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秋期特別展『楽歴代 ~桃山、令和 紡ぐ茶碗~』 ※12月20日(日)まで
1年ぶりの歴代展。
2~3年前までは夏場の展示といえば「楽って、なんだろう」だったんだけど、
代が代わったせいか、展覧会のラインナップも変わった。
ポスター(&チラシ)でも長次郎の獅子が使われていたが、
1階の第1展示室のセンターが獅子像だった。
4方向、つまり360℃すべての角度から鑑賞できたので、これはけっこう面白かった。
ついでに撮影OKだし。
今まで画像で観てきたものとは違う角度から眺めて「表情が変わる!」と喜んでパチリ。
そして、左側から順に田中宗慶、常慶、道入、と続いていく。
興味深かったのは六代左入の白楽茶碗「祇女」。
香炉釉。白い釉薬がかけられていて貫入も入っている。(前日の湯木美術館で観た瀬戸唐津と通じるものあり)
そして、フォルムは五代宗入の黒楽「亀毛」と似て腰がくぃっとしていた。
八代得入が珍しく(?)黒楽茶碗。「常盤」という銘があり、20代前半の作とのこと。
この年ごろでもう世界が確立しているのがすごい。それだけに夭折がおしい。
十代旦入も久しぶりに白楽茶碗「潮干」が、、、ん?リストには慶入となっている? へ?そうだっけ~ 確認せねばっ。
旦入作の利休像。すてき。
十二代弘入と妻・寿賀の合作による双鶴之絵赤楽茶碗「福禄寿」も優しくていい感じ。
これは表千家に納めたものらしく、平成15年に表千家から何かのお祝い(←説明書いてあったけど忘れた)に贈られたものとのこと。
十三代惺入(せいにゅう)さんは黒楽茶碗「若草」
四方形で黒い釉薬の腰の裾野あたり下から上に立ち上がるような白釉の波。
惺入さんらしい独特の釉薬のかけ方がいい。
第二展示室は今回もコロナ対策。
明るいとちょっと展示室が見えづらいのがつらいけど、致し方ない。
そのせいか、鑑賞したものは覚えてはいるんだけど、ものすごーく印象に残ったものはなかった。
(しいて言えば、長入さんの日蓮上人坐像くらい)
第三展示室は珍しいものから。
長次郎の赤楽茶碗「つつみ柿」。個人像だそう。もちろん、初見。
赤楽茶碗「白鷺」(今日庵所蔵)と同じく、初期の作品(と解説文に書いてあったと思う)。
色合いは白鷺と同じだけど、形がいわゆる「宗易形」。ちょっと戸惑う印象。
十五代直入さんの茶碗がやさしい透明釉薬の赤楽?
目録によると「皪釉(れきゆう)筒茶碗」。
直入さんの皪釉といえば「梨花」だけど、また別物かな?と思いつつ、鑑賞。
直入さんが惣吉だった頃の作品。
当代さんも2012年の惣吉造。早く、「吉左衛門」としての作品を観たいものだ。
最後は直入さんの焼貫黒楽筒茶碗。なんか、ホッとして1枚パチリ。
お手洗いのお花は竜胆。
今回の展覧会もどうにか訪れることが出来て、ヨカッタと思いながら、美術館を後にした。
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