いろいろ。

同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

2000-09-20 12:41:00 | 映画-2000年

「人類の進化は容姿までも進化するのか?」

 いわゆる『ガンダム』の正統続編ともいえる作品。
 ひょんなことから富野由悠季氏のインタビューを読み、それで興味を持って観てみた。

『ガンダム』は観ていたけど、さほど熱狂的に入れ込んでいたわけではない。
 とはいえ、テレビアニメ版の設定が活かされていて、テレビ以降のサイドストーリー(OVAなど)を観ていなくても、話の筋は理解できた。
 ニュータイプを巡る話や、アムロとシャアの因縁話も、基本的にはテレビ版を観ていれば理解できるはず。
 そういう意味では、まさに「正統続編」だと思う。

 で、観た感想だけど。
 ムサ苦しい軍人(黒い三連星みたいな)がいなくなり、みんな若くて美男美女ばっかり。
 ニュータイプになるには容姿も関係あるんでしょうか?

 それと「恋の鞘当て」で戦争してるの? という印象を抱いた。
 いろんなところで三角関係が見られ、それを巡って恋の火花を散らしている様は、まるでラブコメマンガのよう。
 しかも、その恋の鞘当てを戦場でやってしまう。文字通り、本当の意味での鞘当て…っていうかビームサーベルで斬っちゃってます。

 原作・監督の富野氏の作家性や思想などは詳しく知らないけれど、恋愛関係を戦場に持ち込むなよ、って感じ。
 一応、そこは単純な恋愛じゃなくて、それなりに意味づけもされているのだけど(特にシャアとララァに関しては)、でも当時者以外の戦死者にとっては、「冗談じゃねえ」ってこと。

 戦争映画が好きな私としては、比較的軽い動機で戦う(戦えちゃう)、この作品の登場キャラには違和感を覚えた。
 まあ、本人にとっては、それこそ惑星1つ・コロニー1つよりも重要な問題なんだろうけど。
 でも、『マルコムX』とかを観ちゃうと、「そうじゃないだろ」って思ってしまう。

 昔(『機動戦士ガンダム』)の頃は、家族を食わせるためとか、名誉や軍のために戦う人とか、けっこう切迫した動機で戦ってたのにね。
 ああ、でもアムロ自身が自己満足のために軍に在籍していたか…

 ただ、件のインタビューで富野氏は、若い世代(本作の新キャラと視聴者のダブルミーイング)に対する乖離感を吐露しているので、そういうのを描いたのかな、という気もしないでもない。
 そういう意味では、ブライトの息子ハサウェイの「だから、大人は…」みたいな発言も出てきたのではないか。

 また、同インタビューでは『新世紀エヴァンゲリオン』をやたらと敵視していたけど、観る側の観客としては、どちらも「娯楽作品」としては十分に楽しめる作品。

 つまらない映画ではなかった。
 2時間たっぷりと楽しめる良い映画でした。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(ビデオ)
監督:富野由悠季
出演:古谷徹、池田秀一、鈴置洋孝、榊原良子、他
評価:6点(ガンダムなので+1点)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿