特集 渓流編 私のスペシャル仕掛け
毛バリにも目印があったら・・・
という発想
菅 政幸
(『北の釣り』昭和61年2月号掲載)
私の毛ばり釣りは、いわゆるテンカラ釣りとは少々ニュアンスが違う。
仕掛け図からもわかるように、あえて言うならば、「チョウチン毛ばり釣り」である。
では、なぜ”目印付き”なのか?
釣り人の目に毛ばりが良く見えるから・・・ただそれだけである。
ついでに言えば、目印(AもBも)を付けることによって釣果にプラスになることはあっても、
マイナスになったことは一度もない。
さらにまた、
「なぜ餌釣りではなくて毛ばり釣りなのか?」
と聞かれるたびに、私はこう答えている。
「良く釣れるから」。
その理由をもう少し詳しく説明すると次のようになる。
①川虫などの餌をとるのが面倒臭い(腰も痛いし、餌を採取する分、確実に釣り時間が減る。
ブドウ虫は高いしミミズは臭い)。
②アタリがあったり魚を釣ったりした時、
いちいち餌を点検したり付け替えたりするのが面倒臭い
(一回の餌の付け替えを三十秒でやったとしても、一日六十回やれば三十分のムダになる)。
③餌釣りでおもりを使った場合、仕掛けがボサに引っかかったり、
ハリが根がかりしたりしやすい
(時間と労力のムダであるだけでなく、
そのポイントで釣れたはずの魚は一日の釣果から差し引かれる)。
④よほどの悪条件でない限り、餌で釣れる魚は毛バリでも釣れる。
(したがって①~③の様なロス時間のない毛バリ釣りの方が当然釣果が上がる)。
と、ここまで説明すると、相手よりも自分の方が良く納得する。
「あぁ、俺の釣りはただ魚がいっぱい釣りたいだけなんだナ・・・」
渓流魚に限らず、釣りは釣り方なんて人によってさまざまだし、
自分が一番いいと思う方法が、やっぱり一番いいのであって、
他人にとやかく言う必要もないし、言われる筋合いもないのである。
そこで私の仕掛けを解説してみる。
図解したのは一般の渓流における標準仕掛けで、
源流やボサ川などでは必要に応じて仕掛けをつめる(最短十五センチ)。
大川では三メートル以上にすることもあるが、
その場合は竿を三メートルくらいのものにする。
目印Bは、直径二ミリくらいの化学繊維糸の軽いものを可動式に釣り糸に結ぶ。
【目印のつけ方】
日輪印の補修糸(数色あるが黄緑色の者が良い)を結んで輪を作る(図1)。
輪を二重にして毛バリの首に巻く。
糸を引けば結び目が滑って移動し、張りの首を絞めつける(図2)。
端糸のミミを五ミリくらい残してはさみで切り、
接着剤で結び目を止めれば出来上がり(図3)。