近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
大判カメラ、一眼レフ、デジカメなどで
撮影した写真で紹介していきます

旧龍野藩南組大庄屋 片岡家

2019-05-16 01:00:00 | 近畿

今回は、2019年5月5日にイベント公開された
旧龍野藩南組大庄屋 片岡家
(不詳/元禄15(西暦1702)年/木2/姫路市都市景観重要建築物等)
を紹介します。

片岡家は姫路市網干区新在家に位置する、姫路市内最古級の民家です。
姫路市網干区は「龍野藩南組」という事からも分かるように、本来は揖保川流域の経済・文化圏に属する町でした。
揖保郡網干町として独立した自治体でしたが、戦後、昭和の大合併で姫路市に併合されることになりました。
当時、揖保川の水運はすたれつつあり、網干-龍野-新宮を結んでいた播電鉄道も廃止され、
国鉄の山陽本線や山陽電鉄による姫路との結びつきか強まった故の姫路市との併合だったのだろうと思います。
詳しい併合の経緯は、またの機会に調べてみたいと思います。


【網干関連の過去記事】(古い順です)

姫路市網干区の近代建築(EBONY SW45で撮影)
網干の近代建築
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『網干の近代建築と町家 2018【旧網干銀行本店が!!】』
『旧網干銀行本店・旧N金物店 ほか』


・表題写真は手元にある片岡家を写した最も古い画像です
(カメラ;Nikon F2・1994/4/10撮影)

・その他画像
(カメラ;SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2019.5.5撮影)

・一部画像に例外がありますが、その都度カメラ名と撮影日を記入しました。


全景

右側の蔵は借家としてカメラ店に貸していたため改変されています。

蔵の右側側面

(カメラ;PENTAX K-30・2019/3撮影)

本瓦葺きで軒瓦には龍野藩脇坂家の家紋があります。大庄屋の家格ゆえに家紋の使用が許されたのでしょうか。

(カメラ;PENTAX K-30・2019/3撮影)

網干高校の生徒が町おこしに参加しています。ここは古書バザーです。


主屋を正面から見ると屋根の左上に煙り出しがあり、一つ目小僧のように真ん中に一つだけ虫籠窓があります。左1/3程は、洋服屋になっています。蔵同様、借家として貸しているのでしょうか。


裏から見ると、主屋の後ろに付属棟が付きL字型になっています。この付属棟は傷みが激しく近年修理されましたが、予算不足の所為かトタン葺きになっています。

(カメラ;PENTAX K-30・2019/3撮影)

主屋から坪庭を介して蔵を見た写真。


玄関脇


土間の梁を見上げる


裏手の付属棟内部。外見はトタン葺きだが内部を見ると、残す部材は残して出来る限りの修復を試みているのが分かる。


そしてちょうど12年前、修復前の画像。

(カメラ;RICOH GR DIGITAL II・2007/5/5撮影)

表(北)に面した座敷。






玄関土間側から南西向きに撮影。田の字型に部屋が配置されている。


神棚のある部屋から土間側、北東向きに撮影。


昔は、複数の神仏を祭るのが普通だった。


田の字のさらに奥、裏庭に面した部屋。


解体修理で竣工当初の姿を復元して一般公開される民家が多い中、近年まで生活をしていた状態のまま見ることが出来るのはある意味貴重だと思います。



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