ダ・ヴィンチの罠 虹の輪

　「約束の虹」または「契約の虹」あるいは「ノアの虹」と

呼ばれるエピソードは『旧約聖書』でも比較的に有名な物語

のひとつです。

　　

　この虹は神が造った最初の虹 First Rainbow でした。

　
　　ノアの虹 windychapel.com　　　　　　ノアの大洪水と虹 note.com

　さて、　

　地上に人間が増え始め、地上に悪事が増し、常に悪いこと

ばかりを心に思い描くようになったのをごらんになった神は、

 

　「わたしは人間を創造したが、これを地上から拭い去ろう。

人間だけでなく動物も爬虫類も空の鳥も。わたしはこれらを

つくったことを後悔する。」

　しかし、ノアだけは神に忠実で、また神の好意を得ていた。

　これはノアの物語である。　

　ノアには三人の息子、セム、ハム、ヤペテがいた。

　神は不法に満ち、すべての肉なる者がこの地で堕落の道を
歩んでいるのをご覧になってノアに言われた。

「全ての肉なる者を終わらせる時が、わたしの前に来ている。
わたしは地もろとも彼らを滅ぼす。　わたしは地上に洪水を　
もたらし、命あるすべての生き物を天の下から滅ぼす。

あなたは箱舟を作りなさい。そして妻子や嫁たちと共に箱舟
に入りなさい。またすべての動物の中からそれぞれ雄と雌を
箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい」

　ノアはすべて神が命じたとおりに果たした。

　　　　　　　　　　　ノアの箱舟作り www.bible-jp.org

　ノアが六百歳のときに、洪水が地上に起こった。　ノアは

家族7人と動物たちを連れて箱舟に入った。 

　 　
 『ノアの箱舟に入る動物たち』 1570年（The Entry of the Animals into Noah's Ark）

　大雨が四十日間、昼も夜も止むことなく降り続いて、水は
四十日間止むことなく増え続け箱舟を押し上げ、箱舟は大地
を離れて浮んだ。

　地上の生き物は鳥も家畜も全てことごとく息絶え、ノアと

箱舟にいたものだけが残った。

　　　　　　　　　ノアの日の出来事 true-ark.com　

　百五十日を過ぎた頃、水は次第に減り始め、ノアの箱舟は

アララト山の上に着地した。

　　　　　　　　ノアの方舟（アララト山に漂着）worldclub.jp

　ノアが六百一歳の時、地上の水は完全に乾き、神はノアに

言われた。

　　　　　　　　ノアの方舟（箱舟）発見？ cherish-media.jp　　　　　　　　

　「さあ、あなたもあなたの妻も皆一緒に箱舟から出なさい。　

あなたと共に生き残った動物も一緒に連れ出し、地に群がり、

地上で子を産み、増えるようにしなさい。　わたしは、いま、

あなたたちと、そして後に続く子孫たちと、契約を立てる。

 

　わたしがあなたたちと契約を立てたのならば、二度と洪水

によって地の生き物を全て滅ぼすことは決してない」

 

 
　　　　ノアの方舟（箱舟） www.gibe-on.info

 

　さらに神は言われた、「あなたたち並びに共にいる全ての

生き物と、わたしが立てる約束のしるしはこれである。

　すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。

　これはわたしと大地の間に立てた約束のしるしとなる。

　わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、その中に虹が現れる

と、わたしはそれを見て全ての生き物との間に立てた永遠の
契約を心にとめる」

　こうして神は、

〝最初の虹〟をつくられ、約束を契りになりました。

　　　　　　　　　　ノアのとの約束の虹 www.bible-jp.org

　箱舟から出たノアと息子たちは子を増やし、その子孫は

 全世界に広がった。　

 

　ノアは、洪水の後も、三百五十年生き、齢九百五十歳で

その生涯を終えた。

　　　　（『創世記』6章～９章の抜粋と要約）　

　その際に結ばれた「契約」のしるしが、「約束の虹」

または「契約の虹」あるいは、「ノアの虹」と
呼ばれるものなのです。

　　　　　　　　出典：blog.goo.ne.jp　

　ところで、現存する人類は、すべて、

　ノアの三人の息子であるセム、ハム、ヤペテの子孫の

はずですが、日本人はどの系統に属するのでしょうか？

 

　　　　　
　　　セム・ハム・ヤペテ sunriseministry.com

　一説によれば、

　黄色人種はセム系に属するようですが、どうも日本人

はセム、ハム、ヤペテの系譜からは逸脱した存在である

ように感じられてなりません。

　

　というのも、「契約」というシステムそのものが我々

の肌に合わないと言うか、むしろ本質的な意味合いから

も性に合わないわけで、日本人には生来的に馴染めない

ものに思えてならないのです。　

 

　こうした唯一絶対的な神による大袈裟なる契約の証し

にパフォーマンスやフェイクにつながる欺瞞性を感じて

しまうのは、ひねくれた性格ゆえのことでしょうか？

 

　そもそも、

 

　「契約のしるし」として仰々しくも大空に架け渡すか

のように虹を描くなどは、偽善の最たるものです。

 

　ルールは破るために作られ、規則は破るために存在し、

約束は破るために結ばれる。

 

　それが、世界の標準です。

 

　とにかく、「約束とは、破るためにある」と言われる

が如くに、国家間における各種条約の不履行や諸規則の

放棄、あるいはルール破りといった行為が日常茶飯事に

伝えられる国際社会の中で、我々、日本人はあきらかに

異質な存在です。

 

　約束事は頑なに果たそうとして、努力を惜しまないし、

ルールや掟を無視しようとする者には一丸となって糾弾

するか、暗黙の了解のもとに村八分やのけ者にします。

　　　 　
　　　　　　　 出典元：ameblo.jp

　日本人は真面目で協調性に富んでいますが、それゆえ
に他人と違った行動をとることが容認されず、その場の
空気で人々を縛りつける同調圧力が威力を発揮します。

　

　　　　　　　　　　　　イメージ gimon-sukkiri.jp

　一方で、こうした社会は、窮屈で息苦しいばかりでは
なく、その場の空気を読めない人間は変人扱いのうえに
嫌われて、のけ者にされ、果ては、精神の病に侵された
障害者とされることも少なくないのです。

　

　　　　　　　　　　　　イメージ gimon-sukkiri.jp

 

　　社会通念上、常識の範囲にある決め事、たとえば、

　　 　

　時間やルールで拘束するならまだしもその場の雰囲気
や流れに乗れない人間を排除・排斥するような精神構造
が「自粛警察」を生みだし、村八分的な行動を誘発して
独自の規制や制限を設けてしまうのが〝コロナ〟渦中に
起こった日本人の欠点としての醜い出来事でした。　

　ただし、それを、いい意味でフォローするとすれば、

「現場力」が強いと言う長所にはなるのですが ・・・

　　　 
　　５Ｓ（整理・整頓・清掃・清潔・躾）kaizen-base.com　　　

　　　
　　　　 画像元： pictogram-free.com

　ちなみに、

　「約束は破るためにある」とは、スターリンの言葉の

ようですが、正確にいうと「条約は破るためにする」と

言ったのだそうです。

　かつて、

　かのスターリンは「条約は破るためにする」と言って
「日ソ中立条約」を破り、ヒトラーは「独ソ不可侵条約」

を突然無視し、当時の日本外相に「欧州情勢は複雑怪奇」

と言わしめたわけですが、　

　あれは民族の性格からくるのか？ 思想からの行為か？

　小生には判断がつきませんが、

　　　　　　　　

「約束は守るためにある」とする漢民族の儒教の「礼」

に沿った精神や諸々の我ら東洋の精神性から鑑みると、

こうした西洋社会の思考感覚はよくわかりません？

　これらを精神の問題として捉えると、正直、曖昧なる

ものになってしまう気がします。

　たとえば、仮に、

　日本人の精神性として〝大和魂〟を挙げたとしても、

現代の我々には、どこかしっくりとはきませんし、有名
な〝武士道〟にしても、それは同じでしょう。

　ですが、

　外国人が日本人を見る場合に、〝大和魂〟や〝武士道〟

というレッテルは日本人を理解するうえでは一定の役割
を果たしているわけで、民族性という問題を考える場合

にはこうした曖昧性がそれなりにものをいうわけです。

 

　東洋的なる精神と言っても、日本、中国、韓国などの

北東アジアの国とフィリピン、タイ、マレーシアなどの

東南アジアやインド、パキスタン、バングラデシュでは、

それぞれに異なるし、中央アジア諸国も含めて多種多様
なる民族性を各々が有しています。

　然は然りながら、

　長い歴史を通じて、昇華・結晶化したかたちとしての

民族性や東洋精神なるものは確かに存在するわけです。

　それは、

　仏教観や儒教観や道教的思想だったり、インド哲学と

いった思考的な思索や精神性にあって、そこにある種の

傾向と収斂された統一性や類似性が見られるようになる

わけです。　

　蛇足ながら言えば、

　儒教は「社会秩序」において、あるべき人の道を模索
する教えであり、道教は「自然」を尊重しながら、現世

での幸福を希求する考え方です。　

　これに対し、 仏教は思い切って現世を否定し、転生の
輪廻（りんね）からの脱却＝完全なる消滅を目指します。

　三者は三様に異なりながらも、奥底で繋（つな）がり、

宗教的なごちゃ混ぜ状態を構築しているのです。

　そこで、ロシア文学を代表する文豪ドストエフスキー
と比較してみると、

　ドストエフスキーは「母なるロシアの大地」を民族性

の根源と捉えているようです。

　精神性としてではなく、混沌としたロシア人のいのち
の源泉（みなもと）として観ているわけです。

　目的のためなら裏切りも殺人も、まるで厭わない執拗
なプレデター・タイプの北極熊のようなロシアの特性と

ともに、そうした大地が育み開花させた素晴らしい徳性
をも、同時に描いているように感じるのです。

　総じて言えば、

　どこか日本人気質とも相通ずるところがあって、特に　
大地に根ざした民族性は似て非なるものでしょうか？

　さて、

　『ルカの福音書』には、このように書かれています。　

　
 　　　　　　　　　　「新しい契約」 www.bibleinfo.com

　　「またパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに
　与えて言われた、『これは、あなたがたのために与える
　わたしのからだである。　わたしを記念するため、この
　ように行いなさい』食事ののち、杯も同じ様にして言わ
　れた、『この杯は、あなたがたのために流すわたしの血
　で立てられる新しい契約である』」　　

　　　　　　（ルカの福音書22章19‐20節）

　そして、同じ内容がパウロによって引用されます。

　食事の後、杯も同じようにして言われた、「この杯は
わたしの血による新しい契約です。　これを飲むたびに
わたしの記念として、これを行いなさい」

　　（コリントの信徒への手紙「１」11章25節）

　見ても聞いてもいないのに、いかにもイエスが言った
言葉として「主である神の子の思い」を書き残している
わけで、聖餐式というかたちで、記念として残すように
イエスはあらかじめ、十字架上での死の意味を弟子たち
に説明していたとパウロは主張するのです。

　また、

　　　
　　　『マタイの福音書』www.paulus.jp

　『マタイの福音書』では、こう書かれています。

　「これは、罪のゆるしを得させるようにと、多くの人
のために流すわたしの契約の血である。」

　　　　　　（マタイの福音書26章28節） 

　さらに、

　「これは、多くの人のために流されるわたしの契約の
血である 」　　　（マルコの福音書14章24節）

　　　　　　　　 聖餐式の制定 （過ぎ越しの食事）tomoshibi.or.jp

　実に、

「契約」、「契約」、「契約」のオンパレードですが、

　これをもって、

　イエスが十字架上で死んだ時に、「古い契約」が終了
して、「新しい契約」が発効したというわけです。

　エレミヤは、その31章31節において「新しい契約」に

ついて語りました。

　「主は言われる、見よ、わたしがイスラエルの家
　　　　とユダの家とに新しい契約を立てる日が来る」

　　　　　　　（エレミヤ書31章31節）

　預言者エレミヤは、新しい契約について予告しました。

　その契約はこうです。「わたしはわたしの律法を彼ら
の中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼ら
の神となり、彼らはわたしの民となる」

　　　　　　　（エレミヤ書31章33節）　　　　

　さらに、マタイは、　　　

　イエス・キリストは「モーセの律法」を成就するため
に来られました。　　（マタイの福音書 5章17節）　

 

　そして、神とその民との間に新しい契約を結ぶために
古い契約は石の板に書かれていましたが、新しい契約は

私たちの心の中に記されているとし、新しい契約に入る

にはイエスに信仰を置くことで可能になるとしたのです。

　そうしておいて、

　
　　洗礼者ヨハネと神の子羊 antiquesanastasia.com　

　その翌日、ヨハネは、自分の方へイエスが来られるの

を見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。

　　　　　（ヨハネの福音書 1章29節）

　「イエス・キリストは、ご自分の血を流して世の罪を

取り除いて下さいました」と歯の浮くような美辞麗句を

並べ立てるのです。

　　　　
　　　　 「神の子羊」web.kyoto-inet.or.jp

　新しい契約は、もとはイスラエルに与えられたもので

祝福と多産、約束の地（カナン）での平和な生活などの

約束が含まれていましたが、キリストの復活後、異邦人 

も新しい契約の祝福を受けられることになります

　（使徒行伝10章、エペソ人への手紙 2章13-14節）　

　
　　　　『ローマ人への手紙』www.paulus.jp

　私たちはもう律法の下にいるのではなく、恵みの下に
います。　　（ローマ人への手紙 6章14-15節）

　要するに、

　「新しい契約」とは、人類の神への反逆に対する最上

の解決方法だと言っているわけです。

　「新しい契約は、イエス･キリストの死をとおして来ます。
　新しい契約は、キリストをとおして、わたしたちが直接
　神に行くことが出来るという意味です。
　ただ新しい契約を通じてのみ、罪のゆるしがあります」　　

　「それだから、キリストは新しい契約の仲保者なのである。
　それは彼が初めの契約のもとで犯した罪過を贖うために
　死なれた結果、召された者たちが、約束された永遠の国
　を受け継ぐためにほかならない」

　　　　　　（へブル人への手紙 9章15節)

　こうして、

　イエスを信じる者にはだれにでも、神の子となる資格が
与えられました。　　（ヨハネ福音書 1章12節）

　　　「今日、私たちもその恵みに与ったのです」

　まさに、

「あなたのもとに、国々は地の果てから来て言う」という

御言葉が、ここに成就しているのだそうですが、ここでは

「契約」になり替わって、「イエス・キリスト」の大合唱
の様相を見せています！

  
　　　　　イエスの真実　　　　　　　　　出典：www.jizai.org　　　　

　■ はてさて、前々回の「丸い虹」での反復ですが、　

　神の計画どおりに事が運んでいれば、洗礼者ヨハネ
が救世主（メシア）になっていたでしょう。

　その場合にも、神とのあいだに「新たなる契約」を
結ぶことがあったのかもしれませんが、

　そのときに彼は、メルキゼデクの系統に従う大祭司

となって、イスラエル（ユダヤ）の民に安寧を与えて

いたと思われます。

　そうなれば、20世紀の悲惨な戦争も現在のロシアと
ウクライナやパレスチナ（ガザ）での惨劇も起こって
いない世界になっていたかもしれません。 

　しかし、現実は違います！

　だからこそ、

　終わりの時代にメルキゼデクの系統に従った大祭司が、
その証しである過越祭りの〝パンとぶどう酒〟を携えて
再びこの世に現れられなければならないとダ・ヴィンチ　
は声を大にして言うのです。

　その際に結ばれる「新しい契約」のしるしは、

　ノアの時代に神が証しとされた「約束の虹」に倣った

　　　　　　出典：blog.goo.ne.jp　

　真ん丸の「虹の輪」が白昼の空に見られるかも

しれません！ （虹は偽善って言ってなかったっけ？）

 

　　　　　　　　　　丸い契約の虹の輪 wakuwakushincha.jp　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　真ん丸の虹 bible-seisho.net

　人間は誰かを見捨てたらそれで終わりですが、神は
そうではありません。

　神は、我々が悔い改め、立ち返るなら、集め、連れ

戻し、回復させ、再び栄えさせてくださるのです。

　さらに、

　神は、あなたを迫害したあなたの敵や、あなたの仇
に、すべての呪いを下される と約束されていますが、

　 　　　　（ええ !!）

　って、「汝の敵を愛せよ」じゃなかったの？

　

「右の頬をぶたれたら、左の頬を出すんでしょ」

　　　

　「憐れんではならない、命には命を、」
　　

　「目には目を、歯には歯を、手には手を、　
足には足をもって償わせなければならない」

　

　　「申命記ではそう言っとるがのぅ！？」
　　　

 　　「あなたがたも聞いているとおり、

　

『目には目を、歯には歯を』と命じられている」

　

　しかし、わたしは言っておく。

 

　　 「悪人に手向かってはならない」

　　　
　　「誰かがあなたの右の頬を打つなら、
　左の頬も向けなさい」（マタイの福音書）

　　 ・・・ って、おいおい、　

　　あーァ、聖書の矛盾や欺瞞がドンドンと、

　
　　バレてやんの！　　　　　　 う～む  (^▽^;)(^^ゞ　

「弱い者ほど相手を許すことができない。

　　　　　　許すということは、強さの証だ。
　　『目には目を』という考え方では、
　　　　世界中の目をつぶしてしまうことになる」

　　　　　（マハトマ・ガンジーの言葉）　　　　

　　たしかに、

　　
　　　　 「そうかもな！？」

　えっ、  

　　　　　そ、そっち なの？　どっちなの？

　　　　　 　　　　　画像元： domani.shogakukan.co.jp

　　　　　　　　　　なんでやねん！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　 ダ・ヴィンチの推理はまだまだ続きます。

　
　　　　　　　　　　　　　虹の輪 weathernews.jp

 

　　　　　　　　　　　　　画像元：e-kantei.net

　えっ、太陽なの月なの？「虹の輪」じゃないよね？

　　… to be continued !!