせいか虫が大量発生したり・・・と失敗も経験して、
自分の都合(手間や楽しみ)を基準とするのではなくて、
植物を基準にして必要なお手入れをすることが大事だという
とても当たり前だけど大事なことに気がつかされました。
また、ネットで得た情報の限りの手段を尽くしても増え続けるアブラムシには、
「自然相手だと思うようにいかないことだってあるさ」、
と少し寛容な気持ちも芽生えてきて、
自分も一緒に耕されているのかなと、ふと思ったりもします。

なによりも、日々成長を感じる楽しさ、収穫したものを口にする楽しさ、
風に揺れる緑のカーテンの心地よさはなかなか侮れませんよ!
そろそろ秋の収穫の計画を立てないと・・・

今日は、休日モードの鳥生でした。

貸金業法改正について

2010年06月11日 | 法曹事情
鳥生です。

今月の18日から、改正貸金業法が完全施行になります。
この法律の改正自体は、平成18年12月に、国会で成立していたものですが、
完全施行目前になって、“国民への周知が不十分で混乱が広がっている”という内容の報道をよく目にします。

「これまで借り入れをしてやりくりをしていた借り手が生活に困窮する」
「もう破産しかないのか・・・」
そんな論調が多く、少し疑問を感じます。

そもそも、この貸金業法の改正は、
経済的に苦しい状態にある人が、多重債務の状態に陥ることを未然に防ぐために行われたものです。

消費者金融はこれまで、借り手の返済能力を十分に考慮することなく、貸付を行っていました。
苦しい中で少しずつ返済をしても、借りたお金にはいわゆるグレーゾーン金利という高い利息が付くため利息はふくらみ、
返済をするために、さらに少額の借り入れを繰り返すようになり、
どんどん借り入れの額がふくらんできてしまうのです。
返済に困って、やむなく他の業者からも繰り返し借り入れをして、そのお金で返済を続ける・・・それが多重債務の状態です。
これまでたくさんの多重債務の相談を受けてきましたが、
ほとんどが、日常的な生活費として借り入れたものが、上記の要領でどんどんふくらんでいった結果だったように感じました。

一方、業者は毎月きちんと返済を続けてるいると、
借り手に対してどんどん借り入れの勧誘をしては、借金額をふくらませていました。
一時は、返せなくなった債務者への熾烈な取り立てが大きく問題になったことも記憶に新しいことです。

消費者金融のこのようなビジネスモデルを根本から変えなければ、
多重債務の問題はなくならないとして、法律の改正に至ったはずです。

最近は、行政機関も多重債務相談を充実させ、
弁護士や司法書士も精力的に取り組んだことで、
多重債務者の数もかなり減少傾向にあるとのことです。
そのせいでしょうか、そもそもの改正の目的が若干薄れて、
逆の方向での、不安をあおるような報道がなされている気がします。
まあ、現状を大きく変えようとすれば、相応の揺り戻し(抵抗)があるのもやむを得ないのかもしれませんが。

これまで、本当に大変な中で返済を続けて、ぼろぼろになって相談にいらした方をたくさん見ているので、
この件については、ちょっと熱くなってしまいました。
改正法施行についての周知が急務なのは疑いようもないところですが、、
それとあわせて、借金問題の相談窓口や債務整理についての正しい知識(破産については本当に多くの誤解をしている方が多いのです。)の周知をもっとしないといけないと思います。

http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html

こんにちわ!あけぼの綜合法律事務所です。

2010年06月06日 | 日記
立川市曙町にあるあけぼの綜合法律事務所の弁護士鳥生尚美です。

「弁護士って、なんか相談しにくい・・・」

そんな不安を少しでも解消していただきたいと思って、
弁護士の日常を知っていただこうと、このブログを始めました。
どうぞよろしくお願いします!

さっそくですが、昨日は、委員会の活動で、
「女性の法律問題110番」という電話相談を行いました。
私は午前中の相談を担当しました。

電話での相談なので、通常の予約→面会の相談より少しは気軽にご利用いただけたのではないでしょうか。
相談の内容に限定はありませんでしたが、
離婚など男女関係に関する相談が大半を占めていました。

電話では資料なども確認できず、
また、相談をされている方の様子などもなかなか把握しづらいので、
基本的には一般的なアドバイスにとどまってしまいます。
それでも、「いままでどこに聞けばいいかわからなくて・・・。相談できてよかった。」といって電話を切っていただいたときには、
こちらも、とてもうれしいものです。

「どこに相談すればいいのか・・・」「こんなこと相談してもいいのかなぁ・・・」
そんな不安を、
「とりあえず、ここに相談してみようかな。」と思っていただけるような事務所作りをしていきたいと思っています。


第1号の担当は、鳥生でした。
今週末の東京はいいお天気でした。