それぞれの試練

高校入学おめでとう!

そう言われて笑顔で通い始めた高校で
待っていたのは予想外の大変さ。

仲の良い友達が別の高校へというのは
誰にでもあることですが、
新しい高校で新しい友達を見つけるというのは
結構大変なことなのだと
我が娘、ねーちゃんは感じていました。

同じ中学の友達がいないわけでもない。
でも、本当に心を割って話せる友達が
今の学校にはいないと彼女は言います。

あんなに欲しがっていたケータイ電話。
「やっぱ、いらんわ」
と、ねーちゃんから言い出しました。

理由はクラスメートのメールのやり取り。
メールの返事がない、遅いで
ぎすぎすした関係を見ているだけで疲れると。。。

そんな彼女が先日、
学校でちょっとした失敗をして
クラスの友達に笑われることがありました。

彼女はとてもショックを受けて、
しばらく学校に行来たくないと落ち込んでいました。

朝になると目をはらしながら、
それでも学校へ通った彼女を、
「お母さんがついているから大丈夫」
と見送りながら、
私も気が気でない日々を過ごしました。

友達っていったい何だろう?

改めて考えさせられた瞬間でした。

私自身、友達がたくさんいたわけでないし
友達作りが上手いわけでもない。

おとなしいといわれ、
影の薄い小学生だった私ですが、
その時々に気の合う仲間がいました。

中学生になった時には、
今までと違う環境でもっと自分を出していこう!
とどんな人にでも声をかける努力をしたけれど、
やっぱり気の合う人じゃないと続かないとわかりました。


そんな私だから、どちらかというと、
小学校時代からみんなに慕われている
ねーちゃんは「付き合い上手」で
うらやましいよなーとさえ思っていました。

でも彼女は彼女なりに周りに気を遣い、
明るく振舞っては友達の機嫌を取りながら
付き合ってきたのかも。。。

今頃になって本当の娘の姿に出会った気がして、
「私は彼女の何を見ていたのかな?」
と私は悔しく思いました。

でも、それは違うんですよね。

彼女も成長とともに変わってきているし、
小学校や中学校とは違う環境で
周囲にいる友達(クラスメート)も違うのですから。

彼女の通う絵画教室の先生と
彼女のことについて少し話をしました。

「お母さんも忙しいでしょうけれど、
　娘さんの言葉を聞いて受け止めてあげてください。
　『ああ、そうなの。大変だったね。』って、
　共感してあげてください。」

先生の言葉にハッと気づかされたことがありました。

自分の子どものことになると、
聞いてやったつもり、受け止めたつもりになっていて
そのくせ自分の意見を出してしまいがちな私。

娘が自分ではどうしようもなく話している時に、
こちらの考えを押し付けるのは
タブーと知っているのに。。。

反省、反省。

でも、これも私の弱さのせい。

だってねぇ、聞いてやって受け止めてたら、
私も一緒に泣いてしまいそうでしょ。

娘には、頼れる存在として
ちょっと強く見せたかったんだよね。

そのためには、笑い飛ばして
「そんなの気にすることないよ～!」
って明るくしている方がいいように思ってた。

私自身は時々そうやって
自分を励ましてきたから。
ポジティブ思考ってそういうことって
勝手に思っていたからね。

先生と話した後、
私はすこーし以前より子どもたちの言葉を
きちんと受け止める余裕が持てるようになりました。

そして、きょうだい同士でも
お互いの言葉のやり取りに気を付けるように
話をしています。

ねーちゃんは、学校の友達とは
まだまだ壁が大きいようですが、
自分なりに新境地を切り開こうとしています。

昨日も仲間に無視されたと
涙ながらに帰ってきました。

「別のグループの子と話したら
　気が合ったからよかった。」
そうつぶやくねーちゃん。

「それでいいよ。よくやっているよ。
　みんなあなたのこと悪く思っていないよ!」
と声をかけました。

家の中ではまだまだ
3人の口争いはやみませんが、
それも成長過程に必要なものと
たまには目をつぶり、
たまには喝を入れ。。。

そして、私は子どもたちの
成長を見守り、支えるべく
日々彼らのの言葉に耳を傾ける努力を誓います。

誓いを忘れることもあるけどね(てへっ）♪

家族の糸はそうやって
紡がれていくのじゃないかなぁ。