さよならアスタリスク

とある精神病罹患者の雑記 
コンタクトakame_nao@mail.goo.ne.jp

桜貝

2006-06-16 20:19:33 | Weblog
桜貝の鳴る音や
ピキパキピキパキ
海岸を二人で歩く影法師
日傘は必要かいな
それとも猫の一匹でもどうさね
そうか、どちらも要らんかね
そりゃ勿体無いね

桜貝の鳴る音や
ピキパキピキパキ

嫉妬

2006-06-16 01:09:56 | Weblog
タンブラーを揺らしながら彼女は何かを考えているようだ。
そこへ突然店に男が入ってきた。
少し走ってきたが案の定間に合わなかった。。
待ち会わせ時間から10分ほど遅刻してバーに入ったのだ。
そして俺はカウンターに1人座っている彼女を確認して安堵した。
「遅れてごめん。」
彼女は何も云わなかった。
遅れてきた事を彼女は怒っているのだろうか。
「何にします」
ありきたりのピスタチオを小皿で出しながらバーテンが云う。
「俺はギネスもらえるかな。」
「あたしもブラッディー・メアリー(Bloody Mary)頂戴」
酔ってるな。
「彼女何時ごろここ来ました。」
俺はバーテンに聞く。
「開店と同時でしたから7時からですかね。」
たしか待ち合わせの時間は10時のはずだ。
絶対酔ってる。俺の背中に汗が浮かんだ。
今日は何のことで絡まれるんだろうか?
たった10分遅れた事だろうか?
その時彼女が僕の耳元で囁くように云った。
「犬は狼のネオテニー。人間は猿のネオテニー。」
幼形成熟の事だろうか?俺は意味が全然分からないふりをした。
この3時間の間でどんな奴が彼女に何を吹き込んだのだろうか。
宮部みゆきの[魔術はささやく]でも読みかじった奴だろうか。
その光景を思い浮かべると沸々と嫉妬心が湧き上がるのが感じられた。
俺はギネスだけ呑んで引き上げる事に決めた。
彼女がそれに従うならよし。
従わないのもそれでよし。
今の俺にはそんな幼稚な判断しか出来なかった。
しかしなんで彼女はそんな早く店にきたのだろうか?