サブロー日記

随筆やエッセイを随時発信する

草鞋を履いた関東軍 三郎日記

2006年09月07日 | Weblog
草鞋を履いた関東軍 サブロー日記
 草鞋を履いた関東軍  5  サブロー日記
                          平成18.9.1
 
 昭和18年8月 郷土高知県室戸町に所外訓練が決まった。故郷を出て久ぶりの帰郷であったが家には帰してもらえなかった。場所は、眼下に見下ろすは太平洋、四国遍路の霊場26番札所、金剛頂寺であった。ここの訓練は荒地を開墾して田畑にする、開拓の基本とも言うべきものである。暑い毎日であった。食事は地元の国防婦人会の人々でまかなわれた。お坊さんの説教もあった。本堂の隣の部屋の天井裏には天狗の羽根が置いてあり、この部屋で寝ると朝には頭と足が反転している、とのうわさであった。誰もこの部屋に寝た者は無かった。休日には下の海岸に下り海水浴を楽しんだ。が三郎は山奥育ち、海を見たのは屋島へ修学旅行に行ったときが初めてであった。しかも今日は初めて海で泳ぐのである。泳ぐ指導者は誰も居ない、それに岩場の多い海岸、今は土用波で荒れている。海近で育った人は打ち寄せる大波をくぐって楽しく泳いでいるが三郎は恐かった。勇気を出して大波に向かって突っ込んだ。たまーるか、天狗の羽根でもあるまいに、ぐるぐると二三回でんぐり反って、砂浜に叩きつけられた。ちょっと我が家の下の馬立(仁淀川の支流安居川)とは違う、砂と水をしこたま飲まされた。負けてたまるかと、もう一回挑戦したが、前回と同じ始末であった。もおーいや、こんな海で泳げるか!、と独り言を言いながら体裁悪く引き上げた。
この海、夜になると実にきれい、このお寺から見下す夜の太平洋、イカ釣り船の灯が点々と、星を撒き散らしたように輝く。灯火管制は大丈夫なのだろうか?と心配もするのだが、この漁り火、今でも三郎の脳裏に美しく焼き付いている。
 八月も終わり近くなった。父より小包と便りが来た。高知を離れる時は見送りに行く、池川でも満州への開拓団派遣や、分村の話も出ている。馨兄も海軍にとられ、上海特別陸戦隊にて勤務中との事。
 
(父芳貞の日記より) 8月28日、三郎に会うべく、散髪をして、組合に寄り高知行きの旅費50円を引く、
 29日、朝早くより牛の草を刈る。3日分。その後明日の高知行きの取り合わせをする。夕方カライモの虫除けの祈祷を松森にしてもらう。
 30日、朝3時起床、吾、春栄、昌明と高知に三郎と面会に行く、(内原から室戸岬に訓練に来ていた)6時川口発のバス、9時頃伊野着、登志雄に面会(芳貞の末弟)高知に行き板垣会館で面会。夕方伊野に帰り泊る。
 31日、朝また高知に行き三郎に面会、11時半の列車で内原に向かう、吾ら3人は巡航船に乗り桂浜に遊びに行き、公園を見て又伊野に行き泊る。吾頭痛して困る。
 9月1日、朝7時30分の列車で帰途につく、バスの都合もよく10時あまりに帰り着く。百(母)は田の水を見に行く、広田の叔母、大根蒔きに来る。カライモの虫が除いていないので殺虫剤をかける。
 
 30日三郎達は室戸の金剛頂寺を出て高知市内へ、市内の大通りを行進して県庁へ、市内行進の時、三郎は広瀬中隊長の愛用の薙刀を担がされ恥ずかしい思いをした。中隊長は教師上がりで学校では女生徒に薙刀を教えていたようである。銃剣術より薙刀が得意であった。板垣会館で父や、姉、弟と久方振りの面会であった。
 31日汽車で内原の義勇軍訓練所に向かう。 
次の所外訓練は何処に行けるだろう?、、、、、、。

清流池川のゴリ料理

2006年09月02日 | Weblog
清流池川のゴリ料理を開発?
 やっと夏休みも終り、やれやれの思い、休み中克樹(二年生の孫)の水泳の監視役、頼まれた訳でもないのだが、週に何回かお供をする。川までは1分とかからない、ところが泳ぐのを、あの大きな榎木の木陰でじっと監視するのも退屈そのもの、其処で考えた、数年前まで毎年仲良しの友達とゴリを捕って川原で汁を炊いてお客をしたが、近頃は皆年をとってその馬力が無くなった。そうじぁゴリをとりながら、孫の監視を、、、、ブッタイ(金網で作ったもの)と貝殻(サザエの殻を10メートルほどの縄に結びつけた物)を出して来て、ゴリ捕りに挑戦、これなら近くで孫を看ながら自分も遊べる。鮎のハネ漁も良いのだが、水泳場よりちょつと遠くでないと漁にならん。ゴリなら泳ぐ足元でも捕れる。思ったよりなかなか捕れる。克樹も呼んで貝殻を引かす。一回に37匹も取れた事もあり大漁,大漁?、さてこれをいかにして珍味なる料理にするか?、今までは汁にして食ったが、これは珍味とはいえない。
 そこで出来たのが写真の串焼きである。これはイケル ピールにもってこいの珍物、いつか?皆にも試食してもらいたい。
 ゴリについてcpで検索してみると石川県の金沢が本場らしい、料理の仕方も数々あって、一膳12000円するようである。これを参考にしたい?