むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所クラスター59

2019-08-24 10:30:23 | 小説
 昭和四年二月未明。香港で剥製屋の店主が、なにかの装置で首を斬られて死ぬという事件が起きた。凶器は扇風機のような形で、大きさが三〇㎝ほどの、プロペラ状のカッター三枚が電気で回転する構造になっている。どうやら虫を吸引して粉砕する装置らしい。製造もとは「世界革命集団第二支店」になっている。公安(中国の警察)は住所を調べてそこへ行く。倉庫にいろいろな工作機械が並んでいて、中央に小型の電気炉を組みつけた装置がある。装置の中央に、銅貨と同じな鏡文字のデザインがあった。長髪の男が出てきて「それは『家庭用貨幣製造装置』だけど国から製造販売の許可を受けてるよ。原料の銅を入れればなん枚でもつくれる」と言う。公安はお金に裏づけが、必要なのは読み書きがままならない人間だと感じた。公安が剥製屋のことを聞くと、男は「前金でもらってたからさっき納品してきたよ」と言う。公安が「とり扱い方法を説明したか」と聞いたら、「した」と答える。公安が「他に客はいたか」と聞いたら、「自動車に乗った不審な男がいたけど」と言う。剥製屋の店主は、富裕層のイギリス人に売春をあっせんしている容疑で公安が捜査していた。人相を聞いてすぐあの男だと判明する。あの男は、死んだ店主の仲間だ。公安は古代の原人が黄鉄鉱を宝物として、物々交換している様子を想像しながらあの、男の店に行く。公安は途中で古代の羽根突きを思いついた。まず羽子板と羽根がついた木の玉。木の玉に細いひもがついていて、高さ一m八〇㎝ぐらいで固定した長さ三mほどの、棒の中心とつながっている構造。ルールは「二回打って棒の上を通過させる」だ。ひもの長さが一m八三㎝で、地面についたら相手の得点。このゲームは未来人をだませてかなりおもしろい。死んだ店主とあの、男の先祖が対戦していたかも知れない。店に着く。そこは倉庫を改装した大きな雑貨屋で若い女性ばかりが働いていた。売り場に二〇人くらいいる。公安が店員に「責任者はどこだ」と声をかけたら、「社長」と叫ぶ。奥から男が出てきて公安と、目を合わせると男は奥へ引き返す。公安が追う。男は外へ出た。拳銃を持っているようだ。公安は石を拾って追いかけた。公安が近づくと男は走りながら拳銃を撃って地面に命中する。阿片の使いすぎだろう。公安が石を投げつけると、男が振り返って拳銃で受けとめようとして首に命中して倒れた。公安は男を逮捕する。男は「剥製の、代金の方が多くて頭にきて殺した」と言う。



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