Akatsuki庵

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よみがえる正倉院宝物

2020年10月21日 09時56分18秒 | 茶道具以外の展覧会

御大典記念 特別展『よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技』 特設サイト
 松坂屋美術館(名古屋) ※11月23日(月・祝) ☆2022年にかけて各地巡回の予定

この春に奈良博で開催予定のところが新型コロナで延期、夏に開催されていた。
興味はあったけど、時間が取れず。そして、松本開催は中止されたらしい。
諦めていたら、思いがけず名古屋開催で行ける機会に恵まれた。
今年はモノホンの正倉院展も断念するので、ちょうどよかった。

再現模造展は25年前~1995年の秋~も奈良博で開催されて、この時は神戸からドライブして観に行ったっけ。

再現模造の取り組みは明治時代から脈々と続けられているので、こういうものを折に触れて公開してくれるのは有り難い。

特に裂地! 毎年の正倉院展には何度かは訪れて残欠という形で裂地は拝見するけれど、悲しいほどにボロボロで。
「ほー。これはこういう絵柄でこういう織り方がされていたのかぁ」と感動する。
さらに再現に際して用いた機(はた)も再現されている。機というか、組紐の機械。すっごく複雑。
私にはぜったいに使いこなせない。百はくだらないと思われる糸を複雑に移動させて見事な文様を作り出しながら織り上げていくなんて!

現代のようにコンピューターで緻密に設計図を引いたわけでもないのに、手と頭の勘所で仕上げていく奈良時代の職人のなんと優秀な手業!

あと材料。
毎年、皇后様(今は上皇后になられた美智子様)による日本なんとかという蚕の飼育。
テレビでちょいちょいと飼育している映像が流れているのを見たことはあったけど、
あれが正倉院宝物に再現に大きな役割を果たしておられるとは!
そもそも、日本固有の蚕で通常の蚕よりも2周りほど小さい。
よって、1つの繭からとれる生糸の量も少ないと思う。
だけど、通常の生糸より、より白く、よりふわっとした見た目。
古代の貴人はあーゆー生糸で織り上げられた布を身にまとっていたのねぇ。

さらには染料も。
なんとか茜という、これまた日本固有の品種だそうで、国内で自生しているところがかなり少なかったところ、
なんと!皇居の敷地内で僅かに自生しているのを上皇さまが見つけられて(たぶん、発見当時は天皇陛下)、
特別のお計らいによって、栽培されることになったとか。
そして、そこから収穫して、染料に使われたらしい。

そういう天皇家の助力もあって復元された裂地なので、すごい説得力があった。

他には螺鈿紫檀五弦琵琶。正倉院展でオリジナルを観たことはあるし、とてもよい保存状態ではあったけど
遜色のない再現ぶりにビックリ。この10年内に製作された由。

あと、紅牙ばちるはテレビ(日曜美術館)で再現している作業を見たことがあったので、「おぉ!」だった。

こういう貴重なものが鑑賞できるのはそう多くない。
次は25年後? いやいや、それまでに東京に巡回した時は再訪しよう。


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