自家製天然酵母と子育て

実は、今私が大事にお世話をしているのは
以前に作ってみたレーズンの自家製酵母ではなく、
1月に偶然本屋で見つけた本で知った
「クイックヨーグルト酵母」なるものです。

本を買ってすぐの時は、
私自身よく見ていなかったので、
レーズンと、ヨーグルトの2種類の酵母のパンが
この本で作れるのだと思い込んでいました。

しかしよく見ると、レーズンの酵母をおこした後で
ヨーグルトと砂糖と水とレーズン酵母で
さらに強い酵母を作るというもので
それはそれはビックリしました！

でも、作ってみたら、楽しいこと楽しいこと！
何が楽しいって、酵母がぶくぶくと
本当に元気に泡だって来ること！
こんな風に目で活発に活動する姿が見れるのって
やっぱり自分が育ててるんだ～って気分になりますね。

あれから、もう丸4ヶ月が過ぎましたが、
はじめに起こしたレーズン酵母はまだまだ元気!
だいたい5ヶ月がめどだという事ですが、
私のように結構頻繁にパン作りをしていても、
ホントに減らないんですよ～このレーズン酵母!
クイックヨーグルト酵母になってからも1ヶ月は大丈夫。
粉を加えて元ダネにすると1週間は冷蔵庫で持ちます。
ってことで、イーストに比べるとコスト的にも安い!

でもねー皆さんにこう言って話しても、
なかなかピンと来ないと思うんですよ。
それ以前に「パン作りは面倒」って頭があるからね。
こねるのは疲れるし、失敗したらイヤ。
何事も経験なんですけどねー。

私が自家製天然酵母を作っていて
一番感じたことは、
酵母を育てるのって子育てと一緒だなーってこと。
レーズンとお水を温かい所に置いておくだけで
約3～6日でレーズン酵母が活発に活動を始めます。
でもそれまでの間、じっと待たないといけない。
まだかなーまだかなーって、
ビンを時々覗きながら活発になるまで待つんです。
1月に始めた時はやっぱり温度が低すぎて
結構時間が掛かかりました。

そうして出来たレーズン酵母から、
クイックヨーグルト酵母、元種と発酵を繰り返し、
実際にパン生地を発行させるところまで、
何度も手をかけることになります。
じーっと待つのと、必要な時に必要な手をかけてあげる。
そして最適の環境を整えてあげる。
思ったとおりのパンにならなくても、
焼きあがってでてきたパンを見ると
どのパンたちも可愛くて仕方がありません。

それは本当に子育てにも通じるものがあると思うのです。
育児では、「親が甘やかして早くに子どもに手をかけてしまわないで
自分で出来るところまで見守ってあげましょう」とよく言われます。
また、小さいうちに十分させてあげられなかったことは
少し大きくなった時に取り戻してあげたら良いとも聞きます。
パンの場合、１次発酵があまり進んでいないうちに次の作業に移ってしまったら、
２次発酵の時は少し長めにしてあげてしっかりと発酵させておきます。

子どもも酵母も世話をする側が、
手をかけ過ぎずにそれでいて状態をちゃんと把握しておく。
きっとパン作りや子育てだけじゃなくて
生き物(命)の世話するのは根本が一緒なんだなーって思います。

ただ美味しく食べれたらいいってだけじゃない
私なりのこだわりで自家天然酵母にたどり着いたけど
こうして酵母を作っていく中で、
もっともっと奥の深い、生きることに通じる「哲学」まで
教えられたように思いました。

これからもたくさんたくさん、
みんなに喜んでもらえるパン、
かわいいかわいいパンたちを作っていきたいなー。
そして子ども達と一緒に食べ物の命について考え、
パンの命を頂くことに感謝しながら
「おいしいね♪」って笑顔に出会いたいです。

今日Kidsくんは、
パンをこねる私を見て言いました。
「きっちゃんも、パン屋さんになる!」

にーちゃんの夢もパン屋さんになること。
ウチの子はみんなパンが好き。
「粗食のすすめ」ではパンは悪者扱いですが、
「ばっかり」にならないことに気を配れば、
ご飯と同じくらいパンが好きでもいいかなーと思います。

皆さんも、是非自家製天然酵母に
チャレンジしてみてくださいね!
絶対に愛着のわくパンが出来上がりますよ♪