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Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

LINE6 DL4

2016-05-31 11:40:30 | PEDALS

ここにきて普段あまり使用頻度がないディレイ。現在、唯一所有しているのがBOSS技クラフトシリーズのDM-2W。これがあれば十分なのですがペダルボードが複数になってしまったのでどうせなら別なアイテムということでLINE6のDL4の登場です。今更という感じですが周りのディレイ使いのギタリストに聞いてもみんなイチオシのがこれですからやはり定番です。昨今はハイエンドの多機能ディレイがペダルボード内のお約束。ロングとショートの2種類のディレイしか必要ないのでコンパクトディレイ2個で完結するのですが。

発売後、かれこれ15年は経過してもまだ現存するシーラカンスのようなディレイ。設定が簡単で直観的なのがロングセラーの要因かもしれません。定番ペダルの3個分の大きさと重さ、専用の電源アダプターしか使えずそれも別売りという面倒くささ。センスを疑うデザインにハケ塗りのような跡が残る塗装仕上げ。60年代のスペーシーな雰囲気とアメ車のような大味な質感。ペダルボードが普及した現在では巨大というルール違反をやらかしていますがなぜ未だに存在するのかが不思議です。しかし、巷で言われるスルー状態での音痩せもスイッチャーがあれば影響は無いし通常使用でのビンテージディレイサウンドは十分に堪能できます。若いギタリストに一般的な曲のテンポに合わせたリズムディレなんかのはなれわざも。

一般的にギタリストがディレイを使い始めたのは80年代からのコンパクトペダルが普及してからです。それ以前は写真のようなテープエコーがスタンダードでした。このジャンルでメジャーなのはBOSSブランドが出る前のローランドのスペースエコー。これにギターをダイレクトインしたのは一部のマニアでこの業界にいた人から話を聞くと販売のほとんどがカラオケに使用されたとのこと。8トラックのカラオケマシーンとスペースエコーがレスポールとマーシャルのようなセットだったのでしょう。それと同じ年代にあったのがこのコルグのステージエコー。いまだに素晴らしいディレイサウンドが堪能できます。深さのある残響音で原音のままの太いディレイサウンド。これになれるとコンパクトは多機能ですが音の存在感やスケールは本物のテープにかなわないことは十分に理解できます。コンパクトのデジタルディレイが登場したときハイが持ち上がりローがなくなるトーンに馴染めず疎遠になっていた経緯があるので、テープエコーのニュアンスのあるディレイは当然アナログの方向に行ってしまいます。そんな中のDL4ですがその中のテープやチューブをシュミレートしたものはかなりおススメ。本物のテープディレイほどの太さはありませんが解像度は確実にあり、トーンをコントロールできるモードもあるので作り込むことも可能。お気に入りのセッティングでスイッチを長押しすると簡単に記憶できます。このディスプレイもないイージーなところがギタリストに受けるのかもしれませんね。

専用のアダプターが必要なくらい消費電力が大きく、別ルートでタップから電源供給が必需になるのでペダルボードもそれなりの大きさになってしまいます。思った以上大きいのでそこが注意点ですが、わざわざDL4を今使う人も少ないので心配ご無用かも。


xotic SL Drive

2016-05-15 18:27:03 | PEDALS

最近はペダルボードが普及して小さいボックスに入ったペダルのリリースラッシュです。アメリカ製なのにどこか日本的なきめ細かさを感じるエキゾティックエフェクツのSL drive。ネタ的にはたいへん普通なプレキシマーシャルサウンドを再現したオーバードライブですが高品質なクランチを再現するブースターの使用でもいけます。ドライブゼロでクリーンブースターとしても使えるレンジが広い設定ができて内部のディップスイッチでより細かいミッドコントロールの設定も可能。しかし、このサイズに9V電池スペースもあってディップSWまでつけてしまうとは基板デザインが素晴らしくノイズがほとんどありません。このあたりが玄人ギタリストにターゲットを絞ったようなハイエンドの匂いが漂います。

このシリーズでベストセラー、EPブースターの流れのシックなデザインでペダルボードの隅に渋くセットされる雰囲気ですがサウンドは主役。かなりドライブを上げてもギターのボリュームコントロールの反応は素晴らしくシングルコイル、ハムバッカー問わず男のプレキシトーンが随所に太くちりばめられています。ディップスイッチは大幅に変化はしませんがオイシイところのチューブサーチュレーションが変化して歪の質感を変える感じです。俗に言われるマーシャルモードの歪とは違い歪まないプレキシトーンまで網羅しているのでこれ1台でブリティッシュチューブアンプは制覇できそうな逆にお手頃なペダル。使いやすいのはデフォルト設定なんですけどね。

コンパクトケースのわりにずっしりとした重量。ということはアルミダイキャストではなく亜鉛ダイキャストの質感とケースの高さもあるので既製品ではなくオリジナルではないかと。コンパクトさを追求しただけのライト感覚なペダルが多い中、この重厚感は貴重です。こだわりのペダルボードの中に必ずお約束のようにセットされているEPブースターも単体で試すと何とも渋い仕事をするモノなのですがこのSLドライブも派手ではありませんがギタリストの琴線に触れる歪なのは間違いありません。


ペダルボード3

2016-05-10 16:08:14 | PEDALS

バンドのギタリストA氏のボードが完成しました。アルモアの中型ケースPS-2Cにかなりタイトな配置。歪みとワウ、オートワウ、フェイザーと濃厚な取り合わせです。VOXのハンドワイヤードワウの中身も配線材の交換等のプチチューン。ロジャーメイヤーのブードゥー1の初期型が渋い風合いを醸し出しています。単体ではディストーションライクなライト感覚ファズですがOD-3と合わせるとビッグマフ的な濃密なファズサウンドに変化します。これだから歪みペダルは一言で表現はできません。ワンコントロールのスイッチャーと自作ジャンクションボックスは最近の定番化です。ワウのインプットだけは抜き差ししても安心なG&Hのハイクォリティなタイプでケーブルはラバケーブルのウルトラマフィック。電源は電源タップからスイッチャー経由で各ペダルへDCアウトで配線。ハイテクなデジタル系が無いので全てオンでも電圧が落ちることはありません。

ペダルボードは組んだ後でそれぞれのレベル調整が奥深く悩みも出てきます。そこのバランスを決めるのにかなり弾き込まないと見えてこないことが多いですね。しかし、RATは定番な歪みで特に薄くドライブさせたメローなハムバッカーは病みつきになります。忘れていたペダルをボードに入れると別な角度から良さが再発見できる時がよくありますがこのRATとBooDoo1のコンビネーションは80年代を垣間見るかなり熱い感じです。

最近はスノコタイプのボードがメインになりつつあります。ケーブルやパワーサプライを裏側に隠しペダルだけを見えるように配列するのも大変美しいですね。このアルモアのケースはそれができないので電源ケーブルは下に配置し赤いケーブルは思いっきり見えるようにしてメカニカルなスタイルに。ゴールドプラグがワンポイント。


JanRayの合わせ技

2016-05-08 22:30:26 | PEDALS

アンプライクというよりほとんどアンプなペダルのジャンレイ。歪の可変幅も大きく、ストラトキャスターには抜群のマッチングを奏でます。ハイゲイン設定でも粘りますがやはり極上のクランチがジャンレイの醍醐味を味わえます。しかし、ヘッドルームの広いアンプにもう一つサスティーン与える場合もう一つドライブが必要になります。その選択を間違えるとせっかくのチューブライクな質感は別な方向に。ということでいろいろ試した結果、定番のホットケーキが一番この手には合うようです。

このマッチングはケンタウルスと同じ感じですがドンシャリ傾向のホットケーキのセッティングならばジャンレイの質感を損なわないでサスティーンを加えることが可能です。ミッドブーストをかけないところがポイントです。ホットケーキはいつも主役というより隠し味的なところで重要な仕事をします。ジャンレイは好みや機材環境で変化しますが後ろのポジションがいい感じです。なので前段ホットケーキがジャンレイのトーンを維持できるベストポイント。

ここ最近は短期間でドライブペダルが増えたので、新しいボードが必要になってしまいました。


VEMURAM Jan Ray

2016-05-07 23:53:10 | PEDALS

音にうるさいギタリストが少し前から騒いでいたオーバードライブのベムラム・ジャンレイ。80年代後半から話題になるハイエンドドライブペダルのほとんどが海外の工房メーカーからだったので久しぶりの純日本製。しかし、オーバードライブペダルはメイドインジャパンから始まったわけでBoss・OD-1やTSがすべての事の始まりです。ケンタウルスやランドグラフもみんな日本製を研究して改良したもので完全なオリジナルではありません。そんな40年くらいの成熟期からまた日本の工房メーカーが別の視点から作り上げたのがこのJan ray。

既存のケースを使わずに重量のあるブラスで形成されたオリジナルデザインと仕上げは派手さを否定した繊細な日本的な雰囲気が漂います。ゲイン、ヴォリュームとトレブル、バスの4コントロールにサーチュレーション調整のトリマーが設けられていてマニアックな設定ができます。このペダルはシングルチャンネルのチューブアンプの飽和状態を再現したもので脂っこく歪むハイゲインなペダルを求めると思いっきり肩透かしを食らいます。チューブアンプを研究しつくしたトーンが簡単にトランジスタアンプから出すことが可能に。これは驚きと同時に新しいチューニングです。60年代のフェンダーブラックフェイスと全く同化するトーンでシングルコイル、ハムバッカーと分け隔てなく鳴らし切る強さと使えるトーンの幅の広さ。歪みの質感はBD-2やブースター系の部類ですがコンプレッションが豊富な割にアタックの反応が早くシングルノートのアタマが前に出ます。ギタリストが好きな反応がふんだんに詰まっている感じ。海外ハイエンドペダルは売りの個性の部分は強烈ですが使えない部分も多くそれがオリジナリティとして評価されますがこのJan Rayは個性は全くありません。しかし、ペダル本体がチューブアンプのヘッドになっているような感じと捉えるとスムースにコントロールが可能です。コードやシングルノートの表現、ギターのボリュームコントロールの反応等弾き手の要求にこたえるポテンシャルはかなり高いですね。

歪がチューブアンプと同じ方向でアンプ自体のトーンを湾曲させることが無いのでディストーションを持っているアンプにソロでオンするやり方やヘッドルームの大きめのツインリバーブ等をクランチさせたりと用途は様々です。プレキシの流れの歪がストラトにグラッシーな質感と食い付きを表現させますね。シンプルなサスティーンと王道のオーバードライブを求めるなら違和感が出る可能性も。ドライブペダルの使い方を再度見直すキッカケになるかもしれない奥深いペダルがこのジャン・レイですね。作り、トーンはキメ細かく、さすがジャパンメイドと唸らせる傑作ペダル。

正直、この歳で出会って良かったと思えるペダルかもしれません。