ここにきて普段あまり使用頻度がないディレイ。現在、唯一所有しているのがBOSS技クラフトシリーズのDM-2W。これがあれば十分なのですがペダルボードが複数になってしまったのでどうせなら別なアイテムということでLINE6のDL4の登場です。今更という感じですが周りのディレイ使いのギタリストに聞いてもみんなイチオシのがこれですからやはり定番です。昨今はハイエンドの多機能ディレイがペダルボード内のお約束。ロングとショートの2種類のディレイしか必要ないのでコンパクトディレイ2個で完結するのですが。
発売後、かれこれ15年は経過してもまだ現存するシーラカンスのようなディレイ。設定が簡単で直観的なのがロングセラーの要因かもしれません。定番ペダルの3個分の大きさと重さ、専用の電源アダプターしか使えずそれも別売りという面倒くささ。センスを疑うデザインにハケ塗りのような跡が残る塗装仕上げ。60年代のスペーシーな雰囲気とアメ車のような大味な質感。ペダルボードが普及した現在では巨大というルール違反をやらかしていますがなぜ未だに存在するのかが不思議です。しかし、巷で言われるスルー状態での音痩せもスイッチャーがあれば影響は無いし通常使用でのビンテージディレイサウンドは十分に堪能できます。若いギタリストに一般的な曲のテンポに合わせたリズムディレなんかのはなれわざも。
一般的にギタリストがディレイを使い始めたのは80年代からのコンパクトペダルが普及してからです。それ以前は写真のようなテープエコーがスタンダードでした。このジャンルでメジャーなのはBOSSブランドが出る前のローランドのスペースエコー。これにギターをダイレクトインしたのは一部のマニアでこの業界にいた人から話を聞くと販売のほとんどがカラオケに使用されたとのこと。8トラックのカラオケマシーンとスペースエコーがレスポールとマーシャルのようなセットだったのでしょう。それと同じ年代にあったのがこのコルグのステージエコー。いまだに素晴らしいディレイサウンドが堪能できます。深さのある残響音で原音のままの太いディレイサウンド。これになれるとコンパクトは多機能ですが音の存在感やスケールは本物のテープにかなわないことは十分に理解できます。コンパクトのデジタルディレイが登場したときハイが持ち上がりローがなくなるトーンに馴染めず疎遠になっていた経緯があるので、テープエコーのニュアンスのあるディレイは当然アナログの方向に行ってしまいます。そんな中のDL4ですがその中のテープやチューブをシュミレートしたものはかなりおススメ。本物のテープディレイほどの太さはありませんが解像度は確実にあり、トーンをコントロールできるモードもあるので作り込むことも可能。お気に入りのセッティングでスイッチを長押しすると簡単に記憶できます。このディスプレイもないイージーなところがギタリストに受けるのかもしれませんね。
専用のアダプターが必要なくらい消費電力が大きく、別ルートでタップから電源供給が必需になるのでペダルボードもそれなりの大きさになってしまいます。思った以上大きいのでそこが注意点ですが、わざわざDL4を今使う人も少ないので心配ご無用かも。