「薔薇のない花屋」で久々の野島伸司

久々に早く家に帰ってきたため、「薔薇のない花屋」を見ることができた。

偽善だと批判が多い野島伸司ドラマだが、私は結構好き。暴力シーン・いじめシーンは容赦ないし、すぐ自殺するしと心が無いところが批判されるのだが、そんなものでもなければドラマなんかみませんし、予定調和は水戸黄門だけにしてほしいし。

10話で初めて見たのだが、松田翔太がリンチを受けるシーンとかもっとボッコボッコにやってほしかったのだが、今のテレビじゃそんな事はできないのでしょう。甘い感じでした。昔の野島ドラマ（特にTBSもの）の場合これの10倍くらい松田翔太は蹴られてたはず。

それはそれでしょうがないのですが、本質的なところを見るとやっぱりちょっと野島伸司はもうひとつヌケないのかもしれないという事を感じてしまいました。倉本聰や山田太一よりちょっと甘いのです。スタッフの問題も大きくあるのかもしれませんが、人間を描くフォーカスが甘い。だから、嘘っぽい感が出てしまいます。野沢尚だったらその辺の事も考えながら書いてますよ。

「ひとつ屋根の下」あたりはその辺のバランスが良くて逆に良かったのですが、今は両方とも甘い。
11話、最終話とかの伏線だったらすごいのですが。山田太一のような現実っぽいドラマを書ける脚本家だと思うのですが。
野島伸司しか書けないエグさを見たい感じです。