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透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 脱出劇

 「多様性をドイツの力に」 と難民・移民の受け入れ
に寛容さを見せる経済大国ドイツを目指して、ハンガリーの
南部、セルビアとの国境附近にある難民・移民の受け入れ
施設(難民キャンプ)から数百人の人々が脱走しました。

 彼ら(女性や幼い子どもを含む)シリアからの難民(question2)が
首都ブダペストに向かって高速道路をひたすら歩く様子が
ニュースなどで報じられましたが、
 
 難民たちは口々に「ドイツ、ドイツ」と叫び、車の進行
方向とは逆向きに歩みを進めています。

 こうした内戦が続くシリアから他国へ逃れた人々の数は
400万人を超え、過激派組織 IS(イスラム国)の台頭を
背景にして難民の数は増え続け、密航船で地中海を渡り、
欧州に流入する難民・移民が後を絶たないのが現状です。

 そんな中で、密航船の遭難も相次ぎ、先日、伝えられた
トルコの海岸に漂着したシリア人の男児の遺体の映像は
言い知れぬ悲しみと衝撃を全世界に発信しました。

 翻(ひるがえ)って、

 わが国を返りみた時に日本の現実はどうでしょうか
 
 一見するとシリアからの難民の行列と同じような絵柄に
見えてしまうのが、安保関連法案反対のデモ行進です。

 錯角してしまいそうなことはそれだけではありません

 わが国が自ら仕掛ける戦争という行為は、憲法
照らしても絶対にあり得ないことです。

 ならば、国会前で「戦争反対」を声高に訴える人々
は、誰に向かって、そして何に対して叫んでいるのでしょう。

 安保関連法案で戦争に巻き込まれるとの反対意見をよく
耳にしますが、「触らぬ神に祟りなし」でいれば、
火の粉は降ってこないとでも思っているのでしょうか

 戦争はどちらか一方の国が宣戦布告すれば、相手国の
事情や都合や意思には一切関係なく戦争に突入します。

 日本には「憲法9条があります」と声を嗄らして
説明しても空しいだけのあとの祭りです。

 国土を蹂躙され、自由を奪われ、従属服従を余儀
なくされるだけの始末です。

 かたちこそ違え、シリアから脱出する人々の行動は自由
安全平和を求めるものであり、それは「生存権」
行使に他ならないのです。


 現代社会をやや雑駁に捉えれば、大量生産、大量消費、
そして大量伝達の時代であると思いますが …

 その意味に限定して言えば、価値観の多様化がどれだけ
叫ばれようとも社会的構造としては一様であるわけで、

 一面においては、

 グローバル化というビッグ・ウェーブもそうした均一化する
社会が生み出した危険怪物のひとつであると言える
のかもしれません。

 そして、

 そうしたものには必ず反発対抗しようとする勢力が
一定数は存在するもので、そうした勢力の中で過激な思想
のもとに歪に組織され台頭したのがIS(イスラム国)である
とも言えるのです。

 現代世界の矛盾点は、西欧的民主主義を「善」とする
流儀で世界を均質化しようとする試みに対する抵抗勢力の
闘いが、「善と悪」「聖と邪」の戦いに転化されて
いることです。

 グローバル化とは、

 ある意味でかたちを変えた帝国主義現代的
スタイル(姿)であって、どれだけ時代が進もうと深層に
おいては帝国主義人種差別 もなくならないし、
ナショナリズム帰属性から生まれる偏見は、
むしろ差別を助長する方向へと我々を誘導する不都合を
内在しています。

 もっとも、IS自身がテロ聖戦としてグローバル化して
いることも事実であり、それはそれで憂慮すべき問題
でもあるのですが ・・・

 14世紀にイタリアで始まるルネサンスは、ギリシャ・ローマ
の精神性の復興や文化の再生に他ならないわけで、

 均質化する社会構造に対してギリシャ的な、或いはまた
ローマ的な多様性の復活を追い求めたエネルギーの源は
、キリスト教的価値観からの決別と開放と新生を意図する
パワーから生み出されたものであるとも考えられます。

 誤解を承知で換言すると、IS などのテロ組織の存在は
米国主導の「一極平和&一極秩序時代」
矛盾のなかから出現した鬼っ子のような産物で、

 それはヨーロッパにおける宗教がキリスト教の一極支配
の体制下にあって、政治面では後に本格化することになる
絶対王政への兆しを感じつつも絶対的権威を背景に権力
を行使する教会中心の社会構造に対し、ルネサンスという
運動で対峙したダ・ヴィンチの時代の猛者たちと大同小異
の構図を形成しているわけです。

 その手段や方法にみられる残虐性が許されざるもの
であるということは自明ですが、ブルジョア・ヒューマニズム
の欺瞞やプチブル的なデモクラシーの甘えの構造と怠惰な
意識に活を入れ、目を覚まさせる存在でもあるわけです。

 同時にそれは、米国の力が相対的に低下したことによる
歪みと捉えることもできますが、太平洋を挟んだ彼の国が
飛躍的な経済力と軍事力の増強・増大をもって、領土簒奪
の野心を燃やし、着々とその戦略を押し進めている事実に
危機感を共有できない日本人とは何なのだろうか

 自国の政府を疑って安全保障法制が頓挫するようなこと
にでもなれば、ほくそ笑むのはどこの誰でしょうか


 いやはや、前置きのつもりでいたものが、

 気がつくと、紙面の大半を費やしてしまっていますase2

 前回、東洋における「四神獣」『モナ・リザ』
隠された『黙示録』「四騎士」との関連性
ついて言及してみたいと書きましたが、

 そんな紙幅は望むべくもないので、その詳細については
次回として、今回は概略説明にとどめさせてください


 さて

 ライオンは勇猛さと王者の象徴で、バッファロー(雄牛)は
抗し難い力と荒くれる激情を想わせ、サル(人間)は狡猾さ
とエゴイズムを、鷲はその目の良さから先を見通すイメージ
とともに、それがハゲワシやハゲタカなら死骸を連想させる
ものとも結びつけられますが …



 そんな思い込みやこじつけなどはどうでもいいことで、



 『モナ・リザ』『ダ・ヴィンチの黙示録』
になっているということが重要なのです

 まず、

 「四騎士」の一番手はライオンに似た生き物に
「来なさい」と促がされて登場します。



 「そして、見ると、見よ、白い馬がいた。それに乗っている
 者は弓を持っていた。 そして、彼に冠が与えられ、彼は
 征服しに、また征服を完了するために出て行った」
            『黙示録 6:2』

 二番手は雄牛のような生き物に呼ばれて出て来ます。

      

 「すると、別の、火のような色の馬が出て来た。 そして、
 それに乗っている者には、人びとがむざんな殺し合いを
 するよう地から平和を取り去ることが許された。 そして
 大きな剣が彼に与えられた」
            『黙示録 6:4』

 腐敗し切った権力(聖職)者たちの首脳会議の場に爆弾
を仕掛けるようなテロ的なゲリラ行為や直接的な教会との
闘いを象徴するのが赤い馬騎士が持つ「剣」
権力との闘いを意味します。



 三番手は人間に似た顔の生き物に呼ばれます。

 「そして、見ると、見よ、黒い馬がいた。それに乗っている
 者は手にはかりを持っていた」
            『黙示録 6:5』

 の僕(しもべ)を装いながら、金と権力に溺れる教会
や修道士たちの搾取構造黒い馬騎士
正体で「秤」が金や食糧などの経済力を表わしています。



 第一、第二、第三に続いて、第四の封印が開かれると
飛ぶに似た生き物の「来なさい」という声が聞こえます。

 「そして、見ると、見よ、青ざめた馬がいた。それに乗って
 いる者には“死”という名があった。そして、ハデスが彼の
 すぐあとに従っていた」
            『黙示録 6:8』

 ここでは、単刀直入にその実体が“死”であると明確に
その名を記しています。しかもハデス(墓場)がそのあと
に従っていると言うのです。

 そうなるとシリアの難民でなくとも逃げ出したくなる衝動に
駆られるのは必定でしょう。

 ところで、白い馬騎士が何を指しているのかquestion2

 そして、青い馬騎士の正体についても割愛して
いますが、その説明にはそれ相応の紙幅が必要であると
いうことで何卒ご理解ください。

 次回以降での「四騎士」についての解説を予定して
いますが、これらの解釈はダ・ヴィンチにとってはどうでも
いいことであって、『ダ・ヴィンチの黙示録』
あるということにだけ留意しておいてください。

 上記の内容は、あくまで2号の勝手な詮索による余興
であり、彼の真意意図を代弁するものではないこと
を、改めて申し添えますが、ルネサンスの胎動が歴史上に
おいてエポックであったということだけは確かなことだと
言えるでしょうpeace

 天邪鬼(あまのじゃく)で食わせ者のダ・ヴィンチ
が、かたちを変えて隠匿する秘密の数々を解き
明かす快感と不可能に近い脱出エリアから逃走する
スリルとではどちらに軍配があがるのでしょうか
      
      

      「わしも生存権を行使して」

      

    「脱出ゲームに参加するのだ」

  脱出ゲームとは時宜を得ない不謹慎な発言です


 シリアの男児のような悲劇が現実の世界である生と死を
賭した脱出行にスリルなどという言葉は存在しません。

 あるのは、

 今を生きている実感と明日も生きたい
 という切実な思いだけなのです
nose3ase

 … to be continue !!
 

コメント一覧

小吉
 絵の中に四つの生き物がいる、ということは、黙示録に沿って、「世界の終わり」を示唆しているっていうことでしょうか?
 わかるようで、わからない(´-ω-`)
 
 ちなみに、「おいら」さんのコメントには同意します。
地球人Z
難民流出問題ですが、流出元のシリアの内戦を止めない限り、難民は増え続けるだけなのに、停戦や解決のメドがまったくたたないばかりか、ロシアはアサド政権への軍事支援を強化しているわけで、安保理がロシアに制裁を科そうにも、拒否権を行使されるので、結局は無意味となってしまう。
シリアだけでなく、イラクでもISの台頭で難民が出ているし、イラク戦争後に分裂してしまったこの国に対するアメリカの責任は重い。
大国のエゴが中東を混乱させているわけですが、今度は中国が北東から南西までのアジア地域を混乱させようとしているのが現実の問題で、それらを踏まえたうえで日本の安全保障を考えなくてはならないわけです。
むらさき納言
難民問題は難しく、まだまだ、亡くなったシリアの男児のような犠牲者の悲劇が絶えません。
胸が痛くなりますが、容易に解決できる問題ではないようです。
安保法案に関しては、うなずけるところもありますが、もし他国から攻撃されたら無抵抗でなされるがままでいるわけではありません。
個別的自衛権で自衛隊の反撃が開始されます。
これが集団的自衛権となると他国との戦闘に否応なく関わらざるを得なくなるということが問題なのではないでしょうか?
江戸川ドイル
ペテロらしきジイさんが、唐突に「脱出ゲーム」の話をする件には違和感がありますが、日本の現状を揶揄するものでしょう。
安保法制に限らず、TPPもそうですが、こじれればこじれるほど、かの国を利することになりますね。
おいら
難民問題ですけど、つくづく日本は島国で良かったと思うな。入国されると強制的に退去させるなんて不可能だもんな。
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