今日は約1ヶ月前の5月29日の事を書きます。
私はこの日、日勤で朝、7時半過ぎに病棟に到着。パソコン

を開けると院内メール

を知らせるテロップが画面上に流れている。メールを見ると、前の病棟のK1さんから「Aimeiさん、Fさんが夜から具合悪いです。会いにきてください」との内容でした。Fさんというのは私が前の病棟で担当だった患者さんです(以前の小笠原から帰ったあとに、こっそり、おみやげを渡した患者さんです)。
病棟が変わってからも何度か会いに行って私が逆にFさんから元気をもらっていました。Fさんは1週間くらい前から具合がよくなくて、個室に移動していました。
個室に移動になった日、私は夜勤で、Fさんが気になって、夜中に電子カルテを開いたら移動になったと書いてあり、休憩時間の3時過ぎに、同じフロアである、前の病棟へ行き、同僚と少し話し、Fさんのお部屋をこっそり覗くと、Fさんはベッド上に座っていました。私の顔を見て「お部屋移ったのよ。なんだか眠れないなーと思ったらNさん(私の名字)の声が聞こえたからうれしくなっちゃった」と言われました。
背中をさすりながら、話を少ししました。Fさん「なんかね、今も朝なんだか夜なんだかわからなくなっちゃって、、、」。私「今は夜中ですよ。電気が消えてる時間は夜ですよ。朝になったらカーテンも開けますから。」と話すとFさん「そっか、今は消えてるものね、じゃあ、寝てみようかな」と。
私「朝、また伺いますね」と退室。
朝、夜勤明けでFさんのお部屋へ。私「眠れましたか?」Fさん「うーん、寝たのかな~」。
他愛もない話をし、私「勤務のときは顔出しますね」というと、Fさんから「Nさんが来るのを待ってしまうわー。顔を見るだけで安心なの」とうれしい言葉をかけていただきました

。
それからは勤務のときには勤務が始まるときか、終わったあとに必ず顔を出すようにしていました。
5月29日はK1さんのメールを見て、急いで行きました。お部屋に入ると後輩がそばに付き添っていました。「Fさん」と声をかけると、つらいはずなのに笑顔を見せてくれました。
背中をさするくらいしかできませんでした。その日はFさんが気になりながら仕事をしていました。
14時半位に、どうしても、喉が渇いて、休憩室に置いてあるドリンクを飲みに行こうとしたところFさんのお部屋の辺りに人の出入りが多い

。
もしかして、、、
Fさんのお部屋に行くと以前の上司から、「たった今だったよ。スーッと静かに、、、。家族も今日はまだ来てなくて、間に合わなかった、、、」。
Fさんはかなり長い期間、腸閉塞により鼻からチューブが入っていましたが、チューブがはずされ、穏やかな顔をされていました。
Fさんとは2005年の10月に出会い、約8ヶ月の関わりでした。
途中、12月~1月末は退院し、自宅療養されていました。外来に来たときはオシャレをして会いにきてくださいました。
いつも優しく、穏やかで、頑張りやさんで芯が強くて、家族思いで、素敵な女性でした

。大好きでした。
夕方、もう一度行くと、ご家族がいらしていました。娘さんに挨拶すると、「間に合わなかった・・・」と泣かれていました。
ご家族みなさんが、そこが心残りのようでした。そうですよね、、、。ショックですよね、、、

。
Fさんは本当にきれいに化粧もされていて穏やかな顔をされていました。
Fさんは家族の方に弱いところを見せないように今までやってきたように思います。だから、家族に最後の姿を見せたくないと思い、静かに逝ってしまったのでしょうか、、。
私も、最後の瞬間には立ち会えませんでしたが、あの時間に喉が渇いてドリンクを飲もうと思ったのはFさんが逝ったあとに呼びにきてくれたのかなーとも思ってしまいました。
Fさん、いつも元気をもらっていました。Fさんの笑顔は人を優しい気持ちにしてくれます。
Fさん、天国に行ったら苦しいことはなくのびのびと自分の時間をとってくださいね。今までありがとうございました