むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑬

2019-04-19 14:23:55 | 小説

 前回までのあらすじ。米軍の物量作戦によって日本軍陣地は崩壊。もはや投降するしかない。

 

 二〇日目朝。

 僕、西村、竹田、宮川の四人で投降した。

 司令室にH.スミスと孫タイテンがいる。

 僕がH.スミスに「突撃隊員の出身国はどこが多いんだ」と聞く。

 H.スミスは突撃隊員資料をめくりながら「中米から南米の長期服役囚」と言って、

「戦死すると小切手を祖国へ送るが負傷したら米国人になる」と言う。

「ハワイ作戦の死者が幽霊になったあとは、なにをやるんだ」と聞いたら、

「企業のトップはオールマイティーで病気にならない人物が望ましい」と言った。さらに

「それには準備と協力者が必要である」と言ってから、

「囚人兵が乗ってる船を、沈めないことが国際ルールだ」と言う。

四七四三の悪魔 軍人が死んだあとは企業のトップになるという意味よ。

 僕が「ハワイと米国本土にいる日本人の安全を保障してもらいたい」と、言ったらH.スミスがピストルと弾箱を僕によこして、

「麻薬がらみで階級の高い囚人兵がまだいるから身辺警護を頼む」と言った。 

 テニアン島へ囚人トーチカ二〇人と小銃使い四〇人に装備一式。それとM。グアム島へ囚人トーチカ二〇人と小銃使い四〇人に装備一式。それと長野君。

長野君 潜水艦が発進します。

 高年の陸軍将校二人と百合子を本土へ送るように手配した。

 

 二一日目未明。

 H.スミスに誰もいない兵員テントをM五付近まで、設営するように提案する。H.スミスが同意した。

 一時間でテントができた。ジグソー弾をスタンバイする。

「総員(約三〇〇人)海岸の敵陣へ突撃」軍刀をさやごと振り上げてゆっくり走るんだ。
極楽浄土で米兵に突撃指令書を渡せ。

「なにもかもびょうきがわるいのでございましょう。ひとがうまれるんはびょうきのせい。ひとがしぬんはびょうきのせいっ」

M 三番トーチカに収容するぞ。

 

 二二日目朝。

 早朝から死体を撮影している。茶髪イギリス人カメラマンが米軍広報にべらべらとなにかをしゃべっていた。軍刀を全部集めて、トーチカの煉瓦で炉を作って溶かす。

北条政子 奉公の途中であろう。大釜三〇〇個へ「くの字」にしてほうり込むがよい。

 数日後。

 サイパン島に新しく飛行場を造っている。

米囚人パイロット グアムは上陸しないとわからない。テニアンは海水蒸留装置の写真が撮れた。

Mさん(少し年上)、なんとかがんばってください。

M よろしくな。

H.スミス 聞こえるよ。

 今日は突撃隊員の資料整理。アルファベットが二つ並んでいる。PはPERSON(パーソン)、TはTREE(ツリー)、IはIRON(アイアン)、CはCONCRETE(コンクリート)。左が国境ランクで、右が刑期の記号。C、I、T、Pの順に刑期が長い。CCは刑期がへるだけ。PCとかは英雄になれるかも。なにも知らない人が国境を警備しているだけの国だ。

H.スミス 赤ペンでアンダーラインを入れて。

 殺人事件の概要が書いてあって記号に赤ペンを入れる。

「刑期が一〇〇より少ないやつはどうするの」

H.スミス 年齢を丸で囲って。

「こいつらの魂は、使えるの」

H.スミス 知能が高いやつだけ使える。

 千枚チェクしたらH.スミスがよく磨いた床へ置いた。

 一万四千人で全部。報告してもいいのか。

H.スミス どうぞ。

 無線機を借りて本土に連絡する。

「米軍最終データを入手。経過報告が可能」

M 女がなんだ。

 なにをおっしゃるんですか。

M 茶坊主(北条家の子孫)じゃないやつだ。

 ああそうだ。タラワから特殊衛生兵の林君が来ている。

林 子供たちが心配です。

 高年の陸軍将校二人にまかせて。

林 グアムが先ですね。

 三日後だ。

林 三番トーチカは。

 テニアンで完成させる。

 

    つづく