The Blog of a2pro

オリジナルのショートストーリーやイラスト。近隣・旅先の写真や簡単なガイドなどを紹介しています。

近隣散歩

2019-08-21 10:58:25 | 散歩

こんにちは。a2pro(エーツープロ)ことアズマと申します。今回、近隣を散歩した際に撮り溜めていた、写真やその付近の紹介をさせて頂きます。末永いご愛顧のほど、宜しくお願いいたします。

= 都電荒川線・早稲田 付近 =

早稲田(わせだ)は都電荒川線の始発着駅です。地名の通り、早稲田大学を中心に発展した大学街です。

早稲田の地名は、近くに神田川(旧・江戸川)が流れ、その入り組んだ神田川を利用した水稲の田園が多く有り、毎年、凶作に備え、普通の田植えより早めに田植えをしていた為に、早い稲の田として早稲田と名付けられています。

以前この場所(豊島群早稲田村)に早稲田大学創始者・大隈重信が東京に住む際の別邸(明治7年頃)があったことから、隣接する豊島群戸塚村に明治15年、早稲田学校・戸塚学校の名称を経て、東京専門学校(後に早稲田大学)が創られ、大学街となってきたようです。(現在では大隈重信の別邸跡地に大隈庭園が設けられています。)

近くには、日本や東洋の絵画・美術品を展示している會津八一博物館。シェークスピアや歌舞伎・演劇分野などの資料を揃えている坪内博士記念演劇博物館などが有り、無料で見学することが出来ます。さらに甘泉園公園や神田川沿いでは、季節の花など撮影ポイントが所々に点在しています。

神田川は昔、染めものが盛んでした。少し上流の中井・落合などには、幾つもの染もの工房さんがあったようです。昔は染物というと浅草周辺が主流でしたが、水質の悪化から、綺麗な水を求め神田川に根付いたようです。

面影橋付近には「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」があり、無料で見学できます。また、体験(有料)も出来るようです。

 

= 都電荒川線・面影橋付近 =

面影橋(おもかげばし)は神田川に掛かる橋の一つで、東京都新宿区西早稲田三丁目付近の目白通りに隣接する橋の名称です。

桜の季節になると多くの観光客が訪れ、隣接する都電荒川線「東京さくらトラム」も大賑わいになります。近年朝方には、多くのマラソンランナーが見受けられます。

<< 都電荒川線(東京さくらトラム)>>
都電荒川線(とでんあらかわせん)は東京都荒川区千住にある三ノ輪停留所から東京都新宿区早稲田の早稲田停留所(全長12.2km・30停留所)を結ぶ路面電車です。「東京さくらトラム」とも呼ばれ、沿線には季節に応じ、桜やバラの見処や、歴史・文化を学べる史跡などが点在します。また、商店街などにも隣接する、生活に密着した東京に残る唯一の路面電車です。

多くの観光客が、都電一日乗り放題(400円/2021年8月現在)を利用し、面影橋、王子飛鳥山界隈などの桜の見どころを一日で観る事が出来ます。

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《 面影橋の由来 》
目白台から続く鎌倉街道と推定される古い街道沿いにあり、姿見の橋ともいわれていました。橋名の由来には諸説あり、高名な歌人である荏原業平が鏡のような水面に姿を映したためという説、鷹狩の鷹をこのあたりで見つけた将軍家光が名付けたという説、和田靱負(ゆきえ)の娘であった於戸姫(おとひめ)が、数々の起こった悲劇を嘆き、水面に身を投げたときに歌った和歌から名付けられたという説などが知られています。なお、姿見の橋は面影橋(俤橋)の橋で、別の橋だという説もあります。

面影橋のたもとにあるのが「山吹の里」の碑です。
太田道灌が当地にタカ狩りに来た折、雨に降られ、農家で蓑(みの)を借りようとしたところ、その家の娘は庭に咲く山吹の花を手折って差し出します。ですが道灌はその意味が分からなかったようです。

しかし、後ほど「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」という古歌を暗示しており、「実の」と「蓑」をかけていたことを知った道灌は自らの不明を恥じ、 和歌の道に励んだという逸話があり、面影橋周辺には染物の名残があります。

江戸時代に、染め物業は神田や浅草に多くありましたが、下流の水が汚れたため染色に適した良質の水を求め、新宿の神田川流域に染め物の業者が集まってきた歴史があるようです。面影橋を少し下流に進むと左沿岸に「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」があります。

参考:『江戸名所図会より「新宿区・道とみどりの課」』・『東京新聞』

<Photo:春の面影橋周辺>
神田川周辺に桜並木が施され、春には多くの人々が訪れます。

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= 甘泉園公園 =

甘泉園(かんせんえん)公園は、面影橋に隣接する庭園です。新目白通りを一本隔てた場所にあります。新目白通りを歩いていると、水稲荷神社が見えてきます。四季折々の景色を楽しむ事ができ、森林浴などを楽しめます。

※面影橋から水稲荷を目指す場合、新目白通りからは裏参道になり、表参道は坂を少し上った早稲田通りから大曲を下り、坂の途中にあります。そして水稲荷神社の横に隣接するのが甘泉園です。

 

《 甘泉園(かんせんえん)公園の歴史 》
面影橋に近い、早稲田通りを一本隔てた場所にある「甘泉園(かんせんえん)公園」。この地は徳川御三家の一つ尾張徳川家の拝領地でしたが、その後、初代清水家の江戸下屋敷に置かれました。

「甘泉園」の名前の由来は、ここから湧き出ていた水がお茶に適していたからです。池を抱く森は周辺とは別世界の静けさを演出し、四季を通して訪れた人々をもてなしています。

明治時代に相馬子爵邸、後に早稲田大学の付属施設となりますが、東京都に売却され、新宿区へ譲渡、現在に至ります。

参考:『江戸・東京ぶらり歴史探訪ウォーキング』
    著・瀧島 有/『新宿区資料』

 

<Photo:甘泉園の四季と秋のライトアップ>
ビルに囲まれた庭園で四季折々の草花が鑑賞できます。
秋にはライトアップも。

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= 都電荒川線・高戸橋交差点 付近 =

高戸橋(たかとばし)は新目白通りと明治通りの交差点です。
この場所は新宿区と豊島区のちょうど境界線付近にあたります。

新目白通りに沿って神田川が流れ、ちょうど交差点付近の明治通りに橋が架かっています。名前の由来としては、豊島区高田の「高」と新宿区戸塚の「戸」を重ね合わせた名称に「橋」をつけたと云われています。

高戸橋交差点の明治通りは、渋谷・新宿方面から池袋方面を結び、新目白通りは飯田橋・早稲田方面から谷原方面を結んでいる為に交通量が多く、主に平日の朝夕は、いつも渋滞しています。

また、高戸橋交差点の明治通りに沿って都電荒川線の鉄橋も並設されています。都電荒川線が新目白通りから90度曲がり池袋方面を走りますが、都電荒川線を線路と車両を正面から取れる為、有名な写真撮影ポイントになっています。池袋方面を望み、駅が見えますが、この駅が「学習院下」です。


<Photo:高戸橋周辺からの都電荒川線を望む>

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= 都電荒川線・鬼子母神前 =

鬼子母神前は都電荒川線の駅名で、読み方を「きしぼじんまえ」と呼ばれていますが、近隣の法明寺・鬼子母神堂では「きしもじん」「きしもしん」と読み方が異なっています。理由としては、鬼子母神は本来仏教用語(サンスクリット語)を用いられますが、「ぼ」が漢音表記の為に、駅名では「きしぼじんまえ」と呼ばれているそうです。

<Photo:鬼子母神周辺>

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<< 鬼子母神・御会式 >>

享和・文化文政の頃から日蓮上人の忌日とされる、毎年10月16日から18日に行われている伝統行事です。白い和紙の花を一面に装飾した、高さ3~4メートルの万灯を、団扇太鼓を叩きながら練り歩きます。

<Photo:鬼子母神・御会式>

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<<  大鳥神社  >>
都電荒川線の鬼子母神前駅を下車し、線路に沿って池袋方面に歩いていると、大鳥神社が見えてきます。日常は静かな佇まいですが、11月の酉の市では熊手などを求めて多くの参拝者が訪れます。

以前は、鷺明神と称し1712年(正徳2年)に鬼子母神の境内内に祀られていたそうです。当時、千歳橋付近に出雲藩下屋敷で松平出羽守の嫡男・万千代が疱瘡にかかった際、鷺明神にて祈祷され、病が治った事から厄除けの神として尊崇されてきました。

その後、明治維新での神仏分離により、現在の場所に大鳥神社として移築されました。本殿には日本武命(やまとたけるのみこと)、境内内に倉稲魂命(おいなりさま)と蛭児大神(えびすさま)が祀られています。


<Photo:鬼子母神・御会式>

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毎年11月には酉の市が開かれ、多くの人々で賑わいます。

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今回は、私の住む街を散歩しながら写真をとり、簡単な紹介をさせて頂きました。まだ不慣れですが、少しずつ更新しながら慣れていこうと思います。今後とも宜しくお願いします。


短編小説:『百鬼夜行(ひゃっきやこう)』

2019-08-01 14:46:16 | ショートストーリー

〈注意〉
18歳未満の方は大人の方と相談の上お読みください。この物語はすべてフィクションです。

日常に潜む幽かな影。
ちょっとした恐怖と大いなる幻想。
魅惑のスリラー・ストーリーに。ようこそ。

『白い指』
白い指を見詰める。美しいそれは。ゆっくりとした動作で日常を描く。

例えばとあるバーの片隅。その白い指は、淡いブルーのカクテルグラスを傾けている。そしてときおり枝付きのレーズンを。

白い指が器用に、真っ赤なルージュを引いた華麗な口元へと運んでゆく。
白色と赤色が。一瞬だけ交わる。身震いするほどの美しさに、思わず息を呑む。次に。その白い指は、カウンターの隅に置いてあったタバコを取り出す。人差し指と中指で挟んでいるそれに、ライターで火をつける。ゆっくりと紫煙が。赤い口元からこぼれ出る。

優美な一時を悟られないように観察してゆく。白くて艶めかしい指先。ああ、明日も出会えるだろうか。

次の日。その白い指は無かった。次の日も、そしてまた次の日も。

なぜなら、もう手元にあるから。
手首から先がない。美しい白い指。

けれど。もうこの指も、出会った頃の美しさを失い始めている。枯れてゆく白い指。まあ、いい。また新しい指を見付ければいい。

例えばとあるバーの片隅。
白い指と出会うことを求めて、じっと待つ。何日も。何日も白い指と出会うために、待ち続ける。そしてその時はふいに訪れる。

ほら、見付けた。あなたの白い指。

『忍び寄る黒い影』
決まって深夜二時。男は目を覚ます。
トイレに行きたい訳でもなく、きっかりと。ただ目を覚ます。外はまだ暗く、月光だけがカーテンの隙間から部屋を照らす。ベットサイドの暗がりには。ぼんやりと白い靄(もや)がかかっている。男はじっとそれを見詰める。もう一週間以上も、そんなことが続いた。そのうち男はその靄を見詰めることが、習慣になった。

今日も二時。あれからまた一週間が経っていた。ベットサイドの足側に、その靄が集中してきていることに、男は気付く。それは日増しに形を変え。とうとう一人の人間のような形態を象ってゆく。
頭と体。腕と足。それらを持った靄は、不思議と男に恐怖を与えなかった。
うずくまり膝を抱えた、まるで体育座りのような姿勢のそれに。なんとなく興味をもってきた男は、今度は言葉を教えてみたくなった。まずは挨拶からと。深夜二時に目覚め、朝までの四時間ほどをそれに費やした。

そして一カ月。靄のようだった物体が、枠で縁取られた様な人の姿になっていた。今では黒い影のようになったそれに、愛着のようなものまで覚えていた。言葉もだいぶ話せるようになり、男はそれに名まで付けていた。
美智子。それが影の名。生まれてくるはずだった、我が子の名前。その頃になると、さらにもう一体。靄の様なものが現れ始めた。
今度の靄は、最初の靄よりも少し大きめだった。貴子。そう名付け教育した。美智子と貴子。その二体と過ごす、たったの四時間が男の生活の中心になっていた。
そして…

ベットサイドの頭側。ランプシェードの下のラックの上に、一枚の写真が飾られている。写真立ての中には一組の男女。貴子と男が微笑んでいた。

身重だった貴子が死に、家族三人で今度こそ幸せにと思っていた男は。
次の日の深夜二時。ベットサイドで愕然と立ち尽くす。靄が。さらにもう一体、人型を作り出そうとしていたからだった。

それは。誰だ?…

『かくれんぼう』
鬼さんこちら手の鳴る方へ。
かくれんぼう。子供の頃、よく帰り道の神社でやった。鬼になりたくなくて、よくジャンケンの特訓もした。
「…九十九、百。もういいかい?」
百数えたら友達を捕まえてもいい遊び。けれど私の中で、止まっている時間。二十歳の成人式を迎えられなかった私。十九歳の夏。私は殺された。
「もういいかい?」
何度もそう聞くのに。誰も答えてくれない。
なんで?私が鬼だから?
「もういいかい?」
あの日。私が殺された日。暑い暑いあの日の夕方。友達の誘いで花火大会を観に隅田川まで行っていた。
「もういいかい?」
友達だと思っていた四人と。喧嘩別れをしてから、一人になった私。細くて暗い遊歩道を、私はとぼとぼと歩いていた。
「もういいかい?」
その時。後ろから足音がする。振り返ると、四人の友達。ごめんねを言いに?もしかして追い駆けてきてくれたの?
「もういいかい?」
ふと視線を落とすと。其々の手元には、鈍く光る石の塊。躊躇なくそれを振り下ろすみんな。それが当たり前かのように。
「もういいかい?」
友達の一人は車で来ていて。そのトランクルームに、私は押し込められた。だいぶ坂を登っていたから。おそらくそこは山の中なのだろう。
「もういいかい?」
名前も知らない見知らぬ土地の。雑木林のどこかに。私がいる。土に半分しか埋められなかったから。私は半分だけウジ虫に食われて。
「もういいかい?」
四人の友達は私を殺した事に、手を叩いて喜んでいた。あ、今、手を鳴らした…
「もういいかい?」
四人の名前を呼びながら…私は尋ねる。

「もういいかい?」と。

『縄張り』
カアーカアーカアー。
夕暮れ時。またカラス達が鳴き叫んでいる。縄張り争いでもしているのか、二羽のカラスが上空で激しくやりあっている。
馬鹿だなぁと思いながら、その様子を見詰める。だいたい縄張りってなんだ?鳥や動物、魚にだって縄張りがある。では、人間はどうなんだろう?
自分が出掛けられる範囲がテリトリーになるのだろうか?けれど人間は自分の力だけじゃなく、行こうと思えば何処まででも行ける。現に今。自分の行いはバレていない。
ルームシェアをしているあのヤローが、俺の気に入っていた女友達を、毎日のように部屋に呼ぶから悪いんだ。俺様の目の前でイチャつきやがって…
あー、でも清々した。今頃あのヤローは東京湾で魚の餌にでもなってるだろう。

それにしても、馬鹿カラス共がうるさいな。

〈注目〉ここからは何故この様な気味の悪い物語たちを書いたのかの言い訳です。スッキリしたい方は続きをお読み下さい。

『最後の審判』
【木槌を打つ音】

「静粛に。これよりa2proの罪について裁く。」

「待って下さい、自分は何も…」

「黙りなさい。何人もの殺人鬼を世に放ちながら何を言う。」

「殺人鬼?」

「そうだ。まずは『白い指』で描いた、フェチシズムに取り憑かれたシリアルキラーについてだ。」

「いえ、だからアレはフィクションで…」

「いや、あれほど生々しい描写はないだろう。」

「い、いえ…」

「さあ。このストーリーを書いた真意を述べよ。」

「…分かりました。
では、この主人公が何故罪を犯すようになったのかを説明します。まず男の生い立ちに原因がありまして。幼い頃両親が離婚し、母親が育てていたのですが、どうもこの母親がネグレクトで。水商売を生業としていて。水商売を否定するわけではないのですが、仕事柄、やはり色々な事が派手で…。いつも真っ赤なルージュを引きタバコを吸っているという。そんな姿が子供心に官能的で。結果的に男は、母親の愛情を追い求めて罪を犯してしまったのです。このように生まれつきのサイコパスでもないかぎり、罪人になる人間は、愛情を受けていない者がなりやすい。という事が言いたかったのです。
愛情は他者からもらうものばかりでなくて。最後には自分が、自分自身を愛してあげて。そして他者にも愛をもって接していれば、周りも自然と自分を愛してくれる。これが出来れば、誰か(自分自身も含めて)を傷つけたい、または、何かを壊したい。などと思う心は、自然と無くなると思ったのです。それでも、もしそういう思いが勝ちそうになったら。
一杯のコーヒーを飲みます。アイスでもホットでも。自分や、誰かに入れてもらったものでも。なんでもいいからブレイクするのです。
…などと聖人君子な事を言いたい訳ではなくて、心に余裕をもてば、自分の未来が見えるようになります。“人を呪わば穴二つ”。そう、何かを壊せば罰を受けます。何十年もの間、自分で自分の入る墓を掘るなんて。嫌ですよね…。」

「このストーリーで言いたい事はそれだけか?」

「はい。」

「では次のストーリー、『忍び寄る黒い影』を書いた真意を述べよ。」

「はい。では、語らせて頂きます。これはある男の悲劇の物語です。
不慮の事故によって亡くなった妻と娘を想うあまり、妄想に駆られていき、それが形となって現れてしまうのです。3つ目に出て来た影は、自分自身の影で。男は、その影に取って代わられる、という。と。もう一つ。実は3つ目の影は、実は妻の不倫相手だった。という二つのオチに辿り着くように練ってみました。最初のものがライトで。
実際に考えてみて、かなり怖いのが後のオチだと思います。」

「以上か?」

「はい。」

「では次。『かくれんぼう』について、真意を述べよ。」

「はい。これに関しては、答えから言わせて頂きます。 かくれんぼうのオニの女の子が、実は本物の鬼だった。というものです。」

「?。なんだそれは?」

「いえ、ですから本当の鬼だったんです。
 なにせ、石で攻撃してきた4人にヒントがありまして。」

「どういう事だ?」

「はい。1人の名前が桃田さん。2人目が犬埼さん。3人目が猿島さん。
 4人目が雉谷さん。で。もうお気付きですよね?」

「桃太郎か?」

「当たりです。」

「ダジャレか?」

「いえ、桃太郎たちによる鬼退治で、鬼目線で書いてみました。それにこのストーリーの中に2つの遊び事が潜んでいるんです。画期的でしょ?」

「自分で言うな!!」

「申し訳ありません。」

「だんだん、もうどうでもよくなってきたぞ。」

「そう言わずに裁いて下さい。」

「君、もしかして楽しんでないか?」

「いえ、気のせいです。」

「もう次が最後か。『縄張り』について真意を述べよ。」

「はい、喜んで。カラスを馬鹿にしていた男が、愚かにも気付かずに自分でも同じ事をしている。という。」

「?。以上か?」

「はい。」

「…これには何のヒネリもないのか?」

「はい。」

「なんなんだ君は…?」

「a2proです。」

「いや、名を問うたわけではなくて…もうよい。

結論として、これらのストーリーを何故書いたのだ?」

「はい。書きたかった理由は一つです。

明るいモノVS暗いモノ。みたいな。
明るいモノ=『オモいデのサクラ』を書いた後は、暗いモノ=『百鬼夜行』を書いてみたくなったという。」

「それだけか?」

「はい。それだけです。」

「…。今後もそのスタイルでいくつもりか?」

「さあ、どうでしょう。なにせa2proはあまのじゃくですから。」

「だから自分で言うな。」

「すみません。…それで自分の罪状は?」

「ふむ。今回だけ特別に無罪と言いたいところだが、おふざけが過ぎるので、保留という事にしておこう。」

「そんなぁ~。」

「何か不服でも?」

「い、いえ。寛大な処置を有難うございます。」

「では、失礼する。私も上の者に報告せねばいかんのでな。」

【木槌を打つ音】

そう言い残すと、一瞬あたりが光り輝き、目をつむってしまった自分。
そして前方から風を感じた。目をあけて足元を見る。そこには光る大きな純白の羽根が落ちていた。

「も、もしかして天使?って事は、上の者って…」呆然と佇むa2proだけがいた。

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