アケボノソウ

離婚・相続など家事事件及び中小企業法務を得意とする、立川市のあけぼの綜合法律事務所のブログです。

最近受けた公正証書に関する相談

2012年03月30日 | 法曹事情
 作成された公正証書の合意内容を履行されないという相談を
受けることがしばしばありました。
 作成された合意内容を素直に読むと、Aと解釈されるが、背
景事情があり、その背景事情を前提に解釈すれば、Bと解釈さ
れるべきであり、Bのように履行されていない、という相談を
しばしば受けました。

 しかし、当事者の一方は、背景事情を前提に、合意したのか
もしれませんが、他方の当事者は、そのような事情があったと
しても、公正証書の文言に表示されていないから、背景事情を
考慮せずに、解釈すべきだと主張するだろうと思えます。

 結局、当事者の認識が合致していないのが、原因です。公称
人としては、当事者に公平に接しなければならない以上、一方
に、作成する公正証書の内容のリスクを説明することはできな
いでしょうから、公正証書を作成する前に、法律の専門家に相
談すべきです。
 すれば、作成しようとしている公正証書の文言内容に関する
リスクが分かり、作成内容を変えられただろうにと思うことが
多かったです。


ブログ村のブログランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へにほんブログ村

最高裁判所での判決言い渡し

2012年03月17日 | 日記
昨日は、最高裁判所に、判決の言渡しのために出頭してきました。

私が、平成20年の初めころに受任をした事件で、
「自分が買った畑に、登記をしていない間に抵当権を付けられてしまい、競売されている。」というものでした。
詳細をうかがい検討したところ、抵当権設定後に所有権の取得時効が成立していると思われ、それに伴い抵当権が消滅しているという主張で、
競売の停止を求める仮処分を申し立てて競売を止め、第三者異議訴訟と抵当権設定登記抹消登記手続請求の訴訟を提起しました。
1審、2審と当方の主張が認められましたが、上告されて最高裁に係属していたのです。

上告されてから約2年。
10日ほど前に、最高裁から「上告棄却」つまり、当方の主張が認められた高裁判決が維持されたという通知が来ました。
そして、判決言渡し期日の指定が同封されていました。
通常、判決の言渡しは判決主文を形式的に読み上げるだけなので、期日には出頭しないのですが、
最高裁での判決言渡し、それも勝訴判決の言渡しを受ける機会はもうないかもしれないと思って、
裁判所に出頭しました。

最高裁は、地裁とは全く違って、自由に構内に入ることができません。
指定された時間に、指定された入口に行って、事件・名前を伝え、
警備の方・裁判所事務官に引率されて、第2小法廷に入りました。
最高裁は外観だけでなく、中もさながら要塞といった雰囲気で、
空気が張り詰めていて、一気に緊張しました。
あちこちに裁判所の職員がいて、周囲をチェックしています。

法廷の中の当事者席は、普段行きなれた裁判所のように原告と被告が向き合う形ではなく、
双方が裁判官の方を向いて座るように配置されています。
最高裁は、下級審のように両当事者の主張を戦わせる場所ではなく、
裁判所の最終的判断を聞くための場所であるということが表れているように感じました。
椅子も、座ったまま前に引けないほどに重く、ちょっと机が遠いな、と思ったのですが、何度か引いても前に行かないのであきらめました。
意外にも、傍聴席に20人くらいの傍聴人がいたことがさらに緊張をあおりました。
「関係者?取材?」などとあわてたのですが、今思うと、きっと見学の方ではないかと思います。

会場に響くいい声で傍聴席への注意事項が読み上げられ、事件の読み上げでは出頭している私の名前まで読み上げられたのに驚いているうちに、
「本件上告を棄却する。本件の判決は以上です。」で、判決の言渡しはあっという間に終了しました。
判決書を受け取って法廷を後にし、裁判所を出るときは特に引率もなかったので、
順路に従って、重厚な内装を見回しながらゆっくり歩いて外に出ました。

裏門から入って、裏門から出てそのまま帰るんじゃあ、なんだか物足りないと思い、
最高裁の正面入り口まで回ってみることにしました。
すると、ちょうどそこを皇太子殿下が車で通られるという、予想外の出来事も加わり、
何とも思い出に残る一日になりました。

とにもかくにも、依頼者の畑が守れてよかったです。
鳥生でした。

第三者の視点

2012年03月16日 | 中小企業
中小企業に絡んだ事業譲渡等の組織再編に絡んだ
失敗例を、最近、いくつか見かけました。

いずれも、譲渡を受けた会社ですが、譲渡を受けた
事業・会社が当初の説明とおりではなかったため、
負債を背負ったり、債権回収に手間取ったりした
例です。

これらは、第三者、たとえば、顧問弁護士、顧問
税理士などが見れば、容易に指摘できたものだった
ように感じます。私が見た例は、いずれも、第三者
の目によるチェックがなかったようです。

事業譲渡では、譲渡する方が断然有利です。譲渡
する立場は、そお事業のことを良く知っているか
らです。それに対し、事業譲渡を受ける立場は、
デューデリジェンスをするとは言っても、一部し
か見れないので、ちゃんとリスクを見込んだ契約書
を作成すべきです。

是非、中小企業も、顧問弁護士、顧問税理士を持つ
べきと感じました。

ブログ村のブログランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へにほんブログ村