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白血病って、何なのよ!  岩崎邦子の「日々悠々」㉓

2019-02-22 10:44:37 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」㉓

 白血病って、何なのよ!                     

 

   驚異的な記録を出し続け、天才ぶりを発揮してきた競泳女子の池江璃花子さん(18)が、自らが白血病であることを告白した。誰の心にも「まさか!」となって、この衝撃のニュースは国内だけに留まらず、世界中に広まる。池江さんのショッキングな告白を、テレビの情報番組は一斉に取り上げた。競泳仲間や他のアスリート、著名人たち、子供たちの寄せ書きなど、続々と「頑張れ」のメッセージが届く。応援のつもりのコメンテーターの発言に対しては軽々しいとか、的を射る言葉になっていないなど、毎日、テレビやネットニュースを賑わした。

   白血病を私なりに調べてみた。原因もなく、血液中の白血球が無制限に増殖する病気らしい。赤血球、血小板が徐々に減少し、息切れ、動悸、貧血などの症状が出る。急性型、慢性型、特殊型などのタイプがあり、それぞれの型の中に骨髄性、リンパ性、単球性などの種類がある。もっとも患者数が多いのが急性骨髄性白血病で、次に多いのが慢性骨髄性白血病だ。50%の確率で脾臓が大きくなり、末期には急性転化で急激に病状が悪化するという。

   私のミーハーぶりを綴ってみようと思う。

   白血病と聞いて、すぐに思い出すのは俳優の渡辺謙(59)である。30年前に発症していたが、今、彼は元気に活躍をしている。女優の吉井怜(36)は、18歳で白血病を発症したが、やはり今は元気である。最近のアスリートで言えば、サッカーの早川文武、野球の岩下修一も、現役復帰している。医学の進歩により、白血病はかなりの率で完治している人たちも少なくない。

   しかし、その昔はやはり悲しい結果になった人もあって、そのことが思い出される。その筆頭が女優の夏目雅子だ。急性骨髄性白血病という、当時は「不治の病」と呼ばれていた病に侵され27歳の若さで亡くなっている。もし、お元気であれば60歳位か。おそらく名女優と言われているだろう。

   がんは当時、本人に告知しないのが一般的で、「重度の貧血」とされていた。しかし、急性骨髄性白血病は、抗がん剤の副作用に耐えないと完治しない。入院してから2度の抗がん剤治療を受けても、病状は改善しなかった。病名は告げられることもなく、医師から新薬の説明を受けた。「副作用で、髪の毛は抜け、30%以上の確率で命を落とす」と、言われたという。

  母親のスエさんは「髪は女の命よ。女優なのに髪の毛がなくなるなんて、冗談じゃないわ」と言って、新薬の治療に反対した。完治すれば髪の毛は生えてくるとは言え、女優にはその決断は容易ではない。夏目雅子はテレビ・ドラマ『西遊記』で三蔵法師を演じているので、「私、日本で一番坊主が似合う女優って言われているのよ。気にならないわ」と。

   いざ、治療を始めると、副作用は想像以上だった。幸いにも、白血病の症状は消え、「寛解」(病気そのものは完全に治癒していないが、症状が一時的あるいは永続的に軽減、または消失していることで、白血病などに用いる語)に入った。ところが8月、風邪を引いてしまう。免疫力が低下して肺炎を併発した。意識混濁、肺不全となり数日間で亡くなった。1985年9月、若くて才能のある美人女優は、奇跡まで、あと一歩だけ及ばなかった。

   池江選手の報道後、骨髄バンクへの関心が一気に高まっている。この病気、白血病を良く知る人のコメントに耳を傾けたい。タレントの中川翔子(お父さんが白血病32歳で歿)は「知ることはとても大事」としてドナー登録を呼びかけた。女優の東ちづるは27年間、骨髄バンクの活動をしていて、「治療は日進月歩、正しい情報を選択できることが重要」と述べている。

   ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授らがiPS細胞の作製し、それを使って患者の中にある数少ないキラーT細胞を増やし、がん治療(免疫治療)をするという研究が進められている。まだ実験段階と言われているが、骨髄性白血病の治療にも効果的だというではないか。ぜひとも、早期の実用化を期待したい。がんに関しては、その後も本庶佑教授のオプジーボの免疫療法が話題となっている。

   今は、昔のように病名を隠すこともないことや、医学の進歩に大いに期待もするが、池江さん本人の力強いメッセージが、何よりの救いとなる。

「しっかり治療すれば、完治する病気です。治療に専念し、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張ります。必ず戻ってきます」「神様は乗り越えられない試練は与えない」「骨髄バンクに登録した、輸血・献血をした、などの沢山のメッセージを頂いた。私だけでなく同じような辛い思いをしている方たちにも、希望を持たせていただいた」

   このように、池江璃花子さんはきちんと自分で受け止めて対処している。その強い精神力は、どのように養われてきたのだろう。親御さんはどんな人で、どのように育てて来られたのだろう。またも私のミーハー精神を出し、ネットで知り得た情報を書いてみる。

   父親の池江俊博さんは1965年生まれで、元航空自衛隊パイロットだ。㈱ノーザンライツ(本店・千葉県・安食)を経営する傍ら、能力開発、メンタルトレーニングなどに携わっている。幼児教育の七田式教育(認めて、ほめて、愛して、育てる)の上級講師の資格を持ち、著書も『子供を「伸ばす親」と「ダメにする親」の習慣』など著著も多い。ちなみに、七田式幼児教育は0歳から始められる幼児教育として、60年の実績があり、世界19か国で展開しているという。

   母親の美由紀さんも幼児教育にたずさわっている。七田チャイルドアカデミー(現在はEQWELチャイルドアカデミー)の本八幡(市川市)教室の代表だ。子供への英才教育が凄かったようで、お兄さん、お姉さん、璃花子さんの3人を、水中出産をした。

   教育の一環として、「食」に力を入れており、子供たちの食事は玄米・魚・オーガニック野菜をメインにして、肉や卵は与えなかった。また通っていた保育園に「牛乳を飲ませない」よう依頼するという徹底ぶり。私の子育て時代には、とくに牛乳を飲ませることを奨励されていたことを思い出してしまう。家畜のほとんどは成長ホルモンや、抗生物質が含まれた化学飼料で育てられているので、池江家ではこうした食物の摂取をきっちりと避けてきたことのようだ。

 また、ぶらさがりトレーニングは幼児教育では有名とかで、池江家の自宅には雲梯(うんてい)が設置されていて、体づくりをしていた。生後6カ月で、母親の指を握ってぶら下がれるようになり、1歳半で鉄棒の逆上がりをこなしたという。水泳は3歳10カ月から始め、5歳で4つの泳法を50メートル泳げるようになった。美由紀さんの厳格な子供教育ぶりに驚嘆する。

 池江璃花子さんは、こんなにもしっかり育てられ、本人も並々ならぬ努力家であり、アスリートや競泳仲間の誰からも愛されてきた。今は試練の時になっているが、治療に専念された後には、強くなった池江璃花子さんの姿が見られることだろう。夫の知人から「池江璃花子さんへの応戦メッセージを邦子さんのブログで見たい」と、LINEで送られてきた。私の拙い文を読んでくださっていることに心から感謝。璃花子さん、そのご家族に心から敬意を払い、私は静かに元気になられるのを待っている。

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