むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 4

2019-01-01 09:42:57 | 小説

五六四一の悪魔   [まず「一〇段クルーン大当たりゲーム」。直径一〇㎝の浅い小皿に、直径一二㎜で溝だけの穴と下に通過する穴がある。直径一一㎜の鉄球を、上の開始レールに転がして、小皿に落とす。小皿は一〇段になってて、鉄球が溝か穴に、はまるようになってる。穴の通過確率は、二ぶんの一。開始レールから鉄球を一三個連続で転がすと三個以上大当たりになる。つまり皿の上で鉄球が衝突してもはずれる確率は同じ。そうすると連続で転がしたときにはずれる確率が、高くなる構造の方が、IQが高いことになるわ。一段目の穴を通過するときに、二ぶんの一に振りわける構造よ。穴の出口で、皿の、内側のふちにある当たりレールと、はずれレールにわかれる確率がそれぞれ二ぶんの一。当たりレールに落ちた鉄球は、ゆるやかに内側のレールを転がって、落下地点手前の穴に落ちる。はずれレールに落ちた鉄球は落下地点の傾斜で、当たり鉄球の、三倍の速度で、外側のレールを移動。傾斜部の側面と、当たり鉄球の、穴の間をとおって、皿の中央に転がって、溝にはまる。はずれ鉄球が当たり鉄球をレール上で追い越すと、当たり鉄球がレールから落ちて、はずれの溝へ転がることが多い。一段目の皿がずれてて、下の皿が数㎝間隔で重なってる構造ね。「単発転がし一〇段クルーン一〇二四ぶんの一」よ]

四七四三の悪魔   [「期待値の箱」。一辺が二五㎝の正方形で、高さ四㎝の箱がある。箱のなかは、直径四㎝の穴がふちに一六個並んでて、かどが一〇点、横中央が一点、中間の穴八か所が二点。穴と穴の、間の底面は盛り上がってて、どちらかの穴にすぐ入る構造。箱の、底の、中心の下に、高さ四㎝の軸があって、箱は傾かない状態で静止してる。箱の、上中央の開始穴に、直径三㎝の鉄球を、一個ずつ落として得点を競う。得点穴を鉄球が通過すると、穴についてる三㎝ほどの感知棒が動く。感知棒は軸に負荷がかかってるから、鉄球が通過したあとに転がっても得点を示せる。要点は、かどの穴は、入賞確率が横中央の、穴の、一〇ぶんの一ぐらいじゃなくてほとんどないこと。長さ一二㎝ぐらいで幅が一㎜より細い棒の上を奇跡的に転がり続けないと、かどの穴へは入賞しない。そこで実験を積み重ねて開発したのが「期待値ラック一〇段」。箱の大きさは一辺が一八㎝で、穴の直径を五㎝にして八か所。鉄球が直径四㎝で軸の長さを五㎝にして、かどが一〇点、中間が二点。こんどはかどの入賞確率が、五ぶんの一より大きい。箱の下は、厚さ二㎝の板で、鉄球が下段の、箱の穴へ落ちる穴に、転がるように溝が彫られてる。そういう板を下から九枚重ねて一〇段。箱の高さが五㎝で、全体の高さは一m八〇㎝。幅は四〇㎝ほどで奥行きが二一㎝よ]

五六四一の悪魔   [「レール時計シューティングゲーム」。まず直径一一㎜の鉄球が、長さ一mのレールを、一㎝ぶんの傾斜を三秒で転がる。レールを正方形の形に組みつけて、一五〇段ずつにすると六〇〇本だから上から下まで三〇分。これは高さが六mになるから、高さを一m五〇㎝に縮小する。レールの長さが二五㎝で、傾斜が二五㎜ぶん。上から下まで七分三〇秒。中央の、二五㎝四方の空間に、高さ二mの支柱があって、先端から横に長さ五〇㎝の棒が突き出てて回転する構造。棒の先端は、長さ五〇㎝のひもが出てて、大きさが二〇㎝ほどの、小型弓矢がぶら下がってるわ。ひもは棒と支柱をとおって地面に置かれた重さ一㎏の、重りにつながってる。ボーガンは片手で操作して長さ五㎝のピンを三〇本連射できる性能。でも弓を引いて連射するのに一秒かかるわ。遊び方はレールに鉄球を転がして小型弓矢で撃ってレールから落とす。成功率は最大で三ぶんの一ぐらい。片手で重りがついたひもを引っ張りながら、小型弓矢の先から一〇㎝ほど突き出てるガイドを、レールの台座につけて狙(ねら)う。縦方向は鉄球の中心をとらえられるけど、横方向はがんばって三ぶんの一。開始レールに鉄球が四〇個並んだ二段組みのレールをとりつけて、四〇個落としに挑戦。ルールはピンがレール上に、ひっかかったときは小型弓矢とひもを手から離してとりはずすこと。連射カートリッジはいくつ使ってもよい。小型弓矢は竹の弾力で発射して連射カートリッジに一本送り連結器がついてるわ。あと鉄球が二個以上つながって転がってるときに、先頭や中間の鉄球にピンが、命中してもはじき返されることが多い。撃てる鉄球をいそがしく追っかけたり待ちぶせたりして四〇個達成]

四七四三の悪魔   [「二倍板水田の田植え器」よ。普通の水田は正方形になってて、水田のなかに人が入って田植えをやる。一m幅ぐらいの細長い水田なら田植えが簡単。しかしそれは「あぜ(田と田の、境界の盛り土)」に使う板が多く必要。あぜ板は厚さが二㎝ほどで、幅は二〇㎝ぐらいで長さが一mくらい。杭(くい)や内側を石や土で固定。まずこれが二倍になる細長い水田をつくる。二次方程式になるわね。一辺が一〇mで正方形の水田を基準にすると、短い辺がXで、長い辺が四〇マイナスX。面積が一〇〇で方程式にするとX二乗マイナス四〇Xプラス一〇〇イコールゼロ。二次方程式の公式で計算して短い辺が二.六七九・・・m。二m六八㎝と三七m三二㎝。外側五〇㎝はあぜから植えつけることができて、手が届かない部ぶんは幅三〇㎝で長さ三mの「踏み板」を使う。厚さは二㎝で五〇㎝前へずらすと、五〇㎝と二六八㎝の斜辺が二七二.六二四・・・㎝だから楽勝。一m前へずらすと斜辺は二八六.〇四八・・・㎝。踏み板が斜めに、七㎝ずつあぜにかかっててかどがぎりぎり出てないわ]
五六四一の悪魔   [そこの計算は、どうやるの]
四七四三の悪魔   [悪魔の物さしで測ったから間違いないわ。踏み板の、両端のかどがあぜ板にかかるぐらいで一mよ。苗を一〇㎝間隔で植えるとして踏み板の下は、幅三〇㎝の両側を一〇㎝ずつ手探りで植えればいい]
五六四一の悪魔   [動かすときに苗を傷めるわ]
四七四三の悪魔   [踏み板の両端に、幅二㎝で高さ一〇㎝の足をつけましょう。片方ずつ一m動かせばいい。この、長さ三mの踏み板が、二倍板水田の田植え器よ。もうひとつ楽しい方は「四アール水田が目安なら板を二倍ちょっと使う水田の田植え器」。四アール水田は一辺が二〇mの正方形。これは一辺が五mと八〇mだから二.一二五倍。まず直径が小さくて、幅一〇㎝ぐらいの車輪が、四つついた台車があぜの両側に一台ずつある。両方の台車に、高さ一m五〇㎝のじょうぶな支柱があって、幅一〇㎝で長さ五m五〇㎝の角材とつながってる構造。角材の下に、一〇㎝間隔であぜの方向に、幅一〇㎝で長さ三〇㎝の足場がぶら下がってる。足場はかどの四か所をロープで固定して水面より四㎝ほど浮いてる状態。角材の上にレールがあって、苗を置く四〇㎝四方の、板の底とかみ合う。台車の前後に積まれた苗を、板に乗せて、前後についてるひもで角材の中央へすべらせる。田植え作業は二人でやって苗を角材の中央にある板から、水に浮くお盆へ移して、手に、持ちすぎないようにすること。両足を前後に四〇㎝ほど開くと体重移動ができる]

五六四一の悪魔   [休憩時間終わり。また時計ね。「水滴時計」よ。重さ三㎏の銅でできた容器に水が二四リットルちょうど入る。容器は軸の精度が高くて、じょうぶなシーソーの上に載ってて、底から水滴が下に一二分で二〇〇ミリリットル落ちる構造。つまり二四時間で全部落ちるわけね。シーソーの反対側に、重さ三㎏の箱が載ってて、なかに八三.三三三グラムの、木の板が二八八枚入ってる。容器の水を満杯にして、シーソーが釣り合った状態で底の栓を抜く。シーソーは五分ぐらいで少し傾いて一〇分ならかなり傾いて下にある水滴を、受けとめる容器のふちに当たる。時間を計るときは釣り合う状態になるまで、箱から木の板をとり出して、枚数をかぞえて一枚五分で計算]

四七四三の悪魔   [ゲーム性が高まるから古代ギリシャ人を動員しましょう。「アクロポリスの時空転送器」よ。高さ七〇mの、アクロポリスの、丘の斜面に板を張って、滑走路をつくる。傾斜が三〇度で全長一四〇m。幅は六mで左右に高さ三〇㎝の壁。まず幅五mで長さ六mの「そり」に、背もたれがある椅子を横と縦に一〇脚ずつ並べて固定する。スタート地点にそりと同じ大きさのじょうぶな巨大板を設置して、上にそりを準備。古代ギリシャ人一〇〇人がそりの椅子に座ってベルトで胴体を固定。そりの重さが八〇〇㎏で、巨大板が一トン。人間が六トンね。そりひとりぶんの八㎏が最高強度。巨大板の後ろにロープを一〇本結んで、高さ三mの滑車を一〇台使って八〇人でぶら下がるようにしてつり上げる。巨大板を二m三〇㎝ぐらいつり上げたらそりがすべり始めるわ。斜面の下には、高さ一〇mのゆるやかな砂山があって、そこへ向かってそりがどんどん加速。古代ギリシャ人が一〇〇人同時に、現代に時空移動]

五六四一の悪魔   [「回転竹鬼ごっこ」。かなり危険なので顔を、防御するお面をつけて熟練したプレイヤーが三人で遊ぶ。まず長さ一mで幅六㎝の角材を下にして、両端に高さ一m六㎝の支柱をとりつける。支柱の上から三㎝に穴をあけて、金属製の軸受けをはめ込む。支柱は厚さ三㎝で幅六㎝。軸は鉄製で、長さ九九㎝で直径二㎝よ。長さ二mで直径七㎝の、竹の中心に穴をあけて、厚さ二.五㎝で直径六㎝の「のぞき板」と交互に、軸にとおす。竹を、とおした軸を軸受けにはめて回転竹一mぶん。それを一二個つくって正一二角形の形に立てて、支柱の内側と外側にそえ木を釘で打ちつけて固定。次に、正一二角形の中心に、高さ一mの地蔵を置く。長さ一m五〇㎝で直径三㎝ぐらいの竹二本を十文字に組みつけた物が、地面と平行に、回転するように、回転軸を地蔵の頭につくる。立ったままで四ぶんの一回転させることが可能。回転竹の外側一mくらいに柵をつくって、外周を二四角形にする。そこから他の選手や見物人が観戦。回転竹は軸の負荷が少なくてやや強く動かすと一回転する。ルールは鬼が外周に、いるときに他のプレイヤーが、中央の竹を一〇回転させたら鬼がマイナス二点。回転させたプレイヤーにプラス二点よ。鬼にタッチされるとマイナス一点で、新しく鬼になる。竹を足で動かさないこと。中央の竹は回数を叫びながらまわす。平均してマイナス点数がどんどん増えていくけど得点にこだわらないで竹のゆらぎを楽しむこと。鬼から遠ざかるように、後ろ向きに歩きながら、竹を横向きにする。鬼は竹を地面に、垂直に並べて追う]

五六四一の悪魔   [「牽(けん)制(せい)鬼ごっこ」よ。これは熟練したプレイヤーが一対一で対戦。長さ六mで幅一五㎝の、角材の片側に、三〇〇㎏ぐらいの重りがついてる。重りから一mの部ぶんに軸があって、高さ一m一〇㎝の支柱二本で、振り子のように動く構造。支柱は地面に深く埋め込まれてて、重りは扇形よ。角材の反対側は、幅三〇㎝で長さ一〇mの、板の中心とくっついてる状態。板は厚さ三㎝くらいで、表面に二〇㎝間隔で直径二㎝ぐらいの棒がすべりどめとして貼りつけられてる。角材が四五度傾くと地面からおよそ一mの高さまで、板の先端が移動。プレイヤーが角材の足場をつたって、板の中心に乗る。重りを釣り合った状態プラス一〇㎏に調整。鬼が下で待つ。プレイヤーの体重が六〇㎏なら六二㎏で釣り合うわ。六二わる六〇が一.〇三三・・・。斜辺がコサインの、一.〇三三・・・倍になる角度の、サインの距離だけ中心から移動しても釣り合う。一四.六度のサインが〇.二五二・・・だから五をかけておよそ一m二六㎝ね。ルールは鬼にタッチされるか、板に乗られるとプレイヤーがマイナス一点。鬼が板にぶら下がってもタッチとみなされて、鬼にプラス一点よ。鬼より早く地面に着地して二〇㎝四方の得点板を踏むと、プレイヤーに一点で鬼は変わらず。プレイヤーはすばやく左右に動いて鬼を牽制。体重が、軽い方の鬼が板にぶら下がって、プレイヤーが反対方向に走ると危険だから鬼はすぐ叫ぶこと]

つづく 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿