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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

リング

2000-09-09 12:33:00 | 映画-2000年

「フジテレビ系列が制作した映画にはヤクルトVS巨人戦の野球中継が欠かせない」

『パラサイト・イブ』などをはじめとする、近年の日本モダンホラーの先駆けとも言える作品。
 とはいえ、実は原作はもちろん、一度もこの手の作品は観たことがなかったりする私であった。

 あんまり期待していなかったけれど、見始めたら引き込まれてしまい、2時間の放映時間も忘れてしまうほどだった。テレビ(=無料)ということもあって、それなりにお得な作品だったと思う。

 最近のハリウッドホラーは、「いかにVFXで観客の恐怖をあおるか」が命題になっているところがある。
 だが、この作品はド派手なVFXなどの趣向を凝らさなくても、十分に恐怖感は表現できることを教えてくれたと思う。

 特に秀逸だったのは、おなじみの「貞子」の呪いのビデオテープ。
 貞子のビデオクリップ(?)は、あまりにも作り物的すぎるのだが、それは劇中の現実世界ではなく、あくまでも「テレビのモニターの中での出来事」。
 そのおかげで、制作者が意図したであろう「怖い映像」がピンポイントで伝えられる(現実味を帯びた周辺情報で趣向を凝らす必要がない)。

 VFXが「いかに現実的であるか」を売り物にするのに対し、貞子のビデオは「この世のものならざる恐怖=不自然な映像」が売り物。
 理解不能な映像と、あまりにも強烈すぎる貞子の瞳は、十分すぎるほど怖い。

 面白い映画だったのだが、難点が1つだけ。
 それはフジテレビの過剰で無駄な演出。
「不思議体験アンビリーバボー」の恐怖特集で、いかにもとってつけたような『リング』撮影中の怪奇現象を、何週にも渡って取り上げていたのだ(ノリとしては懐かしの心霊写真みたいなものだ)。
 このせいで、私はむしろ興ざめしてしまって、今日に至るまでこの作品を見なかった。

 変なギミックに頼らなくても、作品で直球勝負してほしかったのだが…ここらへんが「映画人」と「テレビ人」の感覚のズレなのだろうか?

『リング』(テレビ)
監督:中田秀夫
出演:松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀、他
評価:5点


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