むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所クラスター60

2019-12-04 13:50:37 | 小説
 昭和五年九月未明。天津で酒屋の店主が、刃物で顔を斬られて死ぬという事件が起きる。目撃していた店員は「頭に剣をつけた男が、店にきて社長が殺された」と言う。公安(中国の警察)が「頭にどうやってつけてた」と聞いたら、「なにかの機械を背負ってて頭につながってた」と答える。死んだ店主は闘技場に八百長試合を持ちかけていて公安捜査していた。公安が北京の世界革命集団第三支店に電話で確認すると、「一週間前に、剣術使いに回転剣を売ったよ」と言う。性能を聞くと、「二本の剣が頭上で一秒間に一〇回転する」と言った。公安は闘技場へ行く。夕方の、女性剣術使いの対戦相手が「回転剣男」になっている。かけの倍率を見ると女性剣術使いに二倍がついていた。公安が選手控え室に近づくと、体格のいい男が出てきて「八百長防止のためにこれ以上は入れません」と言う。公安は観客席の最前列で試合開始を待った。時間になって、女性剣術使いと回転剣男がリングに登場する。試合が始まった。回転剣男は頭上の、回転剣の他に、やや長めの剣を一本持っている。女性剣術使いは二刀流だ。女性剣術使いが男の剣に「がちん。がちっ」と剣をぶつけた。公安の脳裏に、紀元前の闘技場が浮かぶ。鉄板を動くように組み合わせて、前方に三mほど伸びる武器を持った男どうしが対戦していた。そのとき女性剣術使いが、回転剣の反動で宙返りをしようとしたが失敗して転倒する。女性剣術使いが立ち上がって二本の剣を回転剣にぶつけると、一瞬ひっかかったようになってから女性剣術使いがリングの外まではじき飛ばされた。公安の足もとに女性剣術使いが倒れている。公安は女性剣術使いの剣を一本とってリングに上がった。観客が拍手する。公安が剣をかまえながら回転剣男に「おまえが酒屋の、店主を殺したのか」と聞いたら、「力を見せてやった」と言う。公安が男の回転剣に剣をぶつけると、一瞬空中に浮いてから三mくらいはじき飛ばされたが両足で着地する。男が回転剣に角度をつけて突進してきた。公安は紀元前の闘技場で、死に神の原型を見つけて一体化する。公安はロープに登って、両手で剣に体重をかけて、向かってきた男の回転剣に剣をぶつけた。男が一時的に、千鳥足になったが、公安はリングにたたきつけられる。公安がすぐ起き上がってトップロープから回転剣に剣をぶつけると、男は後ろに倒れて、回転剣がリングに突き刺さって、男が回転していた。公安は男を逮捕する。



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