ろくすけの長期投資の旅

投資を学び、資産と自分自身の成長を
追及していきます

ROIC本位で行こう(2)~分解して考える

2018-12-09 16:57:41 | 投資スタンス
ROIC=NOPAT(税引後営業利益)÷投下資本(運転資本+固定資産)

出てきた数字に関して、どう考えていくかを説明したいと思います。

まず企業活動においてどう使われているかについて、オムロンを例に見ていきましょう。
同社はROIC経営(リンクをご参照下さい)をしていることで有名ですが、以下の表のように「ROIC逆ツリー展開」を行い、KPIを明確化することによって現場での改善活動に活かしています。



一方、投資において私が重視しているのは、上記の式において分母の部分、つまり「投下資本」を分解して考えることです。
何が企業価値創造の源泉になっているのか、B/S起点で検証してみるということです。



「投下資本」は、売上債権+棚卸資産―仕入債務からなる「運転資本」と、「固定資産」とに大きく分けられます。

同じ営業利益の水準を出すのに「投下資本」が小さければ小さいほどROICは良くなり、うまくお金を回せているということになります。

運転資本に関しては、

・売上債権を減らす(回収を早める、不良債権を発生させない)
・棚卸資産を減らす(機会損失や生産活動停滞を抑制しつつ、徹底した在庫管理で水準の極小化を図る)
・仕入債務を増やす(支払のタイミングを長めに取る)

といった取組で小さくすることができます。

地方スーパーなどは、ほぼ現金回収(売上債権が極端に少ない)の一方で仕入債務が棚卸資産を上回っていたりしますから、運転資本はマイナスになるところが多いですね。
その場合、運転資本の部分で資金余剰が生じている(余分に調達している)ということになります。

売上高1,000で運転資本が▲100の企業の場合、売上高が2,000に増えた時には運転資本は▲200となる計算です。
資金余剰が新たに+100発生し、この分が出店資金等に回せることになりますので、業容の拡大局面では大きな力となります(逆に回転しだすと、今度は資金繰りを圧迫します)。

これに関連して、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)という指標もあります。
「企業が原材料や商品の仕入などに現金を投入してから、在庫期間があって、最終的に売上が現金化されるまでの日数」です。
運転資本がマイナスですと、CCCもマイナスとなります。

ビジネスにおいては、一般的には払いが先で、入りは後ですよね。
その間に資金需要が発生し、通常は金融機関からの調達でつなぐわけです。

CCCがマイナスというのは、これが逆転する形になります。
すなわち、入りが先で、払いが後。

アマゾンがほとんど利益が出ていない状態において莫大な投資を続けられたのも、またデルが在庫を持たない受注生産で業容を急拡大できたのも、CCCが恒常的にマイナスであり、早く回収できた資金を有効活用できたおかげです。
こういう眼でB/Sを見てみると、なかなか味わい深いものがあります。

固定資産に関しては、「回転率アップ」「資産の有効活用」「ローコストの設備投資」などといった意識を持っておくといいと思います。

家具業界でニトリを例に考えてみましょう。

本来、家具はとても場所を取り回転率も低いアイテムですが、ニトリの場合は既に売上高に占める家具の割合が半分以下になってきていて、現在はカーテン、カーペット、寝装品や食器・家庭用品などのインテリア用品、そして生活家電に至るまで多彩な商品を取り扱う業態へと変化してきています。
都心部への出店と相まって大型家具から家庭用品全般へと商品構成のシフトが進む中で、FACTBOOKを見ても年々客数が増え売場販売効率(坪当たりの売上高)が上がっているのが確認できます。

規模が大きくなっても回転率アップへの意識を絶えず持ち続け、国内だけでも「デコホーム」での大きな成長機会が残されている。
しかも国内においては「製造・物流・小売業」としてもはや敵無しとなれば、安心して長期投資できるというわけです。

ここでROICの数字自体をどう扱ったらいいのかという問題が残ります。
次回は同業他社比較を行いながら、その辺りを説明してみたいと思います。

(続く)

こういう記事は書くのに時間がかかりますね。でも楽しいです。
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ROIC本位で行こう(1)~お金をうまく回せる企業を評価する

2018-12-08 00:20:55 | 投資スタンス
ここ1年くらいでしょうか。
私はROICという指標を強く意識するようになりました。
特に最近の銘柄選定にあたっては最重要視していて、PERはもはや二の次といった感じです。

  ROIC=NOPAT(税引後営業利益)÷投下資本(運転資本+固定資産)

「いかに少ない投下資本で、たくさんの利益を稼げるか」を表す指標です。

端的に言うと、「お金をうまく回せる企業」が高く評価されることになります。
シンプルですが、力強いメッセージ性がありますよね。

何より優れているのは、「B/SとP/Lを同時に考えることができる」点です。

元手をあまりかけずに(B/Sを膨らませずに)ぐるぐると効率よくお金を回せている企業は、日々体力面で確実にライバルに差をつけていきます。
それは年を経るにつれ取返しのつかない差となって表れてくることになりますが、これをいち早く察知できる可能性を秘めているのがこの指標だと思います。

個人投資家の多くは、利益成長(P/L)あるいは資産バリュー(B/S)のどちらかに偏りがちで、両方に同時に目配りしている方が少ないという印象を持っています。
とてももったいないことです。

企業の価値創造の源泉にまで踏み込んで考えていく作業は、非常に楽しいものです。

ROICが安定して高い企業は、その背景に何らかの競争優位性を持っていると考えるのが自然です。
この指標を起点に考えていくと、感覚としてその企業が長期投資に値するかどうかがクリアーになってきます。
次回以降、その思考プロセスについて具体例を用いて触れてみたいと思います。

(続く)

↓以前も記事でおすすめした本。まずはここから。

ROIC経営 稼ぐ力の創造と戦略的対話
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


年々知的体力が続かなくなってきていることもあり、記事は小分けにさせていただきます。
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藤本壱「株初心者も資産が増やせる高配当株投資」を読む。

2018-12-05 22:02:56 | 読書
私が投資先に望むのは、稼いだキャッシュを事業に再投資し、(株主としての)課税を繰り延べしつつ複利の力で企業価値を高めてもらうことです。
基本的には、株主がその都度課税されてしまう配当は程々にしてもらいたいという思いがあります。

株主側でお金が必要なら、ポートフォリオの中でうまくいっていない投資に見切りをつけ、一部を売って配当の代わりに元本を確保した方が良いと考えています。
含み損を抱えていた株ならば余計な税金を払わずに済みますし、適宜見直しを行うことでポートフォリオをフレッシュに保てるという副次的な効果もあります。

そんなわけで、ポートフォリオを高配当株だけで固めたり配当再投資戦略に特化したりすることには、乗り気ではありませんでした。
ただこれだけボラティリティが高くなった相場で、一定部分についてマイルドな値動きの高配当株にシフトするというのは精神衛生上いいのかもしれません。
将来的な配当金生活への移行を検討してみたかったこともあって、この本を手に取ってみた次第です。

株初心者も資産が増やせる高配当株投資 (高配当&堅実成長で値上がる銘柄の探し方)
クリエーター情報なし
自由国民社


藤本壱氏は初めて知りましたが、これまで投資関係の本を書いてきている方のようですね。
単に現時点での配当利回りが高い株を薦めるのではなく、業種ごとのリスクと可能性、長期的な増配傾向を考慮した銘柄選択、ネットキャッシュへの着目等、バランスの取れた内容となっております。
中長期的な資産形成への目配りもあり、株初心者に対して分かりやすく良心的な本だと思いました。

ただこの本では多くの銘柄が紹介されておりますが、私にとっては投資を検討したいものはほとんどありませんでした。
配当性向が高いということは、その企業にとって投資機会が乏しいことの裏返しです。
企業としての面白みにはどうしても欠けてしまうんですよね。

むしろ何らかの事情があって、配当性向は高くないにも関わらず低PERを余儀なくされているために、結果的に配当利回りが高くなっている株の方に魅力を感じます。
一時的に減益見込みであるとか、一見財務面のリスクを抱えているとか、株主還元の姿勢が見られないとか。
でもきっかけ次第で状況が一変する可能性を秘めている。
こっちの方にお宝が潜んでいる気がします。

あれ?本来の高配当株を求める目的はどこかに行ってしまいましたね(苦笑)
私はやはり知的な刺激を投資に求めるところがあり、純粋な高配当株投資は向いていないのかもしれません。

これまで読んで来なかった類の本で、良い頭の体操になりました。
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ろくすけカブスのスタメン状況(18.11.30)

2018-12-01 20:40:34 | 投資日記
11月末のろくすけカブスです。



リログループの割合がまた30%に乗ってきました。
一銘柄の比率としてはこの辺りを限度にしたいですね。

一方でポートフォリオの下位が小口分散化してきました。
フレッシュな顔ぶれが増えてくると楽しいです。
でもゴチャゴチャしているので、老眼が進行する前に少しすっきりさせたいですね(笑)
集めていきたい銘柄はあらかた打診買いができましたので、ここからじっくり吟味しウェイトの軽重を決めていきたいと思います。

次にランキングです。



4銘柄が新規ランクイン。
ややBtoBに偏っていたので、長期保有できそうなBtoCを組み入れました。
時価総額が大きめの銘柄が増えてきて、以前の自分とは嗜好がだいぶ変わってきたのを感じます。
成長性より安定性、つまり競争力の持続性を重視するというのが今の方針です。

上位5銘柄はしばらくこのままでいきそうです。
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今月の売買(18年11月)

2018-11-30 21:01:03 | 今月の売買
今月の売買です。
後で振り返れば、自分の意識の大きな転換点であったと言える月かもしれません。


【購入】

6032 インターワークス(追加)

… 景気後退が意識されると、この業種は途端に不人気化しますね。さすがに3Qでの下方修正の可能性はある程度織り込んだでしょうか。

2914 日本たばこ産業(追加×3)

… ここの優待はなかなか良かったです。優待が長期優遇で改善されたのは自分としてはプラスです。

2311 エプコ(追加)

… 4年前とさほど株価が変わらない水準というのは違和感があります。あの衝撃的な中期経営計画と株主及び社員への還元策は何だったのかということに。

6145 日特エンジニアリング(追加×2)

… 久々の買い増し。いずれ売上高500億円に到達するという前提で考えれば、クオーターごとの受注高にやきもきする必要はないのかなと。2Qの決算説明会資料を見てもそんな印象です。

1808 長谷工コーポレーション(追加×2)

… 守り固め。高配当と換金しやすさがこういう時期にはいいですね。

5393 ニチアス(新規+追加×3)

… 地味すぎる苦瓜銘柄。長期的な業績・配当の安定成長振りに比して売られ過ぎの感があったので、この辺で集め始めるのも面白いかなと。

4063 信越化学工業(追加)

… 突っ込んだタイミングでは少しずつ増やしていくつもりです。

7846 パイロットコーポレーション(新規)

… 「堀」を持つ日本のバフェット銘柄の一つだと思います。買いのタイミングが来たと判断しました。

8252 丸井グループ(新規)

… 3月の権利取得に向けてとりあえず1単元だけ復活。

9843 ニトリホールディングス(新規+追加×3)

… 成熟した業界の中で、抜群の競争優位性は長期的に保たれると思います。もう縁のない銘柄かもと諦めていましたが、この調整は私にとっては思わぬチャンス到来でした。

3064 MonotaRO(新規)

… 12月の権利取得に向けて。暴落はラッキーでした。

7453 良品計画(新規)

… 誰が見てもいい企業。ニトリ同様深く調整していたところを。

2157 コシダカホールディングス(新規+追加×4)

… カラオケが首都圏での存在感を高めており、カーブスでの新たな展開も見えてきたこともあって、停滞期からの再加速が鮮明になってきました。長期的に価値創造ができる企業として改めて評価します。

3633 GMOペパボ(新規+追加)

… 「ろくすけカブス」立ち上げ間もない7年前はポートフォリオの1位でした。そろそろ株価的にも来期以降を見据えて投資してもいい頃かなと。

4642 オリジナル設計(新規+追加×2)

… 自己株式の取得と事業承継絡みの公開買付けで注目を浴びましたが、本来は非常に地味な企業。ただ生産性改善がもたらした高いROIC・長期的な需要の大きさに対する割安さは魅力で、株価が抑えられているうちに長期目線で買っておこうと思いました。公開買付期間はまだ先なので、今あわてて買う必要は無いですけどね。


【売却】

6312 フロイント産業(一部売却)

… リチウムイオン電池向けは短期的には期待外れの模様。株数を減らして様子を見ることに。

3276 日本管理センター(全部売却)

… 株主に対して不誠実であるという印象は拭い切れず、結局全部売ってしまいました。保有期間が長かっただけに利益はそこそこ出ましたが、虚しさが残りますね。

3963 シンクロフード(全部売却)

… 高PERを許容できる環境ではなくなったこともあり、他との兼ね合いで。

4922 コーセー(一部売却×2)

… 売られ過ぎからのリバウンドは取れたと思います。

3244 サムティ(全部売却)

… 入りは大阪宿泊目的でしたが、権利取得前に利確。結果的には良かったです。

8876 リログループ(一部売却×2)

… 株価上昇でポートフォリオの中の割合がまた高まったので。一銘柄をあまり突出させたくないんですよね。庭木の剪定みたいなもんです。


日本管理センターを売却して資金がたっぷり確保できたことと、10月からの株価下落もあって、バイ&ホールドに耐えうる優良株をまとめて購入することができました。
この判断が後々効いてくると良いのですが。

一時期は高配当株に気持ちが傾いていましたが、今は高ROICをベースに考えています。
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