心理カウンセラーの眼!

孤立無援の・・君よ、眼をこらして見よ!

殺人衝動のタガがはずれた日本の時代の病理

2015-03-15 15:17:03 | のほせんの心理カウンセリング

こんにちは、のほせんです。

まだ幼木の桃の蕾がふくらんでそろそろ開花しそうな様子です。

去年は花後に葉が火ぶくれの病気になり、可愛そうなことになりました。

この一年を雨にも負けず風にも負けず懸命に立ちつづけてきたことに感銘すらおぼえます。

人の子もまた
それぞれが懸命に葛藤しつつ自我たらしめて生きていると思うと愛おしいかぎりです。

みなさんは、いかがおすごしでしょうか?

さて近ごろ、
病理的な殺人事件が相ついで報道されています。

今回はこのことについて心理カウンセラーの立場からお話してみたいとおもいます。

いちばん直近の事件をみていくと、

淡路島での近隣住民五人を刺殺したという事件が報道されています。

容疑者の男性H(40歳)は、

県警によると、2013年10月まで明石市の精神科病院に入院しており、「妄想性障害」と診断されていたこと。

退院後、父親と再び同居を始めたとみられるが、事件を起こす直前まで

ツイッターやフェイスブックに、近隣住民や地域の病院の院長、警察官、市職員らを一方的に中傷、

意味不明な「攻撃」を繰り返していたといわれている。 また

容疑者Hはこの地区で幼少期を過ごしたが、小学生の頃は「ふつうの男の子だった」と証言されている。

報道によれば、「中学時代には休みがちになり、地区外の高校に進学。10代で父親と別居。

父親も一時同地区を離れていたが、10年ほど前に高齢の祖母の面倒を見るため実家に戻り、地域の老人会の活動などにも積極的に参加していた。」とある。・・

これらの情報からでも、Hが
思春期のはじめに心的な不安におちいって以来、

しだいに引きこもりによる現実乖離の被害妄想化を強化・肥大化させていったために

家族や周囲に精神科に入院させられたことがみとめられます。

精神科では「妄想性障害」という診断をもとに、おそらくクスリ漬けがおこなわれたために

「一日中、どんよりとして何をする気もおこらない」(精神科の入院患者の話より)処置を受けた結果、

本来の「病気の治癒」による退院ではなく、

ただ「おとなしくなったから」退院させられたことがうかがえよう。

他の病気とちがって、患部を切除したり、クスリを飲めばそのうちに治るというものではない。

「心的な病理が生理的メカニズムに還元されえない」ことを正しく認識されないゆえに、

いつまでたっても治癒しない患者が、

どこまでもクスリ漬けにされつづける情況が変わらない。

-- 「生理としての身体が存在しなければ、あらゆる心的現象は存在しえない、

このことは、いうまでもなく “自然 ” としての人間の本質に根ざしている。

それにもかかわらず心的現象は、生理的現象に還元しうるか?

もし量子生物学の発展が、生理的なメカニズムをすべて微視的にとらえうるようになったとき、

心的現象は生理的現象によって了解可能となるか?

もちろんこれに対する答えは、 “ 否 ” である。・・

たとえば “ 性的 ” な欲求とか、についての意識は、

生物体としての人間の生理機構に還元しうる心的な領域である。

それゆえこのような心的な領域では、自己自身または自己と他者との一対一の関係しか成り立たない。

ところが、世界についての認識とか芸術についての情動とかは、生理的な機構に還元されず、

自己自身に対しても外的現実に対しても幻想性(媒介的な心的領域)としてしか関係をもつことができない。・・

脳生理学者や神経生理学者のうちには、

心的な領域の時間性が、身体の神経伝達の速さの時間性のちがいであり、

知覚現象の空間性が感官の外界からうけとる神経の受容性と

脳中枢における対応する個所の翻案作業の結果であるかのように考えたがる傾向も存在する。

しかし、それはまったく誤謬である。 なぜならば、

心的な領域は、生理機構への還元が不可能な領域だからこそ、

はじめて人間的に存在する心的領域とよびうるからである。」 --(「心的現象論序説」吉本隆明著 一部略)

ことほど左様にして、脳生理学が幅を利かす精神医学界は

ついに「治癒」に向き合うすべをみずから捨ててしまっているのであります。

ならばつぎつぎと生みだされてくる心的病理のひとはいったいどうなるのか?・・・

わたしたちは世界に屈指の、吉本隆明の研鑽の賜物を土台にして、

個々人の病理に向き合い、かつ時代の先鋭的な病理を察知してゆくしかない。・・・


-- そのすこし前にも容疑者が女子大生と女子高生であった殺人事件がそれぞれ報道されています。

・報道によると、
名古屋市の77歳女性殺害事件で、容疑者の女子大学生A子(19)は、中学生のころから“毒マニア”だったという。

 殺害現場のA子の自宅からは、毒性の強い劇薬タリウムが押収されている。

「A子は中学生時代から毒キノコや化学薬品について熱心に調べるほどの“毒マニア”だったそうです。
飼っていたハムスターに自作の薬品をかける“実験”も行っていた。
はさみやカッターを常に持ち歩き、『猫の中身を見てみたい』と友人に漏らしていたといいます」(捜査事情通)

そしてついに最初の事件が起きる。 毒を使った同級生失明障害事件である。
宮城県内の私立高に進学したA子は「同級生だった男子生徒に毒を盛った」と、逮捕後に供述しているという。

・また、もう一人の「佐世保女子高生殺害解剖事件」の容疑者女子高生Aは、

児童期からヒステリー症状をみせていたようだ。
6年生の時に給食の食器の中に漂白剤や洗剤を数回にわたって試したことが確認されている。
このときに学校カウンセリングを重ねて受けている。
しかし中学生になると、「猫を解剖するうちに、人を殺したいと思うようになり、がまんできなくなった」と証言。
中学卒業直後に、父親の就寝中にを頭部を殴打し頭蓋骨陥没の重傷を負わす。
面談した高校の職員には「人を殺してみたかったので、父親でなくてもよかった。あなたでもいい」と告白。
以後もカウンセラーや教師の面談は継続して行われていたが。・・
父が女性Bさんと再婚。母親が死去して数ヶ月の出来事。
この二月あとに、いちばん仲良しの一人だった同級生の殺害を実行する。
「典型的なサイコパス、衝動を抑えきれない快楽殺人。」と報道される。 --

容疑者Aが「誰でもよかった」といったものの、「仲良しの一人」をえらんだことは、

人と密着することでしか「愛着を表現」(殺人をおこなうこと)できなかった、

密着の病を端的にしめしている。

また動物や人を傷つけたいという願望が、

もともと抱え込んでいるフェティシズムから出発しているとおもわれるが、それが

サイコパスに成長するまでには、多様な社会性との葛藤の負の勝利が必要となる。

負の勝利とは、
父母との過剰な病理的密着からかかえられてきた社会性の葛藤の欠如によるまったくの孤立を意味し、

みずからの嗜好癖をよしとして疑うことなく、病理を培養肥大化し、

殺人衝動という強迫神経症に自身をゆだねて省みる精神も見当たらない

壮絶な孤立とみなすほかないだろう。・・・

現代日本が、かかえこんだ心的な病理は

社会性のタガが外れた日本社会の終末さえ暗示しているとおもえるほどである。

わたしたちは目新しいツールをつぎつぎと与えられたために、

ケータイネット病を病み、無自覚に肥大させてコントロール不能に、 また一方では

「原発推進と防災日本を宣言し、TPP推進と地方創生を謳う」 とまあ、

分裂症的に背反する言葉を平然とあらわしているいちばんエライ人をいただいて、喜んでいる。

新たな時代病をかかえて、

この国は覚醒しないまま、 そろって奈落のほうへ流れ下ろうとしている。・・・
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