女流立葵杯の街から

囲碁の女流棋戦の中継予定を中心に投稿しています。

【囲碁の勉強】 中山典之先生の場合

2023年02月16日 | プロの囲碁修業

【問】
 昔の囲碁のプロは、どんな勉強をしてたの?


【答】
 都内の古書店や図書館に通い、打碁集や詰碁集などを読み込み、碁罫紙に記録した。


[中山典之プロの場合]

「私がプロを目指して勉強していたのは20代。当時の私は、神田の古本屋でバイトをしていた。
 その古本屋に、本因坊秀甫全集の全3巻、本因坊秀栄全集の全4巻があった」

「秀甫全集と秀栄全集を並べて勉強したかったが、全集は高額で、当時の私の小遣いでは買えなかった。
 そこである時、思い切って古本屋の主人に相談したところ、
〝プロを目指しているなら、貸してあげるよ〟
 と、秀甫全集3冊と、秀栄全集全4巻を、無料で1ヶ月も貸して下さった」

「貸して頂いた全7冊に掲載されていた全棋譜を、1ヶ月かけて碁罫紙に書き写した」



 昭和50年代以前は、囲碁の勉強が出来る新刊の取り扱いがメチャクチャ少なく、本を探すにも一苦労だったらしい。
 なので当時の若手棋士や囲碁修業生は、

「打碁集に限らず、詰碁、手筋、ハメ手、ヨセ……
 都内の古本屋とか図書館に出掛けて、あらゆる種類の囲碁のテキストを探すのが日課だった」

 らしい。


羽根泰正

2023年01月01日 | プロの囲碁修業

羽根泰正(東京新聞)


 【アドレス】
https://www.tokyo-np.co.jp/article/3264

 【本文】


囲碁好き育てる妙手 史上初、親子3代で現役プロに 羽根泰正さん(棋士)

2019年10月19日
  
 囲碁界に『中京のダイヤモンド』と呼ばれる棋士がいる。日本棋院史上初めて親子三代の現役棋士が輩出した羽根家の祖、羽根泰正(やすまさ)さん(75)=愛知県長久手市=だ。
 
 孫の彩夏(あやか)さん(17)が四月にプロ入り。『平成四天王』の一人に数えられる次男の直樹さん(43)は8月、7大タイトルの碁聖に返り咲いた。
 慶事が続く中、家族として、ベテラン棋士としての思いは?
 
【羽根泰正】
「直樹が家を建ててから、近くに引っ越してきたんですよ」
 
 泰正さんが夫婦で暮らすのは、閑静なベッドタウンにある洋風のしゃれた家。
 ただ、玄関のすぐ隣にある和室が、独特の存在感を放っていた。分厚い脚付きの碁盤や棋譜を置く台が並ぶ空間は、本人が今も現役の勝負師である証しだ。
 
 三重県志摩市の農家で、7人きょうだいの四男として生まれた。
 父親が大の囲碁好きで、雨の日は近所の碁打ちが集まり、熱心に盤を挟んでいた。そんな場に駄菓子目当てで顔を出すうちに、自然とルールを覚えたという。
 やがて地元の大会で入賞するようになり、小学五年で同県出身の島村俊広九段に入門。内弟子として名古屋で囲碁漬けの日々を送り、中学2年でプロ入りを果たした。
 
 7大タイトルの一つ、王座獲得など多くの実績がある。
 とりわけ語り草なのが、1988年にあった「第4回日中スーパー囲碁」での奮闘だ。日本と中国がそれぞれ十人近くのチームを組む対抗戦。勝った棋士がそのまま次の相手と当たるユニークな棋戦だった。
 
 それまでは日本の実力が突出していたが、中国に『鉄のゴールキーパー』と呼ばれる強豪の聶衛平(じょうえいへい)さんが現れ、様相が一変。聶さんは第一回から怒濤(どとう)の11人抜きでチームを3連覇に導き、中国に空前の囲碁ブームを巻き起こした。
 その快進撃を止めたのが、泰正さんだった。
 2人が対局したのは中国・広州市。泰正さんが空港に着くと、ホテルまでパトカーで先導された。現地解説会には6000人もの観客が集まった。そんなアウェーの空気の中、泰正さんは見事な逆転勝利を収め、日本に初の栄冠をもたらした。
 当時の聶さんは、中国で石原裕次郎と美空ひばりを合わせたくらいの人気者。泰正さんは現地でさぞ嫌われたかと思えばそうでなく、英雄を破った名棋士として尊敬された。
 
【羽根泰正】
「10回以上中国に行ったけれど、嫌な思いをしたことは一度もない。囲碁とはそういうもの。
 最近は日本と韓国の関係が悪いが、囲碁界の長年のつながりを政治に生かして、関係改善につなげてほしい」
 
 と願いを込める。
 今や棋界の長老格だが、実はコンピューターを使った研究の先駆けでもある。
 30代の頃、普及活動で1ヶ月ほど米国に滞在。現地で詰め碁を解くソフトを見せてもらい、感銘を受けた。
 帰国後、プログラミングに詳しい知人と囲碁のデータベースソフトを開発。アルバイトを雇いながら7000局分の棋譜を打ち込み、戦法ごとの勝率などを割り出した。
 インターネットがなく、地方の棋士は情報量で不利な時代。
 
【羽根泰正】
「東京の棋士に負けまいと、誰もやってないことをやろうと思って」
 
 と振り返る。
 それから数十年。近年は人工知能(AI)の手をプロ棋士がまねるようになった。そんな風潮には懐疑的だ。
 
【羽根泰正】
「コンピューターに頼りすぎると、自分の考えがなくなってしまう」
 
 と警鐘を鳴らす。
 7大タイトルを初めて手にしたのは、直樹さんがプロ入りする直前だった。
 
【羽根泰正】
「今回はアヤちゃん(彩夏さん)がプロ入りした直後に直樹がタイトルを取った。親は子を励みにするんですよ」
 
 と目を細める。
 子どもは概して親の思い通りにならない。それでも羽根家の子や孫は、皆囲碁好きに育った。
 
【羽根泰正】
「本当は厳しく指導したいけど、ぐっと我慢した。
 囲碁が嫌いにならないように」
 
 と泰正さん。自然な環境を用意し、ソフトに導くのがコツらしい。
 
「ほかに秘策はありますか?」
 
 そう問うと、笑顔でこんな答えをくれた。
 
【羽根泰正】
「私はまず妻に囲碁を教えました。
 子どもは母親がすることなら興味を持ってくれるから」
「普段は家にいない父親が『やれ』と言っても、子はそうそう動きませんよ」
 
(岡村淳司)
 
 
  💚💚💚 💚💚💚

 


【将棋】里見香奈さん

2022年02月11日 | プロの囲碁修業

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「どうすれば強くなれますか?」

 将棋をやる小学生からの質問について。
 これに対する、女流棋士・高橋和(たかはし やまと)のアドバイス。

「1日3問で良いから、詰将棋を毎日やってごらん。
 そうすれば強くなれますよ。
……そんなアドバイスをして指切りしたら、ずっと指切りしてくれたんです(^.^)」

 その後日談。

「詰将棋、毎日やってます。
 修学旅行の時もやってます。
 詰将棋を続けていて、○○の大会で優勝しました。
__そんなお手紙を、半年おきに送ってくれたんですよ😭」

 1日3問、詰将棋を毎日やろう__と言うアドバイスを欠かさす続けた結果、『出雲のイナズマ』と呼ばれる歴代最強の女流棋士に成長した。
 それが、将棋の女流タイトルホルダーの里見香奈さん。
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※NHKインタビュー『ここから』より
 2022/02/11(金)放送
https://www.google.com/amp/s/www.nhk.jp/p/a-holiday/ts/M29X69KZ1G/episode/te/WV7725Q7RY/

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【棋譜並べ】加藤千笑

2021年08月15日 | プロの囲碁修業

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 最近はよく道策の棋譜(『碁神道策』)を並べています✨

 

 少し前に "天地明察" という映画を観たので、安井算哲vs本因坊道策の対局など情景がイメージできて楽しいです☺

(2021/08/11 加藤千笑) 

 

【ツイッター】
 日本棋院若手棋士のアカウントより
https://twitter.com/wakatekishi_igo/status/1425396961012633603?s=19

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◇昭和の名棋士が調べた囲碁の棋譜◇

2021年08月15日 | プロの囲碁修業

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◇昭和の名棋士が調べた囲碁の棋譜◇

※うろ覚えです……m(__)m


A≫岩本薫(本因坊薫和)
(明治/大正/昭和)

 雑誌編集者からの依頼を受けて、囲碁雑誌『棋道』に〈元丈・知得六十番碁〉の解説記事を連載。
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B≫木谷実
 (明治42)

 囲碁四家の中でも安井一門に関心を持ち、八代目・安井仙知(大仙知)に影響を受ける。
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C≫呉清源
 (大正03)

 来日前には、本因坊秀策の碁を学ぶ(父からの日本土産)
 プロの高段になるにつれ、白番(後手番)で打つ事が増えた。そこで『秀栄全集』で、本因坊秀栄名人の「白番の打ち方」を学んだ。
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D≫高川格(本因坊秀格)
 (大正04)
 師匠からの課題で『秀栄全集』を並べた。
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E≫坂田栄男(本因坊栄寿)
 (大正09)

 好みの碁は村瀬秀甫。
 あるタイトル戦の前には、『御城碁譜』を並べた。
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F≫藤沢秀行
 (大正14)

 江戸時代や明治時代の碁も色々調べた。中でも好みだったのが、江戸時代末期の太田雄蔵。
 雑誌編集者からの依頼で、水谷縫次の棋譜の解説を行う。
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