●主張とは
「主張する」といえば、相手に対し口頭で説明することを想像しますよね。
でも、こういう手続きでは、口頭での主張にはあまり意味がありません。取り締まりの現場で警察官に1時間たっぷり文句を言っても、反則金を払えば、あるいは略式に応じて罰金を払えば、 「なんかグズグズ言うておったようだが、よく考えたら不服はなかったんだな。取り締まりは正しかったと認めたんだな 」となってしまうわけです。
たとえば、制限50キロのところをメーター読み65キロ(15キロ超過)で走っていて、そこをどういうわけか30キロ超過で捕まったとしましょう。
「たしかに少し違反はしてたけど、俺は80キロなんて出してない!」
とさんざん説明して、警察官もニコニコうなづいて聞いてくれても、
「私は違反していました」
とだけ調書に書かれ、そこにサインしたら、どうなります? 30キロ超過の容疑で取り締まりを受けた場合に「違反した」といえば、15キロ超過ではなく30キロ超過を認めたこと になるのです。
「不服を主張する」とは、しゃべりまくってすっきりすることではないのです。
反則金を払わないという選択、略式に応じないという選択、そして、自分のサインのある書類(調書や陳述書等)に書かれた内容、それが「主張」になるのです。そこんとこ、ご注意ください。