Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

楽家の系譜

2008年05月14日 00時40分51秒 | 美術館・博物館etc.
『楽家の系譜 歴代の名品』
楽美術館※6月15日(日)まで

既に1週間以上経ってしまったが、連休最終日に行った。
開館時刻の10時きっかりに入ったら、すでに下駄箱には草履がいっぱい。
なぜに???
と思ったら、特別観賞茶会の日だった。
展示室手前の休憩室のスペースが寄付のようになっていた。
床の間がわりの場所には会記があり、そちらも拝見できた。
(いずれ、茶会も参会してみたいものだ)

前回の展示(こちら)は干支の動物がテーマだったので、茶碗が少なかった。
それゆえに、初めて訪れた人は物足りなかったようだ。
(やはり、先入観として「楽焼=楽茶碗」という概念を持っている人は多いから)

その点、今回はまずはお茶碗ありき。
長次郎はもちろん、田中宗慶や本阿弥光悦も含めてオールスターキャスト。
2006年秋に三井記念美術館で「赤と黒の芸術」で目にしたものあり、再会を懐かしむようにして拝見した。
五代宗入と六代左入は赤楽。
3年前は黒楽の印象が強く残ったので、新鮮だった。
逆に、赤楽をよく見かけていた得入さんがやさしい黒楽の筒茶碗。
たしか、二十歳くらいの作だった。
才能に恵まれながらも夭折したのが惜しまれる。

歴代の作品の横に、略歴がさらりと紹介されているのがウレシイ。
楽茶碗によくある黒釉(かせ)を考案したのは五代宗入だと知り、意外な気がした。
六代左入は光悦やノンコウさんを参考にし、個性的な作風。
逆に七代長入には左入のような個性的な作風はない。
など、今まで自己の感覚で印象付けてきた歴代の作風の見分け方も改めて考え直し、修正を加える機会となった。

長次郎茶碗は「まきわら」が印象的。
形が利休さんの求めるレベルに限りなく近いような気がして。
「まきわら」を横からみるように光悦の「立峯」があり、両者は対極のように感じた。
また一番奥に当代吉左衛門さんの昨年12月に作られた赤楽があり、全体を包み込むようなオールを感じた。

他にも歴代の楽印が一同に展示されていたり、水指や香合の競演(?)があったり。
長次郎の獅子香炉もよかった。
今にも噛み付きそうな激しい獅子像とはまったく違って、大人しく飼いならされた感じ?

楽家の方々の茶器はあまり観たことがなかったが、今回は長入の棗、道入の内海を拝見することができた。

この春は楽家歴代の作品を鑑賞する機会がとても多かったように思う。
観れば観るほどに、いつも新しい発見があり、世界が広がるのが楽焼のよいところ。

 前々回の楽美術館はこちら
 前回の楽美術館はこちら

 最近見た歴代の作品展 その1 その2 
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