卯の花をかざしに関の晴着かな 曾良
(うのはなをかざしにせきのはれぎかな)
奥の細道から~白川の関
「心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。
「いかで都へ」と便求しも断也。
中にも此関は三関の一にして、風騒の人心をとヾむ。
秋風を耳に残し、紅葉を俤にして、青葉の梢猶あはれ也。
卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。
古人冠を正し衣装を改し事など、清輔の筆にもとヾめ置れしとぞ」
箱根うつぎ(うのはな)
箱根うつぎ
●わが国の固有種で、各地に分布しています。海岸に近い山地に生え、高さは4~5メートルになります。
葉は楕円形から広卵形で十字対生します。
5月から6月ごろ、枝先や葉腋に白い花を咲かせます。
花冠の先端は5裂し、はじめ白色ですがやがて紅色に変わります。
箱根の名前がありますが、箱根では低地にわずかに自生するだけです。
●スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木で、学名は Weigela coraeensis。英名はありません。
うつぎ・・卯の花・・奥の細道文章中の「卯の花」とは違うようです