むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑤

2019-04-11 13:27:09 | 小説

  サイパンの戦い


 七日目朝。
「西村。米軍医と話ができるようにしてきて」ショートパンツにロングブーツ。おかっぱ頭。

M もうひとりの小柄で年配な軍医がなにか言ってる。
「聖徳太子の詔(持っている扇子みたいな物)だ。ボードに書かせろ」筆談ができるな。

長野君 「見える」と「みえる」の違いですけど。
「目で見る場合は見える。他はみえるだ」
「長野君、聖徳太子の解説して」

長野君 聖徳太子は倭人の総合体で読み書きができて、倭人の能力で筆談ができます。

 前線を後退させたことで満足したのか、東側の海岸で米兵が記念撮影をしている。

米軍医 (筆談で)そのとおり。

「テント設営係は」

米軍医 装備をよく見て。

 タッポーチョ(中央の山)を高射砲で砲撃している。イギリス軍の応援部隊だ。二発同時に被弾するとわくわくする。終わったら帰ることだ。西村が帰ってきた。

西村 このままじゃおんぼろ戦艦みたいに沈没するわ。


 西側の平地に二〇〇人ほどやってきた。東側に小部隊が散開している。
「長野君、段落のつけ方を説明して」

長野君 時節の節目と、同一段落だとわかりづらい部ぶんに使用します。
「撃ちながら説明した方が、命中率が高いよ」
長野君 読点は頻出助詞「が」「で」「と」「に」「の」「は」「を」が、ひとつの文で連続しないようにつけますが絶対じゃありません。

「小銃使いを配置」弾をセットして撃つまでに一秒かからない。

「海水浴場で暴動。全員射殺だ」売店の場所をわからないようにしろ。

長野君 戦場では戦闘クライマックスに日がわりのスローガンを提唱します。タオルを持ってるやつは捕虜ですね。文章が出てきました。

 

 昭和一九年六月。アメリカ海兵隊カーク・カウマン中尉三四歳はサイパン島で戦っていた。カウマンの、今日の任務は、戦闘を見届けてから日本兵の捕虜になることだ。この島に飛行場を建設すれば、東京への直接爆撃が可能になるため、囚人兵どもは躍起になっている。カウマンは二〇人の部隊を率いて前線へ向かった。日本兵とのサインは腰にぶら下げたタオルだけで、自ぶん以外は囚人兵だ。誤認されると全員機銃で撃たれる恐れがある。太ったやつが「中尉さん。そのタオルは、なんだよ」と聞いてきた。「応急処置用のタオルだ」と答える。太ったやつが「応急処置ならおれがやるぜ」と言う。カウマンが「停止するとジャップが撃ってくるから、おれがやる」と言ったら、相手は「おれは神戸へ旅行に行ったことがあるんだ」とわけがわからないことを言い出す。そのとき前方に機銃を持った日本兵(恐らく名前が神戸)が立っていた。一、二、三、四、五秒。カウマン以外の二〇人が機銃で撃たれて死んだ。もうひとり日本兵の小銃使いが出てきてカウマンに「ごくろうさん」と言う。そのあと捕虜になって、日本軍の洞窟に連れていかれたがなにをしていたかは覚えてない。

 

「アーケード商店街で暴動。全員射殺」商品は女じゃなくて現金と引きかえだ。
長野君 「引きかえ」は「引き換え」と「引き替え」のどちらか不明な場合が多いことから一部ひらがなです。

紫式部 それはむらやさんがア。
「文字づかいを言うとそれが出てくる」

長野君 紫式部は急所を外す作戦の関係で出現したと考えられますが、進行との関係は不明です。

 東側の部隊を撃つ。死体を生きているように見せる。

 死体の首を固定して、海岸を見ている姿勢にした。

 死体が岩陰から山を見ている姿勢にする。

 ナイフのギブスで腕組みしている姿勢にした。

 立てひざの姿勢は刀を四本使う。
「まだ生きてる。空爆したらだめだ」

M 死亡二〇〇名。捕虜七一名っ。

  つづく