透明人間たちのひとりごと

エセ日本人の愛国心

 時として、嘘であって欲しいと願わずにはいられないほど
に、残忍で残酷で悲惨で非情な真実があるということ …

 そうした真実の延長上に、嘘で塗り固めないと耐え難い
ほどに悲しい愛国心もあるのです。

 こうした言説をもって語られると、戦後教育に染められた
日本人は旧日本軍が犯したとされる戦争犯罪の罪深さに
自らの口を噤(つぐ)まざるを得なくなってしまうのです。

 それが、歴史的な事実であれ、捏造された真実もどきの
虚構であったとしても …

 「愛国心」 の源は、誇るべき歴史を受け継いでいる
という自覚にありますから、歴史教育は極めて重要です。

 そうした観点からみると、中国や韓国の歴史教育は日本
と比べて「愛国心」を醸成するべく作られています。

 歴史を紐解くと、中国(清国)はアヘン戦争以来欧米列強
に侵略され、主要な港は租界になり、鉄道の敷設権や鉱山
その他の開発権を奪われて伸吟していました。

 韓国はずっと中国(明や清)の属国であり、独立をすべく
行動を起こすと徹底的に弾圧されてきた経緯があります。

 今でこそ両国は大国あるいは先進国家として発展しつつ
ありますが、第2次大戦の後に漸(ようや)くにして完全なる
独立国となったというのが歴史の真実です。

 その意味からは近代独立国家としての中国・韓国の歴史
は、1945年から始まったといえるわけです。

 従って、彼らの歴史教科書には、侵略した日本軍が如何
にして自国民を弾圧し謀略と暴行の限りを尽くしたのかを、
あることないこと細大漏らさず、これでもかと事細かに記述
したうえで、そうした極悪非道な日本軍に抵抗し、ついには
追い払って素晴らしい国家を建設した我らは世界に冠たる
民族であると教えているわけです。

 そこには虚実入り乱れた事象をもとに事実と誤認される
事件の数々を捏造したとしても許されるべき免罪符がある
と彼らは思っているのです。

 それは我田引水であろうとも、日本軍を一掃して完全なる
独立を果たした当時の政府の後継者たる現政府の正当性
がそれを裏打ちしているというわけなのです。

 憎むべきは侵略国家だとすれば、酷い侵略を繰り返した
イギリス、フランス、ロシアなども中国人民の憎悪の対象と
なるはずなのですが、日本をおいてほかは彼らの憎しみの
対象とはなり得ないような現実は何故なのか

 不幸なことに日本が彼らにとっての最後の侵略者であり、
日帝こそが倒すべき最大にして最悪の敵であるという物語
を紡ぐ必要性が往時も、そして現在の政権の維持にとって
も必要不可欠の要素だからにほかなりません。

 翻(ひるがえ)って、我が国を顧みるとすれば、この国を
真の独立国と呼ぶには到底にして及びもつかず、未だに
占領体制が続いているような、そうした傀儡性や従属性が
垣間見えるのです。

 そこには エセ日本人による日本人もどき
「愛国心」 が、それらを隠蔽し節操を失わせる元凶と
なっているわけなのですが …

 ところで、これが、妥当な例であるとは言えないかも
しれませんが … 

 ダボス会議で知られるスイスのシンクタンク、世界経済
フォーラムは先日、2013年版の「男女格差報告」
を発表、日本は調査対象136カ国中の105位で、前年より
順位を4つ下げました。

 昨年もこの時期に『世界のモノサシ』という記事
のなかで2012年版の結果をアップしましたが …

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/278.html(参照)

 2012年版では調査対象135カ国のなかで101位で前年より
3つ順位を落していました。

 これで順位低下は3年連続となり、一昨年の98位の前が
何位であったのかは知りませんが、先進国のなかで最低
水準の更新がここ数年続いているわけです。

 この 「男女格差報告」 は世界各国の女性の地位を経済、
教育、政治、健康の4分野で分析し、数値化しているそうで、
女性議員の数がさらに減ったことが順位低下の最大要因で
あり、決定打となっているようなのですが、一体、何をもって
して平等というのか、また何をもって格差と規定するのかが
いまひとつピンときません。

 女性の社会進出に対する願望は一律ではなく、その国の
のもつ属性(文化・伝統・風土・習慣)によって違ってきます。

 そこで、『国家の品格』 の著者である藤原正彦氏
の定義する「祖国愛」 right パトリオティズムとは
自国の文化、伝統、情緒、自然をこよなく愛すること」 で
あるという前提に立って考察をすると、その国のもつ属性が
「祖国愛」「愛国心」と密接に関係してくることが
わかります。

 たとえば

 女性議員や女性管理職者が少ないという問題にしても、
日本の女性たちが本気で政治家や企業の幹部になりたい
と考えているのであれば、その願望に対する障害があろう
とも、それを乗り越えるだけのバイタリティを発揮してこそ
掴めるポストであって、そのための努力研鑽を積んでいる
のかといえば、決してそういうふうには見えないし、そこに
打ち破れないほどの大きな障壁が立ち塞がっているとも
思えません。

 このことは先の 『世界のモノサシ』 に詳しいので
そちらを参考にしてみてください。

 つまり、ある意味においては、「ジェンダーギャップ」とは
日本の文化、伝統であって、そこに情緒や自然が織り合う
ことで男女間の異なる文化形成がなされるわけで …

 「しきたり」・「ならわし」・「風習」 といった生活習慣の中に
それらが息づいているということなのです。

 ですから、たとえ、牽強付会だと言われようと男女の格差
(性差区別)はあってしかるべきで、世界経済フォーラムの
男女格差報告」の順位下降はまったく意に介しません。

 人によってはこうした考えをもつ人間に対して日本の順位
上昇を望まない時代遅れの発想で「愛国心」の欠片も
ないというかもしれませんが、自国の文化伝統を旧態依然
とした古い因習だとして蔑み、なんでもかんでもグローバル
な世界基準だとか欧米のスタンダードに合わせようとする
人々のほうがよっぽど非国民的であって 「愛国心」
名を借りたエセ日本人だと申し上げたいのです

 さらに言えば、いかにも進歩的(欧米リベラル)でモダンな
「進歩史観」に傾倒したジェンダーフリー論者の中にも
往々にして日本人もどきの輩がいないでもありません

 「日本の文化伝統を守る」 と言うと保守的で
アンチ・ジェンフリだと指摘されそうですが、ジェンダーフリー
を否定するのではなくケース・バイ・ケースだということです。

 祖国を愛するベースにある 「文化・伝統」 こそが
イデオロギーの出発点(原点)であって、いまもなお、論争
や闘争の主戦場ですが、こうしたうわべだけの順位に気を
揉み、真の愛国心(文化・伝統)を解さないのだとしたなら

 それを 「エセ日本人の愛国心」 だと呼んでも
一向に差し支えないでしょう。
 

 前回の 『愛国心と日本人』 の記事で1号 さん
「愛国心」 には ナショナリズムパトリオティズム
という二つの異なる感情の存在を藤原正彦氏の言質として
紹介していましたが、それを 2号 なりにイメージすれば、

    up_slow パトリオティズム=祖国愛=郷土愛=健全=善
「愛国心」
    down_slow ナショナリズム=民族主義=国粋的=偏狭=悪

 … ということになります。

 ただ自分自身を振り返れば、多分にナショナリスティック
な面もあるし、郷土愛も人一倍強いと感じることもあります。

 要は、バランスの問題や割合によるのでしょうが、ひとつ
だけ確かなことがあります。

 それは誇るべき歴史を正しく受け継いでいないと本当の
意味での「愛国心」は生まれ育たないということです。

 中韓両国の歴史教育には、時として真実であって欲しい
と願わずにはいられないほどに悲しくも醜いばかりの嘘が
列挙されているにしても、自国を誇るべき カリキュラム
プログラム は見事に構成されています。

 半面で日本は、時としてウソであって欲しいと願わずには
いられないほどに悲しいばかりの嘘で塗り固められた耐え
難い捏造を事実として学びます。

 このままでは日本人としての「愛国心」は、
「エセ日本人の愛国心」 としてのみ腐った果実
を原料に、醜く醸成されていくだけなのかもしれません。

 正しい歴史教育がなされなければ 「真の愛国心」
は芽生えることなく育ちもしないでしょう。


 現代を生きる日本人にとって、戦後に失われてしまった
歴史を取り戻すことができて、初めて「日本flag1
取り戻すための第一歩がスタートするのです

 日本を取り戻すべく頑張りましょう peace

コメント一覧

若き特攻隊員
「ぷちナショ」は精神科医の香山リカが提唱した概念で、一言で表現すれば「ニッポン、チャチャチャ」がピッタリかも…
ぷちナショナリズムには明るく、屈託がなく、軽いノリが必須です。
透明人間2号
難しい問題ですが、おいらさんの疑問はもっともです。
この場合の「正しい」とは歴史的事象としての事実関係を指します。
歴史上の事実はひとつでも歴史の真実はひとつではありません。
ココナンさんの言うような都合よく解釈された歴史もそうですが、誰がどのような視点や観点で事実関係や出来事を解釈するかによって歴史は大きく変わってきます。
ですから、ここで言いたかったことは、歴史の「正しさ」ではなくて、「正しい歴史教育」の在り方です。
ひとことで言えば「本当の」=「起こった出来事をありのままに伝えるということから始めましょう」という意味です。
ココナン
何かの本からのうろ覚えだけど、皮肉のアッコちゃんタイプを一時的な「プチナショナリスト」って呼ぶらしいですよ!
それと、基本的に正しい歴史なんて存在しません。
あるのは都合よく解釈された歴史だけです。
おいら
光も影もある長年にわたる歴史の中で何を教えるのが、正しい歴史教育になるのだろう。ほとんどの国は光を中心に教えてるのだけど、これはどうなのかな?
皮肉のアッコちゃん
普通に愛着あるっしょ! にっぽん、チャチャチャ! みたいに。
オリンピック、WBC、W杯 etc … 燃えちゃうよな!
それじゃ、ダメなのぉ!
バカボンのパパのパパ
しばらくご無沙汰だったのだ!
ここのところの2号さんは、だいぶ右よりなのだ。
だけど、取り戻すべき日本があるのも本当なのだ!
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