羽根直樹(あいたくてながくて)
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【雑人】
【羽根直樹】
【アドレス】
https://nagakute-zatto.jp/archives/2910
【本文】
まちで話題の“あの人”に会いたい!
2020年5月1日
人 雑人-春12番 2020
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〜会いたくてながくて〜
AIの時代と言われても
相手を思いやる
「人の賢さ」が好きです
囲碁プロ棋士 羽根 直樹さん
歴史に残る囲碁の名手に与えられる称号「碁聖」。その名をかけて一流棋士が勝負を繰り広げる囲碁のビッグタイトル戦「碁聖戦」で昨年夏、8期ぶりに2度目のタイトル獲得を成し遂げて話題となった羽根直樹さん。自分の囲碁スタイルを貫くストイックさと、周囲を気づかう優しい人柄で国内外にファンの多い羽根さんに囲碁のことはもちろん、長久手での子育てについてもお話をうかがいました。
🔷人の知恵ってすごい🔷
【雑人】
AI(人工知能)からもっとも遠いトップ棋士と言われていますが。
【羽根直樹】
囲碁には長い歴史があって、優れた先人たちが考えた手が無数に存在します。そんなお宝ともいえるものがまだまだたくさん眠っていて、私はそれを勉強して一つ一つ自分の引き出しにしていけたら、と思っているんです。
【雑人】
古きよきものを大切にされているのですね。
【羽根直樹】
そうですね。
コンピュータの囲碁アプリがここ数年で飛躍的に進化して、特に若手の棋士の中には囲碁AIの手を熱心に研究している方もいます。新しい発想をくれるという意味では、とても興味深い。
ですが、先人たちの手、昔の棋士たちの知恵も本当にすごいんです。それを多くの方にもっと知ってもらいたい。そう思っているだけなんですよ。
【雑人】
お父様であり師匠の羽根泰正棋士の影響は大きいですか
【羽根直樹】
はい。あと兄も。物心つく前から兄と一緒に碁を打っていましたから。
【雑人】
そんな小さな頃から!
【羽根直樹】
小学生になると近所の教室に通いました。平日は学校のあとすぐにそこへ行って、土、日曜日は院生(プロの養成所)に通っていました。家族全員が囲碁をやっていたので、そういう生活が当たり前になっていましたね。
【雑人】
お友だちと遊んだり、部活とかはされず?
【羽根直樹】
ええ。じつは、ちょっぴりサッカーにあこがれた時期もあったんですが(笑)
やっぱり囲碁のほうに足が向きました。
【雑人】
そんなお父さんと同じように、囲碁が大好きな三女の彩夏さんもプロ入りされました。
父であり師匠。どんなアドバイスをされるのでしょうか
【羽根直樹】
特別なことは何も…… ただ、
「勝ちたいと思い過ぎないように」
とは言っています。長い道中、正解ばかり打てるわけではないですので。
それよりも、のびのびと打って失敗から何かを学ぶほうが結果として力になるんだよ、と。
🔷「強さ」は「思いやり」🔷
【雑人】
今また囲碁・将棋を習いたいという方が増えています
【羽根直樹】
将棋の藤井聡太さんのご活躍もあって、そういった声をよく聞くようになりました。
日本棋院の中部総本部(名古屋市東区)で初心者から上級者までレベルに合わせた教室をやっていますし、長久手市役所が夏に企画する市民講座は父や長久手の囲碁クラブ「九星会」が指導、妻(しげ子プロ)も長久手の聚福院(じゅふくいん)で囲碁教室を開いています。
どなたにも、ぜひ囲碁を体験してもらいたいですね。
【雑人】
囲碁に親しむことで得られるものは何でしょう
【羽根直樹】
いろいろありますが、よく言われるのは「がまん強さ」でしょうか。
対局は長い時間になります。その間集中して考え、途中で自分の形勢が良くなくても好転するまでじっと耐えることも必要ですから。
【羽根直樹】
あと私個人的には、意外かもしれませんが「思いやり」だと思います。
囲碁で勝つためには、相手がどうしたいのかを読まなければなりません。自然と他人の気持ちをくみとろうとするクセがつくんですよ。
【雑人】
勝つことと思いやり。
一見相反するもののようなのに、じつに奥深いですね!
【雑人】
はい。昔の賢い人たちが考え出し、残してくれた知恵や思いから学ぶことは多いです。
それを未来に伝えていくというのが私の囲碁のスタイルと言えるのかもしれません。
左/2019年8月23日、タイトル奪取を伝える記事(週刊囲碁9月2日号)
右/父の泰正さんへのインタビュー記事(中日新聞夕刊2019年10月19日付)
羽根さんは1999年から長久手にお住まいです。
家庭では大学生のいわゆるリケジョの長女さんから小学生の末っ子くんまで計5人のお子さんのパパ。このまちのどこかで、対局のときとは違ったアクティブなパパぶりが見られるかも!?
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